卓越したサスペンション技術の採用

KYBことカヤバ株式会社が、ヤマハ発動機のモトクロスバイク「YZ450F(2026年モデル)」向けに最新のMXサスペンションを供給。過酷なモトクロス環境で求められる「あらゆる路面での接地感」「安定した吸収力」「ライダーが安心して攻められるフィーリング」を実現するため、「グラウンドフックコンセプト」を柱として設計された。減衰制御・摩擦制御・調整機構の三要素を最適化することで、ライダーの意図する操作とサスペンションの応答性を限りなく近づけている。YZ450Fの戦闘力を引き出すためのサスペンションとして、KYBのモノづくり技術が結実している。
フロントフォークに採用された革新的設計

フロントフォークでは小さな路面の凹凸も滑らかに吸収する「リーフバルブスプリングバルブ構造」が導入されており、些細な入力にも応答性を持たせることで走破性を高めている。また、大きな衝撃を受けた際には「デルタ形バルブ」がその吸収力を発揮し、衝撃の緩和を図っている。さらに、整備性と現場での調整性を重視し、工具を使わずに設定変更可能な「ツールレスアジャスタ」が組み込まれていることにより、レースや練習での迅速なセッティング変更にも対応可能。
リアクッションの機能強化と調整性の追求
リア側では、フロント同様に小さな路面入力から大きなインパクトまで幅広く対応できる設計が施されている。大径ベースバルブ構造を採用することで、小さな入力時の吸収性を一様に高め、6ポートピストン構造によって大きな入力時の制御力を確保している点が特徴。リアにもツールレスアジャスタを搭載し、前後のバランス調整を容易にしつつ、ライダーの体感に直結するフィーリングを追求している。これらの設計によりYZ450Fのリア挙動がより繊細かつ力強くなる。
ブランドステートメントとKYBのものづくり哲学
KYBは精緻な品質と確かな技術を何より重んじており、その製品特性を率直に表現するブランドステートメントを掲げている。一般生活者、顧客、お取引先、さらには社員一人ひとりにとって、確かな品質が「優位性」となり、「世の中を変えていく実感」が持てることが重要とされている。YZ450Fへの最新MXサスペンションの供給は単なる技術提供にとどまらず、その哲学の延長線上にある。モトクロスという過酷なステージでKYBの技術が如何にアスリートの走りを支え、限界を押し上げるかが問われる挑戦でもある。
YZ450Fへの最新MXサスペンション搭載は単なるスペック更新以上の意味を持つ。路面からの細かな情報をライダーが感じ取れる、そしてその感覚を信じて攻め続けられる装備として、KYBの技術がひとつの到達点を示したことは間違いない。
