「AE86に現行86&BRZの6速MTを搭載する衝撃メニュー」デメリットは一切なし! ハチロク専門店ならではの拘りが満載

長くハチロクを楽しみたいオーナーに向けたプログラム

1〜3速のトリプルコーンシンクロが好フィールを生み出す

30年以上もの年月が経過した今でも現役で愛され続けるAE86。走りを楽しみ続けるためのメニューは豊富に用意されてきたが、リフレッシュしようという際にパーツの生産廃止などにより“入手&リフレッシュ困難”な状況に困惑するシーンも見られるようになってきた。

例えばミッション。今でも、オーバーホール自体はアフターパーツや部品取りミッションからの移植なども駆使しながら可能だが、この先はリフレッシュが困難になっていくことは必須。また、性能を高めているならば、根本的に純正ミッションのんまでは役不足。

そこでAE86専門店として知られるインパルスでは、基本設計が新しくて中古品のタマ数もどんどん増えている86/BRZ純正の6速ミッションに目を付けた。

1〜3速がトリプルコーンシンクロ化されていることなどもあって、シフトフィールは格段に高まり、5速直結となるのでギヤ比がクロス化する効果もしっかり味わえる。

「まず、2〜3速へのシフトチェンジでつきものと言えるギヤ鳴りは完全解消されます。そして、6速化でストリートユースの高速巡航も快適。コンディション良好な中古品もタマ数豊富で手に入れやすい。さらに、社外のギヤを組み込めば6速フルクロスにも仕上げられるなど拡張性高さも見逃せません」とは、インパルスの田嶋さん。

このキットは『車両側の加工は必要最小限』ということもコンセプトに掲げ、違和感のないシフトレバー位置などクオリティにも配慮。ベルハウジングに関しては溶接加工ではクラックやひずみといった不安要素が発生するため、CNCマシニングセンターを導入しミッションケース変換アダプターを製作したほどだ。

ミッションメンバーは86/BRZ純正品を用い、アルミ削り出しのミッションメンバーサポートでAE86のフロアへミッションケース後部を固定。ここでもボディ側への加工は一切不要としている。なお、後方へと伸ばしたステーはプロペラシャフトの回転からマグネットパルスユニットで車速信号を取り出すためのもの。

プロペラシャフトにはAE86のAT用をそのまま使用することができるが、現在は入手困難な状況だ。そのため、専門業者による長さ・インプット径変更の加工もオプションメニューとして行っている。純正プロペラシャフト下取りで5万円だ。

6速流用時に唯一ボディ加工が必要となる部分は、シフトレバーマウントの逃がし穴。シフト位置自体はノーマルとほぼ同等で高さが少し低くなる程度となるため、違和感なくシフトチェンジを楽しめる。オプションのシフトレバーカーボンカバー&ブーツなど投入すれば、自然な仕上がりとなる。

機械式でミッションから車速信号を取り出していたAE86に対し、86/BRZはABSからの車速信号取り出し。そのため6速流用時は純正スピードメーターが使えなくなるのが難点。しかし、マグネットパルスユニットが用意され、社外のスピードメーターを動かすという対応策が用意されている。

ベルハウジングを変更しないためレリーズベアリングやレリーズフォーク&シリンダーもAE86となるが、スプラインは86/BRZ用となるのでクラッチディスクのみ変更が必要。インパルスではATS製クラッチディスクキット、AE86純正径クラッチディスクなどを用意する。

「手頃な価格で入手しやすい、そして最新設計の86/BRZ用6速ミッションを投入することで、AE86の魅力は一層高まります。4.3ファイナルで比較しても100㎞/hクルーズで5速3500回転だったのが6速3000回転となりますし、クロス気味となった1〜5速の使い勝手も抜群です」。

気になる価格は搭載キットの定価が29万8000円。その他、ミッション本体やクラッチ周辺パーツ、プロペラシャフト加工(AE86のAT車用純正シャフトが入手できれば流用可)といった費用も必要だが、その効果は絶大。駆動系に不満抱えるAE86オーナーは、この機会にぜひ投入を検討して欲しいとのことだ。

●取材協力:インパルス 兵庫県神戸市西区南別府1-14-8 TEL:078-975-8186

「車重810キロ+220馬力の超快速AE86!」軽さとパワーを突き詰めたN2仕様サーキットスペシャル

【関連リンク】
インパルス
https://www.e-impulse.co.jp/

キーワードで検索する

著者プロフィール

weboption 近影

weboption