Lexus RX450h+
たゆまぬ進化

レクサスRXの何が凄いって、ラインナップに3種類の異なるハイブリッドシステムが用意されていること。RX500hはパフォーマンス重視の2.4リッター直4ターボ+1モーターのパラレルハイブリッド。RX350hは従来からある2.5リッター自然吸気+2モーターのシリーズパラレル式。そしてこれをベースに外部充電機能を加え、プラグインとしたのがRX450h+だ。
「じゃあほとんど2種類じゃない?」などと言うなかれ。RX450h+は、ちゃんとPHVとしての役割をまっとうすべく、バッテリーやら制御やらがRX350hとは全く異なるのだ。特にバッテリーはニッケル水素からリチウムイオンに変更、EV走行可能距離を86kmとしている。世界95の国や地域で販売されるレクサスの最量販モデルだけに、RXはハイブリッドの金看板を背負っているということなのだろう。
さて、そんなRXが一部改良を受けたというので借り出してみた。とは言ってもデザイン面の変更はほぼなく、液晶メーターが12.3インチに拡大された程度。ほかはすべて走行性能や静粛性に関するものだ。

試乗は満充電の状態でスタート。すると街中はもちろん、高速に乗ってもエンジンがまったく始動しないではないか。アクセルを深く踏み込むようなことがなければ100km/h超までモーターのまま行ってしまう。これはPHVのセオリー通りのマナーで、つまり毎日通勤に使い、家に戻ったらひと晩充電……というような使い方をすれば、ウイークデイはほぼEVとしてガソリンの使用をゼロにできる。RXのハイブリッドといえば発進後すぐにエンジンが始動するものと長く刷り込まれてきただけに、これはなかなか新鮮な体験。

そして走りのアップデートも見逃せない。燃費を0.1km/リッター削ってまで実現した加速フィーリングの向上は、アクセルの踏み込みに対するリニアな反応として顕れる。また新たに搭載された後輪操舵のDRSは、低速時の取り回しのよさ以上に、スポーツモード選択時にコーナリングで後輪がグッと踏ん張る感じが印象的だ。よりフラットになった足まわりのセッティングと相まって、スポーティ度が大きく向上している。


近年レクサスの好調が色々なところで伝えられるけれど、それは円安で輸入車がべらぼうに高くなったこと、EVがある程度普及した結果、かえってハイブリッドが見直されていることだけでなく、このような地道な改良を重ねることで、レクサスのモノとしての魅力が高まっていることも大いに関係してると思う。
REPORT/市原直英(Naohide ICHIHARA)
PHOTO/神村 聖(Satoshi KAMIMURA)
MAGAZINE/GENROQ 2025年10月号
SPECIFICATIONS
レクサスRX450h+ バージョンL
ボディサイズ:全長4890 全幅1920 全高1700mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2160kg
エンジン:直列4気筒DOHC
総排気量:2487cc
最高出力:136kW(185PS)/6000rpm
最大トルク:228Nm(23.2kgm)/3600-3700rpm
フロントモーター最高出力:134kW(182PS)
フロントモーター最大トルク:270Nm(27.5kgm)
リヤモーター最高出力:40kW(54PS)
リヤモーター最大トルク:121Nm(12.3kgm)
トランスミッション:電気式CVT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前ストラット 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:前後235/50R21
最高速度:200km/h
0-100km/h加速:6.5秒
車両本体価格:887万円
【問い合わせ】
レクサスインフォメーションデスク
TEL 0800-500-5577
https://www.lexus.jp
