通称“バタバタ”、ホンダのカブF号の最高出力は1.0ps/3600rpm、最高時速は35km/h。小峰商会(現在のコミネ)は販売代理店
第二次世界大戦が終戦を迎え、敗戦国となった日本。戦後間もない、現在のような細かな安全上の規制や制約もないドタバタの時代、多くの町工場がバイクを生産していた。
町工場が作ったバイクは、バイクといっても現在のような完成されたフォルムには程遠く、ほとんどは実用自転車にエンジンを搭載したような、“無理やり感満載”のスタイルが特徴だった。
現在、排気量50cc以下のバイクは「原動機付き自転車」と呼ばれるが、この語源はまさにこの“自転車にエンジンを取って付けたような”スタイル。
町工場のひとつだったホンダは1952年(昭和27年)、老若男女を問わずに乗車できる、通称“バタバタ(2ストのエンジン音から)”“自転車オートバイ”とも呼ばれた「カブF号」をリリース。パタパタ音を響かせながら、2ストならではの煙を吐きながら街中を駆け回っていた。
「Cub」のロゴが描かれた、赤いエンジンカバーが目印となるカブF号は、空冷2ストローク単気筒49cc(ボア40mm×ストローク39.8mm)。最高出力は1.0ps/3600rpm、最高時速は35km/hに設定(ともにカタログ値)。カブF号を装着した写真の自転車は山口自転車製。
写真は当時の発送方法を再現したもの。カブF号は軽量なエンジンに加え、ガソリンタンクを段ボール詰めで送付するという時代を先取りした「通販方式」を導入し、効率よく発売。取り付け説明書も同封されていた。
カブF号を発売するにあたり、ホンダは全国の自転車店に着目し、全国の約5万5000店の自転車販売店にカブF号の販売促進用ダイレクトメールを送付。前金と引き換えに、段ボール箱に詰めたカブF号を発送するという、通販方式をいち早く導入。当時としては革新的な方式で販売された。
補助エンジンであるカブF号の販売価格は2万5000円(当時)。カブF号の売れ行きは上々で、約1万3000店の自転車販売店が、ホンダの新たな販売拠点となった。
カブF号が発売された1952年(昭和27年)、ガソリン価格の自由化により国内のモータリゼーションが活性化。この変革を受け、小峰商会(現在のコミネ)もホンダが製造・販売する上記「F型自転車補助エンジンキット」の販売総代理店となる。
2ストのカブ!? 自転車と合体!? 希少な「カブF号」に乗った!|Motor-Fan Bikes[モータファンバイクス]1958年(昭和33年)に初代スーパーカブC100が発売。その6年前の1952年(昭和27年)、ホンダは老若男女を問わずに乗車できる、通称“バタバタ”と呼ばれた「カブF号」をリリース。実はスーパーカブC100が登場する前に、“カブ”は存在していたのだ。REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)RIDING IMPRESSION●近田 茂(CHIKATA Shigeru)撮影協力●ホンダコレクションホール/ホンダモーターサイクルジャパンPHOTO●ホンダモーターサイクルジャパン/近田 茂
https://car.motor-fan.jp/article/10006923
小峰バイク工業 KOMINE 50 巨人(ジャイアント)号……1953年製
1553年(昭和28年)、小峰商会はホンダとの代理店契約を解消。社名を小峰バイク工業株式会社に変更し、当時の排気量別で最高性能を生み出していた独自開発エンジン搭載の原付モデル「KOMINE 50 巨人(ジャイアント)号」の販売を開始。このエンジンは当時50社近くあったといわれる国内のバイクメーカーにも数多く供給された。
ティアドロップ風のガソリンタンクを装備。タンク下に設置された空冷2ストローク単気筒49.3ccには、ガソリンタンクをエンジンカバーとして流用している。
前後の足周りはサスペンションを持たないリジッド式のため、サドル下にクッションの役割を果たすスプリングを導入。
エンジンからリアタイヤへの駆動はチェーン式ではなくベルト式を採用。
主要諸元
| 重量 | 39kg |
| エンジン形式 | 空冷2ストローク単気筒49.3cc |
| 吸気形態 | ピストンバルブ方式 |
| ボア径×ストローク長 | Φ40mm×38.3mm |
| 最高速度 | 55km/h |
| 最大出力 | 1.5ps/3,800rpm |
| タイヤサイズ | 前後26×1 3/8 |
小峰バイク工業 KB-1……1956年製
KB-1は125ccエンジンを搭載した原付二種モデル。オレオ式フロントフォーク、筒型コイルスプリング式のリアショックを採用。前後ホイールは大径の24インチ。
KOMINE 50 巨人(ジャイアント)号の発売から3年後の1956年(昭和31年)、空冷2ストローク単気筒125ccエンジンを搭載したKB-1が登場。KOMINE 50 巨人(ジャイアント)号に比べ、KB-1はフロントフォーク、リアショック、大型ヘッドライトを装備した“バイクらしい”機能とフォルムが特徴。
2スト125ccエンジン搭載のKB-1は非常にパワフルで、最大出力6.5馬力。最高速度は80km/hを発揮した。
なお、ホンダが超ロングセラーモデルのスーパーカブ50(C100)をリリースしたのは、2年後の1958年(昭和33年)。この頃、乱立する幾多のバイクメーカーが廃業や統合。小峰バイク工業もバイクの製造販売を終了し、社名を「小峰自動車工業」へと改称。バイク用品やアイテムの製造販売へと事業内容を変更した。
KOMINE コミネ 1956年製造コミネKB1ナンバー取得し、公道走行可能となりました およそ50年の歴史をもつFUJI300ヘルメットとともに
最高速度は80km/hを発揮。スピードメーターは100km/h表示。
大容量のガソリンタンクは両サイドにメッキとエンブレムをレイアウトしたオシャレなデザインが特長。
エンジンは新生工業KKラスターSE型の空冷2ストローク単気筒125cc。キャブレターはAMAL社製をチョイス。
リアには大型の荷台を設置。2人乗り用のタンデムステップも装備。
リアサスペンションは筒型コイルスプリング式を採用。同車は原付二種のピンクナンバー(90cc超~125cc以下)を取得するなど、一般公道も走行可能な状態に整備されている。
主要諸元
| 重量 | 89kg |
| エンジン形式 | 新生工業KKラスターSE型 空冷2ストローク単気筒125cc |
| 吸気形態 | ピストンバルブ方式 |
| キャブレター | AMAL社製キャブレター |
| ボア径×ストローク長 | Φ56mm×50mm |
| 最高速度 | 80km/h |
| 最大出力 | 6.5ps/4,700rpm |
| 変速機 | ホダカ製足動前後2段 |
| クラッチ | 乾式単板クラッチ |
| サスペンション(前) | オレオ式フォーク |
| サスペンション(後) | 筒型コイルスプリング |
| タイヤサイズ | 前後24×2.50 |
東京モーターサイクルショー2024年の「コミネ」ブース。
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