「格上のM3と真っ向勝負!」BMW318iS(E36)ボルトオンターボ仕様の衝撃

耐久性抜群の260馬力を誇るTD05ボルトオンターボ仕様

富士のストレートではE46型M3とも勝負できる!

国産車チューンを軸にしながら、BMW E36/46チューンも精力的に進めている“カゼクラフト”。今回取材したのは代表の風間さん自らがサーキット走行を楽しむために製作した1台で、ボルトオンターボ仕様というのがポイントだ。

注目のエンジンは、ガスケットまで含めてノーマルの前期型1.8L(M42型)にTD05-16G(8cm2)タービンをセットした260ps仕様。最大ブースト圧は0.9キロの設定だ。

燃料系はサード255L/hポンプと550ccインジェクターで容量アップを図り、点火系ではS15シルビア用コイル流用によるダイレクトイグニッション化が行われ、F-CON Vプロで制御される。

フロントバンパー開口部の奥にセットされたインタークーラーはHKSのJZX100用を流用。フロントグリルの奥にはHKSオイルクーラーも確認できる。国産車用パーツを上手く使ってチューニングされているのだ。

風間さんいわく「このあたりが、扱いやすくてちょうど良いパワーだと思います。耐久性も問題ありませんから、サーキットもガンガン走れますよ。ちなみに、富士のホームストレートではE46のM3と良い勝負ですから、速さだって十分です」とのこと。

その言葉に説得力があるのは、最大ブースト圧0.75キロ時に230psを獲得するオリジナルのT517Zタービンキットをラインナップする一方、過去に後期型1.9L(M44型)フルチューン+T67-25Gタービン仕様でパワーを追求してきた実績があるからだ。

「T67-25G仕様は、パワーに対するエンジン本体の耐久性を確認するのが目的でした。ブースト圧は常時1.4キロの360ps仕様でしたけど、最大1.6キロで400psをオーバーした途端、ボア間でガスケット抜けが発生して。根本的にボアピッチが狭いエンジンなので、メタルガスケットを使っても燃焼圧力に耐えきれなかったということです」と風間さん。そういった過去の経験とデータに基づいて260psがちょうど良いパワーという、ひとつの結論が導き出されたわけだ。

また、大幅に向上したパワー&トルクを受け止めるため駆動系も強化される。ミッションはE36型M3のゲトラグ製6速MTに換装され、デフやドライブシャフトもリヤサスメンバー一式をM3用に交換することで容量アップが図られる。しかも、ミッションは完全ボルトオン、リヤサスメンバーもほぼ無加工で装着できたりする。

「ちょうどシルビアにGT-Rのメンバーを移植するような感覚ですね。318iSには流用できる純正パーツが沢山あるので、輸入車の中でも手軽にチューニングを楽しめるクルマだと思いますよ」とのこと。

足回りは、ビルシュタインBPSダンパーにフロントメイン12kg/mm+ヘルパー2kg/mmのスウィフト製スプリングを、リヤ14kg/mmのベステックス製スプリングをセット。また、ブレーキはフロントがapレーシング4ポットキャリパー+ローター、リヤはメンバーごと移植されたことでM3純正キャリパー+ローターという組み合わせになる。

一方のエクステリアは、オリジナルのフロントリップ&リヤスポイラーが装着される程度。マフラーはメインパイプ径76.3φのオリジナルステンレス製で、触媒後交換タイプが装着される。国産チューンドの雰囲気をかもすホイールは、17インチで前後9.0J+28のワークエモーションXT7。そこに255/40サイズのポテンザRE-01Rをセット。

インパネ周りでは、ステアリングがスパルコ製に交換され、センターコンソールにはブリッツデュアルSBC、HKSサーキットアタックカウンター、東名PLX A/F計を装着。機能を優先したメイキングだ。シートはカゼクラフトオリジナルフルバケットに交換。シェルの材質は運転席がカーボンケプラー、助手席がカーボンとなる。

エンジン本体のパワーアップはもちろん、それにともなう周辺パーツの強化や容量アップにも困ることはない。そんな恵まれた環境にあるBMW318iSは、インポートカーでチューニングを楽しむ初めてのクルマとして超お勧めの1台なのだ。

●取材協力:カゼクラフト TEL:048-286-7060

「この楽しさは完全にハチロクだ!」BMW(E36型)の4気筒モデルはサスチューンで化けるんです!!

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