ホンダ・EM1 e:……156,200円

ホンダ・モバイルパワーパックe:……108,900円

ホンダ・パワーパックチャージャーe:……55,000円 

※いずれも消費税込み

郵政用バイクに電動スクーターのホンダ・ベンリィe:が導入されたのが2019年。スイスイと静かに配達している姿も、今ではすっかり街に馴染んできた。そんなこともあって、自宅周辺の移動手段として電動バイクもアリかもしれない、と感じつつある今日この頃である。

今回の相棒はホンダEM1 e:で、走るステージは八丈島。八丈島の面積(約69.5平方キロメートル)は山手線と同程度。ひょうたん型の島の中央に街と民家が集中しているので、一充電走行距離が53km(カタログ値)のEM1 e:でも問題はなさそうな気もする。

ホンダの電動スクーター「EM1 e:」は、48Vバッテリーパックからの電力をPCUが三相交流に変換してモーターを駆動。アクセル操作に応じて最適な電力を供給し、STDとECONの2つの走行モードを選択可能。12Vバッテリーも搭載し、ライトなどの電装品に電力を供給する仕組み。

いざ発進!

Photo by NAGAYAMA

ホンダEM1 e:に満充電のモバイルパワーパックe:を搭載し、八丈島の南側、樫立地区(標高150m)から三原山をぐるりと28kmほどのコースを周回します。EM1 e:には回生充電機能がないので、エコな走りはあまり意識せず。モードもエコ(ECON)モードは使用せず、スタンダードモードを選択。上り坂ではスロットルを全開です。

出発から早々に登り坂が続き、バッテリー残量表示はしっかりと減っていきます。13kmほど走った昇龍峠、ここから街までは下り坂が続くので、バッテリー消費の峠も越えたと一安心。


22km地点で市街地を抜けてから大坂トンネルへ。ここからの昇り坂も強烈で、バッテリーはアクセルに呼応するように減っていきます。結局28kmの道のりに対して、バッテリー残量は28%でした。

バッテリー残量の推移

Photo by NAGAYAMA

0km・スタート(100%)→13km地点・峠頂点(59%)→18km地点・峠降り切る(50%)→22km地点・市街地を抜ける(40%)→28km地点・ゴール(28%)

Photo by NAGAYAMA

5kmの走行につき10%消費がざっくりの目安。急な登り坂では消費がさらに激しい。一方で、市街地を縦断(4〜5km)してバッテリー消費量が10%だったので、八丈島サイズ=山手線サイズの移動なら電欠のストレスなく走ることはできそうに思えた。

気になったのは……

登坂力に乏しい点。平坦路での最高速は45km/h(私有地で測定)。一方で、登り坂では加速は鈍ってしまう。コーナー手前で一旦ブレーキをかけて減速すると、そこからゆ〜っくりと再加速して30km/hに到達。再びコーナーで減速すると、また速度を上げるのに時間がかかってしまう。体重が80kg近いということもモーターに大きな負荷をかけているのかもしれません。こうなるとバッテリー残量もどんどん減っていきます。

ただし、下り坂は快適そのもの。スロットルを開けずとも自重で十分に加速し、ストレスフリーです。

37kmで残量0%

Photo by NAGAYAMA

バッテリー残量が19%以下になるとカメマークが点灯しモーターの出力が制限される。今回は37.7kmでバッテリー残量が0%に。

カタログ値の53kmに対して、7割程度となる電費だったが、アップダウンの激しい道だったことを考慮すればまずまず。ただ、もっと気ままに出掛けることまで考慮すると航続距離はもっと長い方が安心だろう。

EM1e:で八丈島をぶらり

EM1e:のイイところ、ワルイところ。

Good Pointその1

メンテ代が安い
エンジン車のようなオイル交換は不要。消耗品もタイヤとブレーキパッド/シューの減りを気にするくらいなので、メンテナンスに関するコストは安い。

Good Pointその2

補助金でめちゃ安に!
国の補助金(23,000円)と 東京都の補助金(約36,000円)が適用されるので、車体単体なら約97,200円で購入可能。これに加えてバッテリー&充電器を自前で購入するか、サブスクで済ますか。という選択ができる。

Bad Pointその1

航続距離が短い
カタログ値53kmの航続距離では、ちょっと寄り道を……なんて時に電欠の心配も。東京、大阪のような都心以外ではガチャコ(電動バイク用交換式バッテリーのシェアリングサービス)が少ないので、地方の電動インフラの普及が望まれる。

Bad Pointその2

坂道が苦手
急坂でもほぼ30km /hで走るので法定速度的には問題なし。だけどスロットルを開けても速度が上がらない、失速しているような感覚がライダーの気持ち的にちょっと残念。

シートを開けるとモバイルパワーパックe:が鎮座していて、収納スペースはお弁当箱一箱分程度。

ディテール解説

八丈島でホンダN-VAN e:に乗ってみた!日本のEVの未来は軽EV×車載ソーラーパネルにあるのかもしれない? | Motor-Fan[モーターファン] 自動車関連記事を中心に配信するメディアプラットフォーム

国沢光宏氏の「デンキチ」号は実質”無給電”で稼働 今回の試乗会では、国沢氏が自前で購入し、八丈島に持ち込んだN-VAN e:「デンキチ」号を試乗する機会も得た。デンキチ号はベーシックグレードの「L […]

https://motor-fan.jp/article/1257152/

主要諸元

車名・型式ホンダ・ZAD-EF16
全長(mm)1,795
全幅(mm)680
全高(mm)1,080
軸距(mm)1,300
最低地上高(mm)135
シート高(mm)740
車両重量(kg)92
乗車定員(人)1
最小回転半径(m)2.0
原動機型式EF16M
原動機種類交流同期電動機
定格出力(kW)0.58
最高出力(kW[PS]/rpm)1.7[2.3]/540
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)90[9.2]/25
一充電走行距離(km)
国土交通省届出値
53(30 km/h定地走行テスト値)〈1名乗車時〉
タイヤ90/90-12 44J
100/90-10 56J
ブレーキ形式油圧式ディスク
機械式リーディング・トレーリング
懸架方式テレスコピック式
スイングアーム式
フレーム形式アンダーボーン
動力用バッテリーHonda Mobile Power Pack e: (1個)

ホンダ・モバイルパワーパックe:

形式:DM5026Z
セル仕様:リチウムイオン電池
定格電圧:50.26V
定格容量/定格電力量:26.1Ah/1314Wh
連続放電出力:2.5kW
IP保護等級:IP65
起動方式:ACTIVATE信号入力
通信:CAN通信
寸法:H298×L156.3×W177.3mm(最大外寸)
製品重量:10.2kg