スペック比較

| 項目 | CB125R(ホンダ) | MT-125(ヤマハ) |
|---|---|---|
| 価格 | 52万8000円(※2025年現在) | 49万5000円(※2025年現在) |
| エンジン | 水冷4ストローク単気筒 DOHC 4バルブ | 水冷4ストローク単気筒 SOHC 4バルブ(VVA) |
| 排気量 | 124 cc | 124 cc |
| 最高出力 | 15 ps/10000 rpm | 15 ps/10000 rpm |
| 最大トルク | 1.1 kgf・m/8000 rpm | 1.2 kgf・m/8000 rpm |
| ミッション | 6速 | 6速 |
| 全長×全幅×全高 | 2040×820×1055 mm | 2000×800×1070 mm |
| ホイールベース | 1345 mm | 1325 mm |
| シート高 | 815 mm | 810 mm |
| 車両重量 | 130 kg | 138 kg |
| フロントサスペンション | 倒立式(φ41 mm/ショーワSSF-BP) | 倒立式(φ37 mm/KYB) |
| リヤサスペンション | モノショック | モノショック |
| フロントブレーキ | φ296 mmディスク/ラジアル4POT | φ282 mmディスク/2POT |
| リヤブレーキ | φ220 mmディスク | φ230 mmディスク |
| タイヤ(F) | 110/70R17 | 100/80-17 |
| タイヤ(R) | 150/60R17 | 140/70-17 |
| メーター | 5インチTFTカラー液晶 | LCD液晶(欧州仕様はTFT) |
現状は5インチTFTメーター採用でCBが装備でリード!?

大雑把に分類すればネイキッドなのだが、ネオクラシック系のXSR125とは異なり、MT-125(49万5000円)はストリートファイターである。そしてこのモデルのライバルと言ったら、スタイルと素性を考えるとGSX-S125(42万200円※生産終了)も人によっては思い浮かべるかもしれない。とはいえ、当記事では価格が最も近いCB125R(52万8000円)との比較を行ってみることにした。
ちなみに、ヘッドライトが円形なのでネオクラシック系のテイストも感じるCB125R(以下、CB)だが、絞りが少なくて幅が広いハンドルや高めのシート(MT-125より5 mm高い815 mm)、側面から見た際に前下がりでテールが短いデザインは、ストリートファイターの文法に準じている。言ってみればCB125Rは、XSR125+MT-125(以下、MT)的なモデル、と言えなくもないのだ。
などという事情はさておき、近年のスポーツバイクに詳しいライダーが2台と対面したら、第一印象ではCBのほうが豪華……という印象を抱きそうである。その主な理由は、フロントのラジアルマウント式4ピストンキャリパーと太めのラジアルタイヤで(F:110/70R17・R:150/60R17)、逆に片押し式2ピストンのフロントキャリパーとバイアスタイヤ(F:100/80-17・R:140/70-17)を採用する日本仕様のMTには、物足りなさを感じる人がいてもおかしくはないだろう。
見た目では分からない装備の思想差
ただしパッと見では把握できなくても、CBとは異なるメカニズムとして、MTは可変バルブ機構のVVAとトラクションコントロールを採用しているのだ。さらに現行モデルではアシスト&スリッパークラッチも備わるなど、電子制御面ではむしろ先進的な一面も持つ。
また、CBがシャシー関連部品の多くを兄貴分の250/300 ccと共有しているのに対して、MTの車体は軽量な125/155 ccクラス用としての最適化を実施。そのあたりを考えると、この2台の装備や構成に安易な優劣は付けられないのである。なお、CB125Rは2024年のモデルチェンジで5インチフルカラーTFTメーターを採用し、装備を充実化。MT-125も欧州で発表された2025年モデルは5インチTFTメーターを採用しており、日本モデルへの導入に期待されている。
スイスイを通り越してヒョイヒョイのMT
さて、前置きが長くなったけれど、ここからはいよいよインプレ編。まずはライディングポジションの印象を記すと、MTは前寄りの着座位置と後ろ寄りのステップ、CBはハンドルのワイドさとシート座面の前傾が、気にならないでもなかった。それらはいずれも一般的なネイキッドやネオクラシック系とは異なる、ストリートファイターとしての資質を重視した結果のようだけれど、少なくともシートに関しては、個人的にはもう少し自由度があったほうがいいのではないかと思う。
とはいえ、市街地走行はいずれも快適で、混雑した状況を気持ち良く走れた。中でも興味深かったのはMTで、兄弟車のYZF-R125/XSR125とは趣向が異なり、意図的な体重移動や逆操舵などを必要としない、腰で乗る……かのようなフィーリングに大いに感心。スイスイを通り越してヒョイヒョイと表現したくなるこの特性なら、通勤快速として大活躍できそうだ。
一方のCBで印象的だったのは、1クラス上の安定&安心感が味わえること。シャシー関連部品の多くは兄貴分と共通だから、それはまあ当然のことだけれど、MTのような可変バルブ機構を採用していないにも関わらず、エンジンが低回転域から実直なトルクを発揮してくれることもあって、物足りなさを感じる場面はまったくない。それでいて125 ccならではの気軽さや機敏さが実感できるのは、MTより8 kgも軽い車重(クラス最軽量の130 kg。ちなみに兄貴分のCB250Rは144 kg)のおかげだろう。
兄貴分譲りの車体が包容力を発揮するCB
続いては峠道をイメージしたショートコースの話で、この場面ではCBが優位に立つと僕は予想していた。その理由は前述した豪華な足周りで、ラジアルマウント式キャリパーの秀逸なコントロール性とラジアルタイヤの強力なグリップ力を考えると、片押し式キャリパー+バイアスタイヤのMTは苦戦するに違いない。ところが……。
実際の2台の速さに、差はなかったのである。と言うより、潜在能力をきっちり引き出せている感はMTのほうが味わいやすく、コーナーでは市街地の延長線的な感覚で軽やかな旋回性、ストレートでは抑揚に富んだエンジンの吹け上がりが堪能できる。いずれにしてもMTの全体のバランスは非常に良好で、走行中にブレーキとタイヤが気になるような場面は皆無だったのだ。
そしてそういう視点で見るなら、CBは車体の包容力が高すぎ?の感があった。乗り手がどんなに思い切った操作をしようとも、兄貴分譲りの車体が常に安定しているからか、なかなか気分が盛り上がらないのである。僕がそういう印象を抱いた背景には、全域でフラットな特性のエンジンや長めのホイールベース(MTより20 mm長い1345 mm)もあるはずだが、このモデルで攻めている感を味わうためには、もっと速いスピードや、もっと大きな荷重が必要なんじゃないだろうか。
改めて認識したヤマハとホンダの違い

