現実にあったら…を具現した、「花木の彩り、石垣の立体感」
「同期と庭造りをしたかった」という造園業を営む光地園さんは、普段の仕事としてはチャンスがなかなか訪れない庭園製作を同期の仲間とエンジョイ。「実際にこんな空間があったらなぁ…」の想いを軽トラの荷台に表情豊かな石垣を組んで魅せてくれました。



仕事柄、造園業のみなさんは軽トラの1台や2台は保有しているそうで、そこから軽トラ庭園の構想が生まれたらしいですよ。
野鳥が水を飲みに訪れる、ササキツツジの浮く水鉢
中曽根造園さんでは入社順にフェスティバル作品の製作を担当するとのことで、今年は偶然にも資格を取る予定がなく時間に余裕のあった若手社員が奮起。鉄砲垣に囲われた庭園には水鉢のまわりに五葉松やイロハモミジが彩りを与えておりました。綺麗に組まれた石垣もひとつひとつの石に表情があって、なるほど力作であることが分かります。



運転席の窓ガラスには段階を追って構想を深めていった図面が掲載されており、実際の作品と見比べて感心するギャラリーさんもいらっしゃいました。
コンセプトに掲げたのは、和洋折衷ならぬ和洋一体
和洋一体のコンセプトって何なんだろう!? と思ってエントリー資料に目を通していたら「競い合うよりも互いに助け合う気持ちを込めて洋風庭園に和風庭園の良さを組み入れた」との情報が。そこには共存共栄、世界平和の願いが込められていたのでした。



改めてハードに使い込まれた軽トラを見ていると日本の産業の裏側を陰ながら支えてくれているんだなぁと感慨もひとしお。
座して和を心意気を感じ取る、むかし懐かしい古典的な箱庭
軽トラックの荷台という限られたスペースの中で、誰もが心安らげる日本庭園というコンテンツの希少性をいかに理解してもらえるか。そんな崇高な想いから創り出されたのが、小さな小屋の軒先から箱庭を眺めてもらう正座前提の和カルチャー。四方仏の水鉢をはじめ、さざれ石、もみじを眺めつつの静寂空間を味わおう。




初夏を感じさせる清涼感で爽やかさを届けるがテーマ
インドネシア産出の玄武岩(現地ではジャワストーンと呼ばれる)を庭園中央に設置し、そこに水を流し込むことで清涼感を演出。それらに加えて天然木の筧(かけひ)から流れ落ちる水の音、風によって揺れ動く木の葉で安らぎを与えている。うーん、スゴイ。

エントリー名義こそ婦負緑親会(ねいりょくしんかい)とされてますが、その実態は軽トラ庭園の発起人でもある尾川造園さん。


造園屋のプライドが創り出す、まるで絵に描いたような庭園
年季の入った木片をつたって水が滴り妖艶に黒光りする巨大な一枚岩が軽トラの荷台であることを忘れさせる作品。庭園の中には、いろは紅葉、鉢明かり、杉苔、更紗うつぎ、瓦平板、鞍馬石水鉢、藤などの要素が盛り込まれているみたい。うーん、何が何だか理解できませんが、ステキな作品であることに間違いありません。




庭園を構成している壁が見切れちゃってるじゃないですか。一応、車両が確認できるよう資料代わりに撮っておいたんですよー。
▷軽トラ庭園コンテスト「花と緑のフェスティバル 」●開催場所:グランドプラザ(富山県富山市)
KCARスペシャル ドレスアップガイド Vol.42 軽トラカスタムガイドNo.2より



