F80型M3の流通量は少なめ

BMW M3の初代と2代目は、中古車市場ではすでに希少性が高く、3代目、4代目も少ない。ここでは、選択肢が多く年代的にも新しい先代となる5代目以降をチェックする。
クーペはM4に分かれたこともあって、2014年デビューの「F80」型M3(セダン)の物件数はそれほど多くはない。3.0リッター直列6気筒ツインターボは、最高出力431PS、最大トルク550Nmを発揮。6速MTは1075万円、7速DCTは1104万円だった。現在の中古車平均価格は、480万円前後で当時から考えると半額以下だ。走行距離5万km以下の個体も流通している。5代目は良好なコンディションで比較的手が届きやすい出会いもあるだろう。
現行M3の平均価格は1000万円台の大台超え

2021年登場の現行型は、3眼カメラ&レーダーによる先進安全装備が搭載され、渋滞時のハンズオフドライブを搭載するなど、最新世代のADASに進化。510PS/650Nmの3.0リッター直列6気筒ツインターボを積み、トランスミッションは8速ATのみとなっている。登場時の価格は、M3 Competitionが1324万円、M3 Competition Track Packageが1436万円だった。
中古車市場の流通量は、先代よりもかなり多く、選択肢に恵まれている一方で、デビューが新しいこと、パワートレインも先進安全装備も快適装備も一気に進化し、高性能されたことなどにより高値安定状態となっている。平均価格は大台の1000万円を超えている。とはいえ、登録未使用車や走行距離1万km以下で新車価格から400万円程度下げている物件もあり狙い目だ。
2015年登場のC 63は流通量が少なめ

対するメルセデス・ベンツのC 63は、2007年デビューのW204型「C 63 AMG」まで遡る。2014年に登場し、メルセデスAMGになったW205型、現行のW206型が、現実的な選択肢といえる流通量となっている。とはいえ、M3と比べると数は少ない。C 43もラインナップする影響もあるかもしれない。
2015年5月に追加されたメルセデスAMG C 63は、セダンとステーションワゴンを用意。AMG製4.0リッターV8直噴ツインターボを搭載し、最高出力476PS、最大トルク650Nmを発揮。ハイエンドとなるC 63 Sは、510PS/700Nmまで引き上げられている。トランスミッションは、湿式多板クラッチを使うAMGスピードシフトMCTを採用している。セダンの価格は、C 63が1195万円、C 63 Sが1325万円だった。中古車の流通量は少ないが、走行距離5万km以下で600万円以下という物件も散見される。
電動化されたC 63 S Eの買い得感に注目

2021年発売の現行型Cクラスには、2023年10月にセダンの「C 63 S E PERFORMANCE(以下、C 63 S E)」を追加した。Sクラス譲りの先進安全装備をはじめ、「MBUX」、「ARナビゲーション」などの最新鋭装備が揃う。エンジンはダウンサイジングした2.0リッター直列4気筒ターボにモーターを組み合わせたハイブリッドになったが、システムトータルの最高出力は680PS、最大トルク1020Nmに達する。駆動方式は4WDの「4MATIC+」で、モーターが後輪を直接駆動。発表時の新車価格は1660万円と、「M3 Competition Track Package」の登場時より約200万円高い。

物件数はまだ少ないものの、現行C 63は未使用車の2024年式で1200万円前後もあり、2023年式なら1000万円前後も散見される。装備もスペックも新時代にふさわしいC 63 S Eが1000万円以下で買えるならお買い得といえるだろう。
現行型のM3とC 63は、4気筒や電動化を嫌うユーザーもいるため(?)なのか分からないが、装備内容に対して、C 63の値下がりぶりが大きい印象だ。モーターの搭載は、燃費というよりもドーピングのためであり、4WD化もスーパースポーツの流れに乗っている。
