Lamborghini Revuelto
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Lamborghini Urus SE

SUVながらも個性を主張するウルス SE

ランボルギーニは、カウンタックから続くV12フラッグシップをプラグインハイブリッド化し、最新作となる「レヴエルト」を誕生させた。6.5リッターV型12気筒エンジンと3基のモーターを組み合わせた「ハイパフォーマンスEV(HPEV)」システムを導入し、スーパースポーツカーメーカーとしていち早く電動化に舵を切ることになった。

2023年に発表されたレヴエルトに続き、2024年にはそのデビュー以来、ランボルギーニの屋台骨を支えてきた「ウルス」のフェイスリフトを実施。合わせて4.0リッターV型8気筒ツインターボをベースとするプラグインハイブリッドパワートレイン搭載モデル「ウルス SE」を投入した。

スーパーSUVを謳うウルス SEは、他ブランドのSUVやクロスオーバーと比較すると、低く構えたボンネットや強い傾斜を持つリヤゲートなど、強い個性を主張するレーシーなエクステリアを持つ。さらに今回のフェイスリフトでは、よりシャープなフロントフェイスも与えられている。とはいえ、本格スーパースポーツのレヴエルトと比較すると、当然のことながらスーパーSUVと言えども大きさや重さを感じることになるだろう。実際、車両重量はウルス SEがレヴエルトより400kg以上も重い。

ランボルギーニ レヴエルト

ボディサイズ=全長4947×全幅2033×全高1160mm
ホイールベース=2779mm
車両重量=1772kg
タイヤサイズ=265/35ZR20(前)、345/30ZR21(後)

ランボルギーニ ウルス SE

ボディサイズ=全長5123×全幅2022×全高1638mm
ホイールベース=3003mm
車両重量=2190kg
タイヤサイズ=285/45ZR21(前)、315/40ZR21(後)

ウルス SEを置き去りにするレヴエルト

レヴエルトのHPEVシステムは、6.5リッターV型12気筒自然吸気エンジンをベースに、2基のモーターをフロントアクスル、1基を8速DCTに組み込み、システム最高出力1015PSを発揮する。ウルス SEは、4.0リッターV型8気筒ツインターボと8速ATの間に、1基の永久磁石同期モーターを組み込んだAWD。620PSのエンジンにモーターの出力を加えて、システム最高出力800PSを実現した。

SUVながらもウルス SEは300km/hを超える最高速度を達成し、0-100km/h加速は3.4秒で駆け抜ける。だが、レヴエルトはウルス SEを遥かに上まわる最高速度350km/h。0-100km/h加速2.5秒というフラッグシップスーパースポーツに相応しい強烈な走行パフォーマンスが与えられている。

ランボルギーニ レヴエルト

エンジン形式=V型12気筒自然吸気+3モーター
排気量=6498cc
最高出力=825PS/9250rpm
最大トルク=725Nm/6750rpm
システム最高出力=1015PS
トランスミッション=8速DCT
駆動方式=AWD
最高速度=350km/h
0-100km/h加速=2.5秒

ランボルギーニ ウルス SE

エンジン形式=V型8気筒ツインターボ+1モーター
排気量=3996cc
システム最高出力=800PS/6000rpm
システム最大トルク=800Nm/2250〜4500rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=AWD
最高速度=312km/h
0-100km/h加速=3.4秒

並のスーパースポーツを凌駕するSUV

レヴエルトは、12.3インチデジタルコクピット、8.4インチインフォメーションシステム、9.1インチパッセンジャーディスプレイがシステマチックにレイアウトされたドライバー重視のコクピットが魅力だ。ステアリングホイールにはANIMAのロータリーダイヤルが装備されており、素早くドライビングモードを切り替えることができる。

ウルスSEは、12.3インチメーターディスプレイ、ダッシュボード中央には12.3インチセンターディスプレイが配置される。今回のフェイスリフトでセンターディスプレイのサイズが拡大された他、車載デジタルシステムが最新仕様にアップデートされた。SUVとしては低めの全高を持つウルス SEだが、リヤシートは大人2名がリラックスできる空間が確保されている。

EVモードでの航続距離はレヴエルトが約10kmに留まるのに対して、25.9kWh容量のリチウムイオンバッテリーを搭載するウルス SEは、内燃機関に頼らず60kmも走行できる。

価格差は、ほぼ2倍でまったく競合しない。最強のハイブリッドスポーツを追求したレヴエルトにこそ敵わないが、ウルス SEの多用途性と強烈なパフォーマンスは、多くのSUVが居並ぶ昨今においても、唯一無二と言えるだろう。

車両本体価格

ランボルギーニ レヴエルト 6543万円
ランボルギーニ ウルス SE 3150万円

ランボルギーニ レヴエルト

電動化がもたらす「ランボルギーニ レヴエルト」の2つの安心を鈴鹿サーキット試乗で体感【動画】

ランボルギーニ初のプラグインハイブリッド・スーパースポーツとして2023年に登場した「レヴエルト」。それを鈴鹿サーキットで試乗できるという。最新のフラグシップV12ランボルギーニを世界でも屈指の人気コースで試せるとあって、全ての予定をキャンセルし、新幹線に飛び乗って鈴鹿サーキットへ向かった。

ウルスがハイブリッドとなり、ランボルギーニは全車種がハイブリッド化された。

最高出力800馬力のプラグインハイブリッドSUV「ランボルギーニ ウルスSE」の何がすごいのか試乗して解説

ランボルギーニの屋台骨となったウルスが、初の大掛かりなマイナーチェンジを行った。最大のトピックはプラグインハイブリッドの採用である。60kmのEV走行を可能とし、0-100km/h加速を3.4秒でこなす。快適性と速さを両立したスーパーSUVを試す。(GENROQ 2025年7月号より転載・再構成)