実用回転域の駆動力に余裕があって運転しやすい

ジムニーノマドが搭載するエンジンは、直列4気筒DOHC16バルブの1.5Lだ。最高出力は102馬力(6000回転)、最大トルクは13.3kg‐m(4000回転)になる。動力性能の数値は平凡だが、クセがなくて運転しやすい。発進直後の2000回転付近でも不満のない駆動力が発揮され、特に2500〜3500回転前後の常用域では扱いやすい。そこからアクセルペダルを踏み増して、最大トルクの発生する4000回転を超えても、直線的な吹き上がりが保たれる。峠道などでは、最高出力が発揮される6000回転を上限に、活発な走りを楽しむことも可能だ。

ジムニーノマドの車両重量は、5速MTが1180kg、4速ATは1190kgとされ、同じエンジンとトランスミッションを搭載する3ドアのジムニーシエラよりも100kg重い。それでもパワー不足はほとんど感じない。

トランスミッションは4速ATと5速MTが用意され、運転を積極的に楽しみたいなら後者を選ぶと良い。今はハイブリッドが増えた影響もあり、マニュアルトランスミッションを設定している車種が大幅に減った。特にSUVになると、ボディサイズを問わず、マニュアルトランスミッションはほとんど選べない。ジムニーノマドの5速MT仕様で、副変速機をローモードにシフトして悪路に乗り入れると、テクニックを生かした走りを満喫できる。

【K15B型】発進直後の低回転域から過不足のない駆動力を発揮

ジムニーシリーズは、後輪駆動ベースの4WDを採用するから、エンジンも直列4気筒1.5Lを縦向きに搭載する。前後輪の重量配分も優れ、悪路を含めて走行安定性の向上にも効果を発揮している。

Specififcation
●エンジン型式:K15B型
●排気量:1,460cc
●ボア×ストローク:74.0㎜×84.9㎜
●最高出力:102ps/6,000rpm
●最大トルク:13.3kg-m/4,000rpm
●弁機構:DOHC16バルブ 吸気 VVT
●燃料供給装置:EPI(電子制御燃焼噴射装置)
●タンク容量:40ℓ

【5速MT】シフトフィーリングも小気味良い印象で走りの楽しさを満喫

5速MTは操作性が良い。手応えも適度でシフトミスをしにくい。デコボコの激しい悪路を走っている時でも、的確な操作が行える。クラッチの繋がり方も同様で扱いやすい。

燃費 14.9km/L
市街地モード 13.3km/L
郊外モード 15.4km/L
高速道路モード 15.4km/L

【4速AT】2ペダルで運転しやすく悪路も適した4速トルクコンバーター式

悪路向けの4輪駆動車とあって、ATはトルクコンバーターを使った4速になる。デコボコが激しく、路面の抵抗が大きい場所では、駆動力が自動的に増幅されて走破できる。

燃費 13.6km/L
市街地モード 11.6km/L
郊外モード 14.1km/L
高速道路モード 14.3km/L

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自動車誌MOOK『ジムニー ノマド購入ガイド』より