Aston Martin Vantage S
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Porsche 911 Carrera GTS

ハイブリッドを搭載しながらも軽い「911 GTS」

2025年7月、アストンマーティンは、2シータースポーツ「ヴァンテージ」をベースに専用セッティングを施し、パワーユニットを強化したハイパフォーマンス仕様「ヴァンテージ S」を追加した。それに先立つ事、2024年5月、ポルシェは911に大規模なアップデートを実施した992.2型を導入。「911 カレラ GTS」は、3.6リッター水平対向6気筒エンジンに電動ターボと電気モーターを組み合わせた「T-ハイブリッド」を搭載する。

911 GTSはハイブリッドシステム用のバッテリーやモーターを搭載しながらも、ヴァンテージ Sより135kgも軽い車両重量を実現。ボディサイズは、911 GTSがヴァンテージ Sより60mm長いが、全幅は110mm狭く、全高は20mm高い。911 GTSに対し、ヴァンテージ Sは低くワイドなスタンスを持っていると言えるだろう。

アストンマーティン ヴァンテージ S

ボディサイズ=全長4495mm×全幅1980mm×全高1275mm
ホイールベース=2705mm
車両重量=1745kg
タイヤサイズ=275/35ZR21(前)、325/30ZR21(後)

ポルシェ 911 カレラ GTS

ボディサイズ=全長4555mm×全幅1870mm×全高1295mm
ホイールベース=2450mm
車両重量=1610kg
タイヤサイズ=275/35ZR21(前)、325/30ZR21(後)

純粋なICEながらも強大なパワーを誇るヴァンテージ S

ヴァンテージ Sに搭載されるのは、アストンマーティンが独自の味付けを加えた、メルセデス AMG製4.0リッターV型8気筒ガソリンツインターボエンジン。最高出力は680PSを絞り出し、ポルシェ渾身の「T-ハイブリッド」システムを搭載するカレラ GTSを139PSも上まわって見せた。パワーで大きく水を開けられた911GTSだが、軽さとモーターによるリニアなパワーデリバリーを活かし、0-100km/h加速ではヴァンテージ Sを0.5秒も凌いでいる。

アストンマーティン ヴァンテージ S

エンジン形式=V型8気筒ガソリンツインターボ
排気量=3982cc
最高出力=680PS/6000rpm
最大トルク=800Nm/2000〜5000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=RWD
最高速度=325km/h
0-100km/k加速=3.5秒

ポルシェ 911 カレラ GTS

エンジン形式=水平対向6気筒ガソリン+T-ハイブリッド
排気量=3591cc
システム最高出力=541PS
システム最大トルク=610Nm
トランスミッション=8速PDK
駆動方式=RR
最高速度=312km/h
0-100km/k加速=3.0秒

究極のブリティッシュラグジュアリー

ヴァンテージ Sは、英国らしい上品さをたたえたヴァンテージのインテリアをベースに、「S」モデル専用ディテールが採り入れられた。911 GTSは、歴代911が引き継いできたデザインDNAと、最新テクノロジーを融合。お馴染みの切り立ったセンターコンソールには、12.6インチ曲面ディスプレイがレイアウトされる。

551万円という価格差はあるが、シンプルな911 GTSと比較すると、ヴァンテージ Sは英国車らしい上質でラグジュアリーな室内空間がドライバーとパッセンジャーを包み込む。ただ、最高出力や最高速度ではヴァンテージ Sが圧倒するものの、ポルシェが手がけた最新ハイブリッドパワートレインは、それだけで選ぶ理由となるかもしれない。最後に付け加えると、ヴァンテージ Sは2シーターのみのラインナップとなるが、911 GTSは追加料金なしで「2+2」シートを選ぶこともできる。

車両本体価格

アストンマーティン ヴァンテージ S 2930万円
ポルシェ 911 カレラ GTS 2379万円

アストンマーティンは、2025年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、「アストンマーティン ヴァンテージ S」を初公開する。

アストンマーティン「ヴァンテージ S」がデビュー「680馬力にパワーアップ」「専用シャシーや空力デバイス導入」【動画】

アストンマーティンは、1953年の「DB3S」を起源に持つ、高性能Sモデルシリーズ「ヴァンテージ S」を発表した。4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンの最高出力は680PSに引き上げられ、シャシーには専用セッティングを導入。2025年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで世界初公開され、2025年第4四半期からデリバリーが開始される。