33年ぶり開催のハンガリーGP、初開催のバラトンパーク

MotoGP第14戦ハンガリーGPは、8月22日から24日にかけて、ハンガリーのバラトンパーク・サーキットで初開催された。ハンガリーGPの開催は1992年以来、33年ぶりのことである。当時はハンガリーの首都・ブダペスト近くのハンガロリンクでの開催だった。
バラトンパーク・サーキットでは初開催ということもあって、ほぼすべてのライダーが初走行である。ただ、MotoGPクラスのドゥカティ勢はサマーブレイク中に市販車でプライベートテストを実施している。
ハンガリーGPもまた、マルク・マルケス(ドゥカティ)が席巻した週末となった。ポールポジションはマルク・マルケスが獲得し、土曜日のスプリントレースでも優勝を飾った。スプリントレースでは2位がファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)、3位がフランコ・モルビデリ(ドゥカティ)で、トップ3をドゥカティ勢が独占している。
MotoGPクラスのルーキーであり、唯一の日本人ライダーである小椋藍(アプリリア)は、最後尾の21番手からスタートして15位だった。
日曜日の決勝レースでは、スタート前に1列目3番手スタートのディ・ジャンアントニオのマシンにトラブルが発生した。ディ・ジャンアントニオはウオームアップ・ラップでピットインをしてマシンを乗り換えたため、ピットレーンスタートとなった。
スタート後、1コーナーにトップで入ったのはマルク・マルケスだった。しかし、2コーナーで2番手スタートのマルコ・ベツェッキ(アプリリア)と接触して後退し、代わってベツェッキがトップに浮上。その後方で、4番手走行中だったエネア・バスティアニーニ(KTM)が転倒を喫してリタイアとなる。
3周目に入ってもベツェッキはトップをキープ。2番手はモルビデリ、3番手にはマルク・マルケスがつけた。5周目にはマルク・マルケスがモルビデリをパスし、2番手に浮上する。
マルク・マルケスはじりじりとベツェッキとの差を詰めていき、11周目、1コーナーのブレーキングでベツェッキをかわした。ついにマルク・マルケスがトップに立ち、ベツェッキが2番手に後退する。このとき、3番手にはモルビデリをかわしたペドロ・アコスタ(KTM)が浮上していた。
アコスタはベツェッキとの差を縮め、15周目には0.2秒を切るまでになった。16周目、1コーナーのブレーキングでアコスタがベツェッキをパスし、2番手にポジションを上げた。ベツェッキは前戦オーストリアGPに続き、レース後半でポジションを落としている。このときマルク・マルケスはほぼ独走状態で、アコスタとの間には3秒のギャップがあった。トップ3はそれぞれ単独走行となる。
後方から激しい追い上げを見せたのは、ホルヘ・マルティン(アプリリア)である。前年王者ながら前半戦のほとんどを負傷により欠場したマルティンは、6列目16番手からスタートしながら、5番手まで浮上し、さらに残り5周でモルビデリをかわして4番手に浮上したのだ。この時点で3番手のベツェッキとの差は2秒以上あった。表彰台圏内に追いつくことは難しい状況だったが、十分に素晴らしい追い上げだった。
マルク・マルケスは危なげないレース運びで優勝を飾った。初開催のバラトンパークにおいて、ポールポジション、スプリントレース、決勝レースを制したのである。マルク・マルケスはこれで7連勝を記録している。2位はアコスタが獲得。3位はベツェッキで、チェコGPから3戦連続、今季5度目の表彰台獲得となった。
4位にはマルティンが入り、今季の自己ベストリザルトを更新している。ハンガリーGPはマルティンにとって今季4戦目ではあるが、負傷からの復帰、アプリリアへの順応は順調と見える。5位はルカ・マリーニ(ホンダ)で、ホンダでの自己ベストリザルトとなった。
小椋は最後尾21番手からスタートして、しっかり順位を上げて11位でゴールを果たし、ポイントを獲得している。
第15戦カタルーニャGPは、スペインのバルセロナ-カタルーニャ・サーキットで9月5日から7日にかけて行われる。
