Bentley Continental GT Speed
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Aston Martin Vanquish

大排気量V12エンジンにこだわったヴァンキッシュ

2024年6月、ベントレーは4代目「コンチネンタル GT 」を発表。最上級モデル「スピード」は、それまでの6.0リッターW型12気筒ツインターボに替えて、新開発の4.0リッターV型8気筒ツインターボベースの「ウルトラ・パフォーマンス・ハイブリッド」を搭載する。大排気量・多気筒エンジンから、高効率V8エンジンに強力な電気モーターを組み合わせたPHEVへと舵を切ったかたちだ。

遅れること3ヵ月、アストンマーティンはフラッグシップクーペ「ヴァンキッシュ」を6年ぶりに復活させた。新型ヴァンキッシュは、2023年に先行導入された「DB12」をベースに、80mmロングホイールベース化。心臓部には、伝統の5.2リッターV型12気筒ツインターボエンジンが搭載される。

全長はコンチネンタル GT スピードが40mm長いが、反対にホイールベースはヴァンキッシュが34mmが長い。車両重量はリヤシートを備え、大容量リチウムイオンバッテリーを搭載するコンチネンタル GTが、ヴァンキッシュより500kg以上も重くなっている。

ベントレー コンチネンタル GT スピード

ボディサイズ=全長4895 全幅1966 全高1397mm
ホイールベース=2851mm
車両重量=2459kg
タイヤサイズ=275/35ZR20

アストンマーティン ヴァンキッシュ

ボディサイズ=全長4855 全幅2044 全高1290mm
ホイールベース=2885mm
車両重量=1910kg
タイヤサイズ=275/35ZR21(前)、325/30ZR21(後)

モーターによるコンチネンタル GTの加速力

コンチネンタル GT スピードは、新開発の4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンに、190PSの400Vモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載。システム最高出力は782PS、システム最大トルクは1000Nmを発揮する。ヴァンキッシュの5.2リッターV型12気筒ツインターボは、先代モデルのエンジンをベースにアップデート。最高出力835PS、最大トルク1000Nmという強大なスペックを実現した。

ヴァンキッシュは、アストンマーティンの量産モデル史上最速となる最高速度345km/hを達成。0-100km/h加速に関しては、モーターによる強力な推進力を持つコンチネンタル GT スピードが、約50PSもパワフルなヴァンキッシュを上まわってみせた。

ベントレー コンチネンタル GT スピード

エンジン形式=V型8気筒ツインターボ+モーター
排気量=3996cc
最高出力=600PS/6000rpm
最大トルク=800Nm/2000〜4500rpm
システム最高出力=782PS
システム最大トルク=1000Nm
トランスミッション=8速DCT
駆動方式=AWD
最高速度=335km/h
0-100km/h加速=3.2秒

アストンマーティン ヴァンキッシュ

エンジン形式=V型12気筒ツインターボ
排気量=5204cc
最高出力=835PS/6500rpm
最大トルク=1000Nm/2500〜5000rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=RWD
最高速度=345Km/h
0-100km/h加速=3.3秒

貴重な存在となった大排気量・多気筒エンジン

コンチネンタル GT スピードのコクピットは、3眼式のアナログ計器に切り替え可能な12.3インチローテーションディスプレイを装備。シートやトリムはベントレーが誇るクラフトマンシップの伝統を押さえながら、キルティングパターンやステッチなどがモダンにアップデートされている。

ヴァンキッシュは、10.25インチTFTドライバーディスプレイに、同じく10.25インチのタッチスクリーンのコンビネーション。レザーとカーボンファイバーを組み合わせ、英国最高峰を名乗るに相応しいラグジュアリーな室内空間を実現した。2シーターのみの展開となるヴァンキッシュに対し、コンチネンタル GT スピードは、4シータークーペとして十分な居住スペースが確保されている。

ベントレーは、同社の象徴でもあった6.0リッターW型12気筒エンジンの生産に幕を下ろし、最上級パワーユニットをハイブリッド化した。電動化によりスーパースポーツを上まわる走行性能とEVモードで80km以上という航続距離が確保された。アストンマーティンは、ラインナップにハイブリッドモデルを加えつつも、フラッグシップGTのヴァンキッシュには、あえてV12エンジンを残す選択を取った。

ヴァンキッシュとコンチネンタル GT スピードの価格差は1115万円。ベントレーが総力を挙げて開発した最新ハイブリッドパワートレインの魅力は捨て難い。一方で今や貴重な存在となった大排気量・多気筒エンジンのフィーリングはヴァンキッシュでしか味わえない。実に悩ましい選択だ。

車両本体価格

ベントレー コンチネンタル GT スピード 4175万円
アストンマーティン ヴァンキッシュ 5290万円

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