

ミュージアムから飛び出してきたような英国車が大挙して参加
LOC(レジェンド・オブ・クラシック)は1972年以前の黄金期のモータースポーツシーンの再現を理念とするクラシックモーターサイクルのレースイベントで、MCFAJクラブマンロードレースと併催というかたちで行われています。例年、筑波2戦、富士1戦が開催されていて、7月6日(日)に2025年の第2戦として猛暑の富士スピードウエイ(FSW)で、文字どおり熱い戦いが繰り広げられました。
しかしながらLOCは、レースの勝敗に重点に置いていません。「クラッシックモーターサイクルを永く楽しむ」を基本理念としています。だからでしょうか、ピットにピリピリとした雰囲気はありません。旧車好きどうしが手塩にかけた愛車をサーキットで思い切り走らせてあげる。そんな同好会的な要素が大きいと感じました。
LOCは排気量や年代によって細かくクラス分けされているのですが、200㏄以下や350㏄以下の小排気量モデルでは、ホンダCB93、CB72、CB77、ヤマハTA125などの日本車が多く参加しています。一方、351㏄以上の大型モデルはノートンやトライアンフといった英国車をはじめ、BMW、ドゥカティ、モトグッツィの旧車が大半を占めています。そこで今回は、おもに英国車を中心に参加モデルを見て回りました。60年前後も前のクラシックバイクはどれも、丁寧にメンテナンスされていたのが印象的で、生き生きとしていると感じました。
MCFAJ併催のLOCグループのレースは、クラシックバイクファン必見です。
1898年にイギリスのバーミンガムで設立されたノートンは、老舗のバイクメーカーとしてその名を広く知られています。1940年代まではレースシーンで圧倒的な強さを見せましたが、50年代に入ると他メーカーの台頭でやや精彩を欠くこととなりました。さらに60年代以後は高性能な日本製バイクの前に窮地に立たされました。そうした紆余曲折の中、1962年に登場したのがマンクスです。ベベルギア駆動の排気量499cc空冷単気筒DOHC2バルブエンジンを搭載したマンクスは、47HP/6500rpm の高出力を発生し、最高速200km/h超を実現しました。そんなノートン・マンクスはLOCにも多数参戦しています。
迎え撃つ日本車では、ホンダCB750Four、CB500Four、CB450、そしてカワサキH1Rと、これまた希少なバイクが参戦していました。60年代から70年代に多くの若者の心をとらえたこれら日本製スポーツバイク、しかも現役バリバリで走る姿を間近にできるのも、LOCの大きな魅力です。
他にもさまざまな海外メーカーの旧車が参戦していて、美しく仕上げられたそれらクラシックバイクを眺めるだけでも楽しい。

