そんなわけでMTのほうが優勢、という印象を抱いた今回の試乗だが、舞台が市街地+ショートコースではなく、様々な状況や天候に遭遇するツーリングとなったら、話は変わってきそうである。ロングランを共にするのであれば、CBの安定&安心感や包容力は間違いなく好材料になるはずだし、その一方でMTならではの軽快さや抑揚は、場面によっては快適性を阻害する要素になるのかもしれない。
いずれにしても、MT-125とCB125Rはキャラクターの違いがハッキリしていたのだ。と言ってもここまでに述べた印象は他の分野、スーパースポーツやアドベンチャーツアラー、スクーターなどにも通じそうな話で、今回の試乗で改めてヤマハとホンダの違いを認識することになったのである。

メインテスターはこの人!
中村友彦
業界26年目のフリーランス。8年前から筑波サーキットで開催されているTOTにTZR250で参戦しているものの、ここ最近は練習をサボりがち。
俺にもちょっと言わせて!by ケニー佐川

ボリューム感のある車体、倒立フォークでしっかりとした足まわりなどCB125Rは125ccとは思えない本格的な作り。このクラスのリーダー的存在と言っていいだろう。エンジンもDOHCでパワフル。走り出した瞬間からトルクが盛り上がり高回転でさらに伸びていく。車体はカッチリしてステップやハンドルへの入力に対する反応が機敏。コーナーインで瞬間的に舵角がつく一方で、立ちが強くなる傾向があるなど実は玄人向き。エンジンも車体も限界が高いので攻めて楽しいマシンだ。対するMTは車体がコンパクトでハンドリングも軽快そのもの。ただしシートが狭くポジションが限定されてしまうのが少し気になる。見た目はシュッとしてカッコいいし、Rと共通のフレームもグレード感がある。乗り味はCBより軽快で柔らかく、コーナー入口で車体を倒し込みやすくラインの自由度も高い。パワーは互角だがショートコースでは低速コーナーでアクセルを開けやすいMTに分があるかも。
この記事は月刊モトチャンプ2024年1月号に掲載されたものを、2026年現在の内容に合わせて加筆修正しています。









