
今年もまた猛暑の夏がやってきました。バイクで走るにはかなり厳しい状況が続きます。でもやっぱりツーリングしたくなるのがライダーの性というやつでしょうか。そこで考えました。「そうだ涼しい場所に行けばいいんだ!」というわけで、天然の冷蔵庫といわれる鍾乳洞へ行ってみることにしました。
奥多摩を目指して出発したのだが…
鍾乳洞といってまず思い浮かんだのが、奥多摩にある日原鍾乳洞でした。何度か行ったことがあるし、ツーリングルートとしてもポピュラーなので、日原を目指してさっそく出発しました。
八王子市街をようやく抜けてあきる野方面へと走っていたのですが、とにかく暑くて体がしんどい状況でした。それもそのはず、この日の気温は35℃越えの猛暑日。「はたしてこのまま奥多摩へたどり着けるだろうか」と不安がよぎります。そこで急遽、目的地を変更し、あきる野市にある大岳鍾乳洞へ向かうことにしました。
大岳鍾乳洞は御岳山の南、あきる野市養沢地区にある鍾乳洞で、武蔵五日市駅前から都道33号線檜原街道で檜原方面へ進み、十里木の交差点を右に都道201号線をたどって行った山奥にあります。しかしそのまままっすぐには進まず、アジサイでも見ながら行こうと南沢あじさい山を経由することにしました。

武蔵五日市駅の裏手に回り、深沢地区へ向かう狭い市道を走ります。山間へと進むに従い、緑が深いせいかわずかに暑さが緩和されてきました。深沢の集落に入る手前に「南沢あじさい山」の案内看板が出ていました。案内に従って林道南沢線へとカブを導きます。少し行くと左手に南沢あじさい山があります。地元の忠一さんという方がひとりで50年をかけて1万本のアジサイを植えた場所で、五日市の観光名所になっています。すでにアジサイの見ごろは過ぎてしまっていましたが、林道沿いに数種類のアジサイの花を見ることができました。
林道南沢線は全線舗装されていますが、道幅は狭くてガードレールがない箇所も多い道です。さらに日陰には苔が生えているし、落石や枯れ枝も散乱しているので慎重に走って行きます。途中の深沢展望台からは都心方面を遠望します。

林道南沢線が突き当たったところからは林道星竹線を右に進みます。未舗装部分も残っていますが、ほとんどが舗装されました。といってもやはり、落石や枯れ枝、苔があるので気を付けて走ることに変わりはありません。

林道星竹線を走り終えたところで都道201号線に出ます。都道201号線は養沢川を遡るように御岳山南麓へと続いています。沿道にはキャンプ場や釣り場などがあり、集落も点在しています。そんな山村風景は東京とは思えない風情で、旅感を満喫させてくれます。
そんな道を6キロほど遡ったところに養沢神社があります。神社の横から林道大岳線が続いています。大岳鍾乳洞へはこの林道を走って行くことになります。鍾乳洞までは約2キロ、未舗装箇所もありますが5分ほどで到着しました。

案内によると、大岳鍾乳洞は昭和36年(1961)10月に田中雄嘉造(おかぞう)が発見し、昭和37年(1962)開業。手掘りで中に人が入れるようにしたもので、以来夫婦でずっと守り続けてきた鍾乳洞だそうです。いわば個人経営の鍾乳洞なので、関東随一の規模を誇る日原鍾乳洞と比較すると、かなりこじんまりとしています。洞内も約300mでかなり狭くなっています。なので頭を保護するためにヘルメットが貸し出されます。
足腰が弱い人や体力に自信のない人の入洞は不可となっていたので一瞬ためらいましたが、11℃~13℃という温度の魅力には勝てず、背を伸ばせる箇所で休みつつ、洞内をなんとかめぐってみました。たしかに洞内は涼しくて快適そのもの。しかも都内からもっとも近い鍾乳洞なので、猛暑でもツーリングしたいというライダーにはおすすめの場所です。ただし足腰にかなり負担がくることだけは理解しておいてください。僕は数日間、太ももが筋肉痛でした。なので次に鍾乳洞へ行くなら、当初の目的地だった日原にしようと思いました。
走行距離は82㎞。今回のツーリングにかかった費用は、入洞料700円、食事1100円、ガソリン1,4Lで218円。合計2018円でした。

















