「刺激はバイク並み!?」1万1500rpmまでブン回して走るアルトの衝撃!

パワーバンドは8000rpm以降!?

名門ショップの実験車両が面白すぎる!

問答無用の軽チューンドが集結した「K-CAR MEETING2022」の会場内で、独特の存在感を放っていたHA23V型アルトが今回の主役だ。

このマシンは、イベント内のスーパーバトルRクラス(無差別級)をターゲットにした純然たるサーキットスペックであり、名門“アクエリアススポーツ”の実験車両でもある。

「アルトは腕磨きのための実験車両兼レースカー。コロナ禍で時間があったので製作しました」と語るのは、アクエリアススポーツのアラシゲさんだ。

細部を見ていく。心臓部のF6Aユニットは、CPキャリロ製の72.5φ鍛造ピストンで腰下を強化した上で、ヘッドに作用角280度のアクエリアススポーツオリジナルハイカムを投入。そこにTMR製キャブを組み込み、約90psを発揮。なお、出力特性は超がつくほどの高回転型で、パワーバンドは8000rpm以降、1万1500rpmまで常用するというから恐れ入る。

足回りはシルクロード製の車高調でセットアップ。スプリングレートはフロント8kg/mm、リヤ10kg/mm。スプリング長を含めて暫定仕様とのことだ。アーム類はサスペンションに入力される負荷に対して、リニアに足を動かすことを目的にフルピロ化している。

ホイールは往年のRSワタナベ(F6.5J×14 R6J×13)でタイヤにはアドバンA050(F185/55-14 R175/60-13)をセット。ブレーキチューンも抜かりなく、フロントにアルコンキャリパー&260mmローターを組み込み、リヤもノーマルディスク流用でストッピングパワーを高めている。

腰高のアルトで旋回性能を高めるためには、車高を可能な限り落とす必要がある。とはいえ、純正ボディのままでは限界があるため、この車両はアーチ上げ加工やサイクルフェンダー化、ドライブシャフトの逃げ加工などを行うことで、地を這うようなローフォルムを実現している。

室内は快適装備を完全に撤去し、フル溶接処理されたワンオフロールケージをインストール。さらに剛性に関係のないパネル類はカット&穴開け加工することで600㎏ジャストまで車重を絞り込んだ。安全タンクは助手席側リアシート位置に低くマウントして低重心化を狙っている。

空燃比、燃圧、水温、油温、油圧、回転計が並ぶメーター周り。タコメーターはバイク用で、距離だけでなくワーニング機能も有する優れもの。レッドは1万1500rpmだ。ピット停止時に電動ファンを回すためのスイッチも装備。

50mmワイドのフェンダーは、フロントがアクエリアススポーツのオリジナルでリヤは汎用をセレクト。

スケールは小さいものの、メイキングは完全にレーシングカーレベル。ここまで作り込んだアクエリアススポーツの情熱には、ただ感服するばかりだ。

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