CONCEPT AMG GT XX

EVによる24時間走行新記録を樹立

急速充電を行う「コンセプト AMG GT XX」。
コンセプト AMG GT XXは、EVによる24時間連続走行チャレンジにおいて、従来の記録を1518kmも上まわる5479kmを走破した。

2025年6月、メルセデス AMGは、最新フル電動パワートレイン「AMG.EA」をベースに開発した「コンセプト AMG GT XX」を、ドイツ・アッファルターバッハで行われたイベント「アッファスターバッハ 」で初公開した。

コンセプト AMG GT XXは、メルセデス AMGが開発する次世代4ドア量産スポーツカーを予告するフル電動コンセプト。3基の軸流モーターに高性能バッテリー「HP.EB(ハイパフォーマンス・エレクトリック・バッテリー」を組み合わせた、革新的なフル電動アーキテクチャー「AMG.EA」をベースに開発され、今後の量産モデルへの導入される革新的新技術が数多く搭載されている。

メルセデス AMGは、2025年8月、イタリア・ナルドにコンセプト AMG GT XXを持ち込み、耐久走行チャレンジを実施。25もの世界記録を樹立した。この中には電気自動車による24時間走行距離記録も含まれており、コンセプト AMG GT XXは高速充電を繰り返しながら、5479kmを走行。これは従来の記録を1518kmも上まわり、約38%も距離を伸ばしている。

メルセデス・ベンツのチーフ・テクノロジー・オフィサーのマルクス・シェーファーは、今回の記録チャレンジを終えて、次のようにコメントした。

「メルセデス AMGは、モータースポーツだけでなく、ここナルドを舞台に様々な記録に挑んできました。今回、電気自動車の技術的な限界を塗り替えることを目標に掲げました。メルセデス AMG、メルセデス・ベンツ、メルセデス・ベンツ・モビリティ、そしてF1のパワートレイン専門家によって構成されたチームは、準備段階から無限の情熱と献身を示してくれました。このユニークな記録走行で達成された成果に、私は心から誇りを感じています」

300km/hのスピードで4万km以上を走破

「コンセプト AMG GT XX」が耐久走行記録チャレンジを実施し、7日間13時間24分7秒で4万75kmを走破した。
コンセプト AMG GT XXは、8日間で4万kmという当初の目標を大幅に上まわる、7日間13時間24分07秒で4万75kmという地球1周分の距離を走り切ってみせた。

今回の記録チャレンジは、24時間を遥かに超える厳しい挑戦となった。目標に掲げられたのは「8日間で世界一周」。チャレンジの名称は、もちろんジュール・ヴェルヌの有名な冒険小説『80日間世界一周』にちなむ。

電気自動車が搭載するモーターとバッテリーに最も大きな負荷がかかるのは、高負荷走行と高速充電を繰り返すこと。この状況を繰り返し再現するため、コンセプト AMG GT XXは可能な限り短い時間で、可能な限りの距離を走行することになった。

ドライバーは300km/hの速度を維持し、充電のためだけに停車。充電時の出力は平均約850kWと、現在の充電インフラが提供できる範囲を超えた給電を行っている。これにより、量産を前提にしたフル電動パワートレインが持つポテンシャルを遺憾なく発揮し、昼夜を問わず8日間、充電以外は休むことなく走り続けた。

2025年8月25日の早朝、コンセプト AMG GT XXは4万75km(2万4901マイル)の距離を走破。7日間13時間24分07秒で地球1周に相当する距離を走り切り、8日間という当初の目標を大幅に上まわって見せた。途中、コンセプト AMG GT XXは、25の耐久記録も樹立している。

F1ドライバーのラッセルもチャレンジに参加

今回の耐久チャレンジには、メルセデス AMGからF1に参戦するジョージ・ラッセルも参加。コンセプト AMG GT XXのパフォーマンスを大絶賛した。
今回の耐久チャレンジには、メルセデス AMGからF1に参戦するジョージ・ラッセルも参加。コンセプト AMG GT XXのパフォーマンスを大絶賛した。

今回の耐久チャレンジには、2台のコンセプト AMG GT XXが参加。両車は同時にスタートし、7日間を超える連続走行と、地球一周の完全周回をそれぞれ達成した。2台目は1台目よりも25km少ない距離を走行しており、これはナルド・サーキットの2周に相当する。

今回、1周12.68kmのナルドを3177周走行。F1ドライバーのジョージ・ラッセルを含む経験豊富なレーシングドライバーが、2時間交代でドライブを担当し、1日あたり平均で5300kmのマイレージを稼いでいる。日中は直射日光にさらされており、気温は35℃まで上昇。電気自動車にとって厳しいコンディションでの走行となった。

走行中、メルセデス AMGのピットクルーが充電とタイヤ交換を担当し、アッファルターバッハの遠隔サポートルームがリモートで常時接続され、24時間体制で消防・救助サービスを提供。外部のスペシャリストとして、タイヤサプライヤーのミシュラン、充電ステーションを提供するアルピトロニックもチームに加わっている。

コンセプト AMG GT XXのステアリングを握り、長距離チャレンジに挑んだF1ドライバーのジョージ・ラッセルは、次のように走行を振り返った。

「F1ドライバーとして、私はテクノロジーを限界まで追求することに慣れているつもりです。そんな私でも、コンセプト AMG GT XXには本当に驚かされました。この軸流モーターは、F1のドライブトレインと同じように、瞬時かつ正確に反応しますし、内燃機関のような耐久性も備えています。このテクノロジーは、レースコースでも一般道でも、ドライビング体験を革命的に変化させるでしょう」

「コンセプト AMG GT XX」の耐久チャレンジを動画でチェック!

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