Lamborghini Pregunta
ディアブロ・ベースのデザインコンセプト

2025年10月8日から12日にかけてベルギーのリゾート地、クノック・ヘイストにおいて行われる「ザウテ・グランプリ・カーウィーク(Zoute Grand Prix Car Week)」。ハガティ傘下のブロード・アロー・オークションは、イベント期間中の10月10日に、主催者と共同でオークションイベント「ザウテ・コンクール・オークション」を初開催する。
75台以上が登場すると言われるザウテ・コンクール・オークション、その最大の目玉となるのが1998年にランボルギーニが発表した「プレグンタ」だろう。プレグンタはランボルギーニとフランスの車体メーカー「ユーリエ(Heuliez)」の協業によって誕生。オークション初登場となる今回、推定落札価格250万~350万ユーロ(4億3400万〜6億円)を想定している。
クライスラー傘下時代に開発がスタートしたプレグンタは、フォルクスワーゲン・グループによる買収からわずか数ヵ月後の1998年、パリ・モーターショーで初公開された。ディアブロをベースとし、5.7リッターV型12気筒エンジンをリヤミッドに搭載する。
ブロード・アロー・オークションのヨーロッパ・中東・アフリカ担当副社長を務めるジョー・トゥワイマンは、プレグンタについて次のようにコメントした。
「ランボルギーニ プレグンタは、ディアブロベースの優れたパフォーマンスと、ユーリエが手掛けた戦闘機を思わせるデザインを融合させた、目を奪われる傑作です。この歴史的スーパースポーツをコレクターカー市場に提供できることを大変光栄に感じています。市場初登場となるこのクルマに対し、世界中のコレクターから大きな反響を呼ぶことになるでしょう」
ラファール戦闘機をイメージ

プレグンタは「ランボルギーニ ジャルパ」を手掛けた実績を持つ、ユーリエ社のデザイン責任者マルク・デシャンがスタイリングを担当。当時、パリで初公開されたこのコンセプトカーは、当時新聞や雑誌の見出しを飾り、観衆から大きな反響を呼ぶことになった。
2007年に発表された「レヴェントン」と同様に航空機をインスピレーションの源泉としており、プレグンタはフランスの戦闘機「ダッソー ラファール」から着想を得たという。ユーリエ社製のカーボンファイバー製ボディワークを採用し、戦闘機をイメージした巨大なエアインテークを導入。キャノピー風のシザードア、ラップアラウンドガラス、ラファールと同じマットグレーペイントが外観上の特徴となる。
シャシーはディアブロをベースに大幅に改良され、全輪駆動から後輪駆動に変更されている。5.7リッターV型12気筒自然吸気エンジンは最高出力537PS、最大トルク605Nmを発揮する。0-100km/h加速はわずか3.9秒、最高速度は337km/hに達し、クイックシルバーエキゾーストからは戦闘機を彷彿とさせるサウンドが響き渡る。
デザインを担当したユーリエが長く所有

インテリアも戦闘機を彷彿とさせるデザインとなり、ガラススクリーン、アズールブルーのアルカンターラ製戦闘機スタイルシート、光ファイバーライト、リヤビューカメラなどを備える。F1由来のマニエッティ・マレリ製デジタルメータークラスターがドライバーに基本情報を表示し、アルパイン製オーディオシステムも搭載される。
プレグンタは、その後のランボルギーニデザインに大きな影響を残し、最終的にはムルシエラゴの誕生に貢献することとなった。長くユーリエ社が所有し、パリでのデビュー後10年間にわたり、世界中の展示会やプロモーションイベントで公開され続けた。
ユーリエ所有下で最後の公の場に登場したのは2007年のレトロモビル。2008年にはユーリエから個人コレクターへと売却され、2014年にランボルギーニ・ポロストリコから公式認証書が発行された。その後、ポロストリコがこのユニークなコンセプトカーを点検・整備し、2021年にはサンタアガタのランボルギーニ・ミュージアムでも展示されている。
ブロード・アロー・オークションのベルギー&オランダ担当責任者を務めるグレゴリー・トゥイテンズは、次のように付け加えた。
「プレグンタはスーパーカー史における驚異的な逸品です。そして、サンタアガタのランボルギーニ・ミュージアムで展示を終えたばかりという、ヒストリーも持っています。その希少価値はさらに高まったと言えるでしょう。オークションは、かなりの激戦となることが予想されています」
