Garagisti GP1

最高出力700PSの6.6リッターV12自然吸気

英国発のスーパースポーツ「ガラジスティ GP1」のエクステリア。
リヤミッドに搭載されるイタルテクニカ製の6.6リッターV型12気筒自然吸気エンジンは、最高出力700PSオーバーを発揮する。

英国の独立系スポーツカーメーカー「ガラジスティ」は、自然吸気式V型12気筒エンジンを搭載し、カーボンモノコックをベースに開発された完全“アナログ”ハイパーカー「GP1」を初公開した。一切の妥協を排し、ゼロベースから開発されたGP1は、公道走行が可能となっており、わずか25台が限定製造される。

「ハイブリッドシステム、アルゴリズム、自動化が主流の時代において、GP1は一線を画す存在だ」と、ガラジスティは説明。GP1は内燃機関を愛する純粋主義者のためのマシンであり、フィルターを通さないプリミティブなドライビングプレジャーが追求された。

GP1のアッパーボディは、ウェッジシェイプ黄金期のデザイン要素を現代的に解釈。ブガッティとリマックで活躍したアンゲル・グエラが完全にゼロベースからデザインを立ち上げた。デザイン段階で、GP1の顧客とアンバサダーから、ランチア ストラトス ゼロ、ランボルギーニ カウンタックなど、マルチェロ・ガンディーニの名作の影を捉えたとの指摘もあったという。

イタリアのパワートレイン専門メーカー「イタルテクニカ(Italtecnica Srl)」が開発した、完全新規・専用設計された6.6リッターV型12気筒自然吸気エンジンをリヤミッドに搭載し、Xトラック社製縦置き6速MTを介して後輪を駆動。最高出力811PS、最大トルク700Nmを発揮し、過去のモータースポーツエンジンを彷彿とさせるメカニカルサウンドがコクピットに響き渡るという。

不必要なコンポーネントを全て排除

英国発のスーパースポーツ「ガラジスティ GP1」のコクピット。
コクピットは、大型ディスプレイやギミックを排除し、プリミティブなドライビングプレジャーが追求された。

アンゲル・グエラに与えられたのは「大型ディスプレイ、不要なギミックは不要。ドライバー、マシン、そして前に続く道のみ」というコンセプト。GP1のツインコクピットレイアウトは、ドライブ中に不要なファクターがすべて排除された。コントロール系統は最適な位置にレイアウトされ、ベンチレーションシステムは、コクピットデザインへとシームレスに統合。ダクトなどの不要なコンポーネントはオミットされている。

1980年代、1990年代、2000年代初頭に活躍したスーパースポーツのアイコンをリスペクトし、GP1はサーキットだけでなく、快適なグランツーリスモとしても設計。乾燥重量1000kgによって実現された圧倒的なスピードだけでなく、快適性、適切なキャビンノイズ、十分なラゲッジスペースが確保されている。

限定25台が英国で製造され、価格は245万ポンド(約4億9000万円)。最初の12名のオーナーは、ガラジスティ& Co.の「オープンドア(Open Doors)」プログラムを通じて、GP1のエンジニアやデザイナーと直接交流する機会も用意される。英国とヨーロッパ各地で開催されるこのプログラムは、ハイパーカーの創造過程を体験できる基調な機会となりそうだ。

ガラジスティの共同創業者、マリオ・エスクデロはGP1の発表を受けて次のようにコメントした。

「ガラジスティのビジョンは、シンプルな疑問から生まれました。もしアナログスーパースポーツの黄金時代が終わらなかったら? もしカウンタックのようなアイコンが、今も系譜を受け継いでいたら? 80年代、90年代、そして2000年代初頭の偉大なモデルが、新技術と融合しながらもアナログの魂を保ったまま進化していたら? 私たちは世界最高の頭脳を集結し、その疑問に情熱を注ぎました。そして、GP1が私たちからの答えなのです」