BMW iX3 50 xDrive
BMWの新世代を切り開くフル電動SAV

新型「BMW iX3」は、新世代フル電動スポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)として開発された。第6世代フル電動パワートレイン「BMW eDrive」、800kmの航続距離、400kW充電機能、BMWの新世代デザインランゲージ、BMWパノラミックiDriveなどを導入している。
先駆的なエレクトロニクスやソフトウェアを導入し、ドライビングダイナミクス、自動運転、インフォテインメント、コンフォート機能を統括する高性能コンピューター「スーパーブレイン」が初搭載された。また、ドライブトレインやドライビングダイナミクスの制御システム「ハート・オブ・ジョイ(Heart of Joy)」により、これまでにない高い効率性も実現している。
モダンな軽快さを放つ新世代エクステリアに、フロントボンネット下部の追加収納スペースを含め、高いユーティリティ性能を確保。使用素材はリサイクル可能性の検討を行い、製造プロセスに至るまで原材料の責任ある利用という点でも大きな進化を遂げている。
新型iX3の量産は、ハンガリーにあるBMWグループのデブレツェン工場において、間もなく開始される予定。最初のモデルは最高出力470PS、航続距離800km(WLTPモード)を誇る「iX3 50 xDrive」となり、新設される組み立てラインで製造後、2025年暮れ以降にデリバリーが開始される。
iX3の主要な市場はヨーロッパとアメリカとなり、中国におけるニーズや要望も取り入れた仕様は、早ければ2026年にも中国・瀋陽工場で生産が開始される。BMW AGの取締役会会長、オリバー・ツィプセは新世代モデル群ノイエ クラッセの先陣を切るiX3について、次のようにコメントした。
「ノイエ クラッセは、未来を見据えたBMW史上最大規模のプロジェクトであり、テクノロジー、ドライビングエクスペリエンス、デザインにおける大きな飛躍となります。すべてが刷新されているにもかかわらず、ノイエ クラッセは今までで一番BMWらしいクルマとなりました」
「搭載されるドライブシステムにかかわらず、BMWのラインナップ全体がノイエ クラッセがもたらす革新の恩恵を受けます。iX3はノイエ クラッセとして量産される初めてのモデルとなります。我々はBMW史上最も成功した電気自動車のひとつを次世代モデルの形で路上へと送り出すだけではなく、BMWの新たな時代を切り開くのです」
新たなデザイン言語を初採用

新型BMW iX3から、BMWの新世代デザインランゲージが導入される。現在のトレンドを押さえつつも色褪せないデザインが採り入れられており、iX3は現代的なSAVスタイルを再解釈している。この新世代デザインは、近日中にBMWブランドの全モデルに応用される予定だという。
iX3は力強い存在感を放ち、4つのホイールがくっきりと際立つコンベンショナルな2ボックススタイル。フロントセクションは、LEDユニットを用いた垂直に配置のヘッドライトが、BMWらしい表情に新たなデザイン的な解釈を加えた。
フロントのセンター部に配置された縦型キドニーグリルは、1960年代のノイエ クラッセをオマージュ。クロームに代えて照明機能を備えた「アイコニックグロー」が採用され、昼夜を問わず光り輝く個性豊かなアクセントとなる。リヤセクションはセンター部まで伸びるテールライトが、BMWを象徴するL型ライトに水平方向の新解釈を加えた。
サイドセクションは、一体感のあるサーフェイスと数本の緻密なプレスラインが、美しくスポーティなシルエットを生み出し、Cd値0.24という高いエアロダイナミクスを実現。さらにホイールアーチに視覚的なインパクトも加えている。
「BMWパノラミックiDrive」を初搭載

