McLaren ARTURA COUPE
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Porsche 911 Carrera GTS
カーボンファイバー製タブのアドバンテージ




マクラーレン・オートモーティブは、ハイブリッド専用プラットフォームとして、新たに開発した「マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)」をベースに、2021年に同社初の量産ハイブリッドスーパースポーツ「アルトゥーラ」を投入した。一方のポルシェは2024年、3.6リッター水平対向6気筒エンジンに電動ターボチャージャーと電気モーターを組み込んだ「T-ハイブリッド」を搭載する「911 カレラ GTS」を追加した。
アルトゥーラは、マクラーレンのスーパースポーツを象徴するキャブフォワードデザインを採用。゙サイドセクションの大型エアインテーク、リヤウインドウに向けて絞り込まれたレーシーなアピアランスが特徴となる。911 GTSも、初代から進化を続けながら受け継いできた、一眼で911と分かるフォルムを持つ。
ボディサイズは、911 GTSの全長が16mm長いが、反対にホイールベースはアルトゥーラが190mmも長く、サイドビューを比較した時に、そのスタンスの違いを理解できる。車両重量に関しては、カーボンファイバー製モノコックタブを採用したアルトゥーラが、911 GTSより100kg以上も軽い。
マクラーレン アルトゥーラ
ボディサイズ=全長4539×全幅1913×全高1193mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1498kg
タイヤサイズ=235/35R19(前)、295/35R20(後)
ポルシェ 911 カレラ GTS
ボディサイズ=全長4555×全幅1870×全高1295mm
ホイールベース=2450mm
車両重量=1610kg
タイヤサイズ=275/35ZR21(前)、325/30ZR21(後)
最高出力で159PSも上まわる「アルトゥーラ」




アルトゥーラは、エンジン単体で585PSの出力を誇る、新開発の3.0リッターV型6気筒「M630」ツインターボエンジンにアキシャル型モーターを搭載し、最高システム出力は700PSを実現。911 カレラ GTSから導入された「T-ハイブリッド」は、こちらも新開発3.6リッター水平対向6気筒エンジンに電動ターボチャージャーを備え、8速PDKに組み込まれたモーターにより、最高出力541PS・最大トルク610Nmを発揮する。
マクラーレン アルトゥーラ
エンジン形式=V型6気筒ターボ+ハイブリッド
排気量=2993cc
システム最高出力=700PS/7500rpm
システム最大トルク=720Nm/2250〜7000rpm
トランスミッション=8速DCT
駆動方式=RWD
最高速度=330km/h
0-100km/h加速=3.0秒
ポルシェ 911 カレラ GTS
エンジン形式=水平対向6気筒+T-ハイブリッド
排気量=3591cc
システム最高出力=541PS
システム最大トルク=610Nm
トランスミッション=8速PDK(DCT)
駆動方式=RR
最高速度=312km/h
0-100km/k加速=3.0秒
マクラーレンの“本気”に価値を見出せるか




アルトゥーラのコクピットは、メーターナセル内の10インチディスプレイ、センターには縦型の8インチタッチスクリーンがレイアウトされた。スポーティながらもシンプルな911 GTSと比較すると、惜しげもなくカーボンファイバー製コンポーネントを導入したレーシーなコクピットは、スーパースポーツらしい“特別感”が演出されている。
走行性能に関しては、最高速は330km/hとアルトゥーラが圧倒するが、0-100km/h加速は3.0秒と同タイム。アルトゥーラが「EVモード」で33kmの航続距離を持つのに対して、911 カレラ GTSのモーターはあくまでも走行用アシスト機能に特化しており、エンジンとPDKの間に直結。モーターのみで走行することはできない。
アルトゥーラは、マクラーレン初の量産プラグインハイブリッドとして、F1からフィードバックされたテクノロジーが贅沢に投入され、パフォーマンスだけでなく、効率性も追求。同じハイブリッドを謳うが、911 GTSとは立ち位置が大きく異なると言えるだろう。走行性能のみにフォーカスすれば、2台に大きな差はないが、その価格差はほぼ1000万円。ハイブリッドこだわり抜いたマクラーレンの本気に、価値を見出せるかにかかっている。
車両本体価格
マクラーレン アルトゥーラ 3300万円
ポルシェ 911 カレラ GTS 2379万円

