「インテRに440馬力のK24ターボ搭載!」北米の若きホンダ乗りたちが憧れる魔改造DC5、見参

次世代のホンダ乗りにとって憧れの魔改造インテグラ!

匠のカスタムワークで仕上げられたK24ターボ仕様

15歳の時にテレビで放送されていたアキュラRSX(K20Aを搭載する北米版のDC5型インテグラ)のCMを見て、ルックスに一目惚れしたと語るマーシャル・エンジェル。

同世代のホンダ車であるEP3型シビックも同じくらい好きだったが、チューニングのベース車両を探していた時にフルノーマルのDC5が先に見つかったため購入に至ったという。

NoCal(北カリフォルニア)のサクラメントを拠点に、仲間と共同で“RaceWorz(レースウォーズ)”というカーイベントを運営しているマーシャル。 RSXは自身のアイデンティティの表現であると同時に、イベントを象徴する名刺代わり的な存在でもある。ドラッグレースとカーショーを組み合わせた複合イベントとして展開されるレースウォーズは、SoCalのフォンタナや北欧のノルウェイでも開催。中米のプエルトリコ、そしてここ日本でも開催に向けて準備が進められている最中だ。

「自分自身がRSXでクレイジービルドを実現させることで、レースウォーズがいかに刺激に満ちた体験であるかを表現したかったんだ。日本でのイベントもぜひ成功させたいよ!」と語るマーシャル。その言葉通り、彼のRSXは周囲のギャラリーが「DC5でここまでやるか!」と目を剥くような究極的オリジナリティが追求されている。

そのハイライトとなるのがエンジンルーム。2.4LのK24A2型ブロックにK20Aのヘッドを組み合わせたエンジンには、圧縮比を8.8:1にまで高めるワイセコのピストンなど、高品質なムービングパーツをインストール。

プレシジョンの6262タービンを核としたカスタムターボキットは、現在SoCalで飛ぶ鳥を落とす勢いの職人集団シーピー・ビルトによる造作だ。本来はエアクリーナーボックスが備わるスペースにタービンを配置。エンジン後方を這うEXマニから排気が供給される。

大容量インテークとスロットルボディはスカンク2製を使用。バッテリーはバンパー内側、ヒューズボックスは助手席前に移設され、空いたスペースに冷却水のスワールポットや燃圧レギュレーターが備わる。CSFラジエターのコアを使用したインタークーラーとラジエター、ワンオフのオイルブリーザータンクも効率良くレイアウトしている。

ワイヤータックやバッテリーの移設も取り入れてエンジンルームをリデザインし、あえてタービンを目立つ位置にマウントした手腕は見事としか言いようがない。

エクステリアは、JDMのタイプR純正フロントバンパーに、USDMのA-Spec(パッケージオプション)フロントリップを組み合わせた日米のハーフ顔。ボンネットとリヤウイングはセイボン製で、カーボンの地肌を見せるためにベントなど一部を無塗装としている。車体のカスタムペイントはBMWのフロストとレクサスのパールを組み合わせたオリジナルのホワイトを使用。

ホイールはレイズの海外専売モデルであるグラムライツ57DRを装着。タイヤはフロントのトレッドが235幅、リアが225幅とフロント優勢のサイズ設定を行い、apレーシングのブレーキで制動力も強化。4ポットキャリパーと330mmの2ピースローターが組み合わせられ、キャリパーとハットにネオクローム・コバルトブルーのカスタムペイントを施すオシャレ心も発揮。

インテリアメイクも凄まじい。メータークラスターにスウェードで製作したベゼルを組み込んでS2000の純正メーターをコンバートしたり、センターパネルにiPad miniをインストールしたりと、芸の細かいモディファイが施された。

シートはタイプR純正のレカロを移植し、4点式ロールバーとCピラーバーも備える。グローブボックスの中にはキッカーのコントロールパネル、リヤシート後方にJLオーディオのアンプを備えるなど、音響に対する拘りも見せる。

最高出力が440psに達するマーシャルのRSXは、既にドラッグレースで10秒台を叩き出す性能を誇示。だが、今後は足回りを中心にサーキットでのグリップ走行に合わせた仕様変更を加えていきたいとのことだ。アメリカでも手頃な価格でユーズドが手に入るRSXは、若者にとっても現実的な選択肢。

どこからどう見てもクレイジー過ぎるモディファイが加えられ、地元のソノマ・レースウェイをぶっ飛ばすマーシャルのRSXは、そんな次世代のホンダ乗りにとっても憧れの存在だ。

PHOTO:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI

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