無駄を排したエクステリア反映したインテリアデザインは、現代性とデジタル性を高い次元で両立。水平的なラインで構成されたコクピットは、パッセンジャーを包み込む効果を生み出している。インテリアのハイライトとなる新機能が、新開発のコントロール&オペレーションシステム「BMWパノラミックiDrive」。このシステムは適切なタイミングと場所に、適切な情報をドライバーに提供する。
BMWパノラミックiDriveは、ディスプレイ、ジオメトリー、ライト&サウンドデザインが融合し、総合的な体験を演出。デジタル機能と物理的エレメントをバランス良く調整することで、BMWが掲げる「手はハンドルに、視線は道路に」の原則に則りながら、ドライビングにフォーカスした直感的な操作性を実現した。
BMWパノラミック・ビジョンは、フロントウインドウ下部のナノコーティングが施された黒色のサーフェス(110cm)に情報を投影する。重要度の高いドライブ関連情報は、ドライバーの視線の先にある、ステアリングホイール上部のBMWパノラミック・ビジョンの左側エリアに表示(左ハンドル仕様)。ドライバーはセンターディスプレイを操作して、BMWパノラミック・ビジョンの中央エリアと右側エリアの表示内容をカスタマイズすることができる。
マトリクス・バックライト・テクノロジーを採用した17.9インチセンターディスプレイは、ドライバーに向かって17.5度傾いており、インストゥルメントパネル上の人間工学的に理想的なポジションにレイアウト。センターディスプレイのホーム画面には、ナビゲーションシステムをはじめ、様々なコンテンツが表示される。その上のドライバー側エリアには、頻繁に使用する機能を設定できるウィジェットが縦方向に配置された。
第6世代「BMW eDriveテクノロジー」

ノイエ クラッセのために開発された第6世代「BMW eDrive」テクノロジーは、高効率電気モーター、円筒型バッテリーセルを持つ新開発高電圧バッテリー、800Vテクノロジーを採用。「iX3 50 xDrive」は、使用可能容量108kWhの高電圧バッテリーを搭載し、WLTPモードで最大800kmの航続距離が確保された。
「iX3 50 xDrive」はフロントアクスルに新型の非同期モーター(ASM)、リヤアクスルには大幅にアップデートした電気励磁交流同期モーター(EESM)を配置する全輪駆動。最高出力345kW(470PS)、最大トルク645Nmを発揮し、0-100km/h加速は4.9秒、最高速度は電子リミッターで210km/hに制限される。
「BMW eDrive」テクノロジーは、先代システムから大幅な進化を遂げており、エネルギーロスを40%、重量を10%、製造コストを20%削減。高電圧バッテリーは第5世代「BMW eDrive」と比較して、セルあたりのエネルギー密度が20%、充電速度は30%も向上している。
新型iX3は400kWもの最大充電レートを誇り、800V直流(DC)急速充電ステーションを利用する場合、350km以上の航続距離分を約10分で充電することが可能。21分あれば、高電圧バッテリーを10%から80%まで充電することも可能となっている。
多様な双方向充電機能も搭載されており、「ビークル・トゥ・ロード(V2L)」「ビークル・トゥ・ホーム(V2H)」「ビークル・トゥ・グリッド(V2G)」に対応し、電力供給源としても機能する。
新型コンピューター「ハート・オブ・ジョイ」

新型iX3には、完全新規開発されたセントラルコンピューター「ハート・オブ・ジョイ(Heart of Joy)コントロールユニット」を搭載。ハート・オブ・ジョイは、BMWダイナミック・パフォーマンス・コントロールのソフトウェアと組み合わせることで、パワートレイン、ブレーキ、回生システム、ステアリングシステムを統合的にコントロールする。
それぞれのコンポーネントに関する情報は、従来のシステム比で10倍ものスピードで処理され、ドライバーの操作に対して、これまで以上に直接的に反応する。制御入力が少なくなることで、車両の方向安定性はより安定する。さらに一貫性と再現性を持ったコーナリングパフォーマンスを発揮し、従来よりも直感的なコントロールが可能と謳う。
ハート・オブ・ジョイにより、パワートレインとブレーキシステムは完璧な調和を持って作動し、安全に車両を減速。回生ブレーキは全速度域で停止まで使用可能となっており、98%のケースで摩擦ブレーキを使用せずに、ノイズや衝撃もなく安全に停止できるようになるという。
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