プロダクションカー部門 3ベスト
コンセプトカー部門 3ベスト

これまでの経緯

カースタイリング誌で1984年Car Styling Vol.45から開始されたカーデザインアワード。「ベストデザイン・オブ・ジ・イヤー」として誌面でスタートし、その後「ゴールデンマーカー賞」「ブラックマーカー賞」のサブタイトルが付いて継続されてきた。Car Stylingの休刊によりアワードも一時お休みをしていたが、Car Styling誌復刊を迎えて呼び名も新たに「Car Styling デザイン大賞」として復活する。

1984年Vol.45に掲載。
1986年 ゴールデンマーカー賞が誕生した。
受賞車リスト(空白部は休刊期間のためアワードが開催されていない)

Car Styling デザインアワードの目指すところ

言うまでもなく自動車産業は日本の基幹産業で、その技術・開発力、生産力は世界のトップレベルにある。しかし電動化を含めた将来の自動車産業でこれからも日本が高い競争力を保つには「デザインの力」が必要不可欠であると我々は考えている。

同じアジアにありながら、中国、韓国、インドなどの自動車企業ではデザイナーの国際化は特別のことではなく、急速にデザインの力を上げており、さらには国家レベルでデザイン人材の育成が進んでいる。

一方で日本の自動車産業内でのデザインのプレゼンスは残念ながらまだ高いとは言えない状況であり、人材の育成面で見ても遅れをとっている。教育の現場でも同様の状況が見え、オートモービルデザインを目指す若者が減少している。

このような中で本アワードでは、自動車開発の現場のデザイナーやデザインチームを照らし、厳しく評価表彰することで、日本のカーデザインのクォリティを向上し、世界中に魅力や憧れとなるカーデザインでグローバル産業としての自動車産業力を高めたいと考えている。

我々が創設する「カースタイリングデザイン大賞」が日本のカーデザインの発展に一助となり、未来のカーデザイナーに憧れと希望を与えるものとなるような文化土壌を育み、さらにはカーデザイナーを目指す若者を照らす一筋の光となることを望むのもである。

Car Styling デザイン大賞

本賞を再開するにあたり、ステアリングコミッティに中村史郎氏*、御園秀一氏*、有元正存氏*を迎え賞のあり方について議論を進め「現場の個々のデザイナーやデザインチームを照らし評価表彰する賞とする」という基本方針を固めた。また、今後この賞をどのように育てていくかという展望についても検討するなかで、スタート本年は国産車を対象とした賞として再スタートを切り、これから継続する中で賞の対象とするカテゴリーや領域などを広げてゆくことが決められた。

将来的には発展著しいアジアエリアの自動車産業におけるデザイン賞としての位置付へも思いを馳せており、今後の課題として段階を経て本賞を羽ばたかせていくことも検討することとなった。

*中村史郎氏:元日産自動車専務役員、グローバルデザイン本部長。現在SNDP(Shiro Nakamura Design & Associates)社長

*御園秀一氏:元トヨタ自動車株式会社デザイン部長。テクノアートリサーチ社長。現在JIDA顧問。

*有元正存氏:元Car Styling 誌編集次長。日本における自動車デザイン批評の草分け。現在フリーランス自動車デザイン評論家/ジャーナリスト。

審査員はステアリングコミッティより、欧州自動車メーカーを経てフランスで活動をする山本卓身氏*、カーデザイナー・プロダクトデザイナーのハリー・ユーデン氏*、武蔵野美術大学教授である稲田真一氏、CMF/インテリアデザイナーの齋藤優子氏に依頼。最終審査にて大賞を選出する役割を担っていただく。

*山本卓身氏:プジョー・シトロエンデザイナーを経てフランスにデザインスタジオTakumi YAMAMOTOを設立。

*ハリー ユーデン氏:FORD UK から来日。DCI:デザインクラブインターナショナルを経てデザインコンサルタント会社エンビジョン株式会社社長。

*稲田真一氏:元トヨタ自動車チーフデザイナー。現在武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科教授。

*齋藤優子氏:プロダクトデザイナー。現在は独立したCMFデザイナーとして内外の様々なモビリティ製品のCMF開発・トレンド分析に従事している。

2025年対象車両

今回の審査の対象は国産メーカーに限定した上で、2024年11月1日〜2025年10月31日までに国内販売を開始した量産車に対する「ベストプロダクションカー部門」と2025年10月に開催されたジャパンモビリティショーに出展されたコンセプトカーに焦点をあてた「ベストコンセプトカー部門」の2部門とした。

審査の過程は、第1 次審査として、対象となる車両を各自動車会社のデザイントップに良部門からそれぞれ3台づつを選出していただきスリーベストを決定。その後に最終審査として前述の審査員がスリーベストの中からベスト1を選ぶという段取りを組んだ。

スリーベスト

第1 次審査の結果は以下のとおりとなった。(点数制ではないため、順不同)

◾️プロダクションカー部門
クラウン エステート
デリカ ミニ
レクサス GX

左より トヨタクラウンエステート / 三菱デリカミニ / レクサスGX

◾️コンセプトカー部門
センチュリー
K-OPEN
レスサスLSコンセプト

左より センチュリー / ダイハツ コペン / レクサス LSコンセプト

最終審査

審査は点数制ではなくさまざまな視点から評価を行い、最終的に審査員の協議でベスト1を選出するという方法を取る。

評価の基本的な視点は以下の4点と考えている。
◾️造形の美しさ(バランスのよさ)
◾️時代性
◾️技術とデザインを統合した社会的メッセージ 
◾️“売れるデザイン”なのか“進化を示すデザイン” なのか

この基本的視点についてもう少し具体的な方向性を以下の8項目を考察の参照とすることとした。しかし以下の項目は審査員に強制するものではなく、最終審査において建設的な議論を促し、審査員各自の視点を整理・明確にするための参考として用いることを意図している。

1.デザイン思想・コンセプト
何を目指したか 
どんな未来像を示したか
ブランドとデザイン思想の整合性  など

2.外形造形・プロポーション(Styling)
シルエット
プロポーション(造形のアーキテクチャー)
提案の新しさ
面構成
比例の美しさ  
完成度    など3.内装造形・プロポーション(Styling)
造形独自性
造形のアーキテクチャー
パッケージ 
室内空間としての提案性や完成度   など

4.グラフィック、色
CMF
HMI など

5.技術との統合度
パッケージングへの提案性
安全 / 安心への配慮
EV/ICE/水素など技術制約をどう美に変えたか   など

6.顧客体験価値 / UX

7.時代性・社会性
今の時代に出す意味性
モビリティの未来を示しているか   など

8.完成度・説得力
コンセプトと実際のモデルとの距離感
実現の可能性

Car Styling デザイン大賞発表

最終審査を経た結果は、1月17日土曜日に開催のC&Tミーティング*においてそれぞれのベスト1を発表し表彰する。