ノマドは荷室の広さと使い勝手を大幅に向上
インパネはジムニーやシエラと基本的に同じ形状で、機能的に仕上げている。エアコンのスイッチも、最近流行しているタッチパネル式ではなく、直感的に操作できる従来型のスイッチで馴染みやすい。助手席の前側にはアシストグリップも装着され、悪路向けのSUVだと分かる。
フロントウインドウの角度を立てたから、ボディはコンパクトでも開放感がある。インパネの上端部分やサイドウインドウの下端が低いため、ボンネットが良く見えて前後左右の視界も優れている。コンパクトなボディとの相乗効果により、悪路から街中まで運転しやすい。
前席は腰の部分をしっかりと支えて、長距離を快適に移動できる。肩まわりのサポート性も良く、悪路で体が左右に振られても着座姿勢が乱れにくい。後席の座り心地も3ドアのジムニーに比べて大幅に快適だから、4名で長距離を移動する用途にも適する。





優れた前席と広くて快適な後席


ノマドは荷室の広さと使い勝手を大幅に向上
ジムニーノマドが搭載するエンジンは、直列4気筒1.5Lのガソリンだ。トランスミッションは、信頼性の高い4速ATと5速MTを選択できる。今の乗用車のボディ構造は、軽量で効率良く剛性を高められるモノコック方式だが、ジムニーノマドは違う。3ドアボディと同様、耐久性の優れたラダー(梯状の)フレームに、ボディ、エンジン、サスペンションなどを架装している。
サスペンションも一般的な乗用車とは形式が異なり、前後輪ともに、コイルスプリングを使った3リンクのリジッドアクスルだ。ステアリングも乗用車のラック&ピニオンではなく、ボールナット式を採用する。これらはすべて、デコボコの激しい悪路を走破するためのメカニズムだ。例えばボールナット式ステアリングは、悪路の走破で前輪が深い轍などに引っ掛かっても、その動きがステアリングホイールに伝わりにくい。ドライバーがキックバックによって、手をケガしたりするのを防ぐ。すべてが悪路のために設計されているから、ジムニーシリーズでは、専用のユニットやパーツも多く使われている。





▷自動車誌MOOK『ジムニー ノマド購入ガイド』より



