Ferrari 512 S

フェラーリ初勝利を記録した512 S

オープン以来、数々の耐久レースの舞台となってきた富士スピードウェイ。写真は1970年の富士200マイル、バンクを駆け抜けるフェラーリ 512 S。
オープン以来、数々の耐久レースの舞台となってきた富士スピードウェイ。写真は1970年の富士200マイル、バンクを駆け抜けるフェラーリ 512 S。

富士スピードウェイは全長4.563km、17のコーナーを備える日本を代表する国際サーキットだ。トヨタのホームコースである富士は1965年の開業以来、多くの耐久レースの舞台となってきた。現在のフォーマットでWECが開催されてからは、2021年を除く全シーズンで富士でのレースが行われている。

WEC開催以前から、富士はスポーツプロトタイプによる耐久レースの舞台として長く名を馳せてきた。1967年から1990年代初頭にかけて開催された「富士1000マイル」や、国際シーズンの締めくくりとして行われた招待レースの「富士200マイル」は高い人気を集めた。

1970年の富士200マイルでは、ジャンピエロ・モレッティとコラード・マンフレディーニが、スクーデリア・ピッキオ・ロッソにペイントされた「512 S」をドライブ。日本メーカーやポルシェなど、多くのライバルを抑えてトップフィニッシュを果たした。これは日本における、フェラーリの初勝利となった。

グループ5プロトタイプレーシングカーの512 Sは1969年後半に開発された。最高出力550PSを発揮する5.0リッターV型12気筒自然吸気エンジンをリヤミッドに搭載し、1970年シーズンは、デイトナ24時間とモンツァ1000kmで3位表彰台、イグナシオ・ジュンティ、ニーノ・バカレッラ、マリオ・アンドレッティのトリオが、セブリング12時間レースを制している。

シーズン5勝目を狙うフェラーリ499P

今シーズン、序盤から強さを発揮してきたフェラーリは、3台すべてが勝利を経験。WECでは勝利経験のない富士で、シーズン5勝目を狙う。
今シーズン、序盤から強さを発揮してきたフェラーリは、3台すべてが勝利を経験。WECでは勝利経験のない富士で、シーズン5勝目を狙う。

2023年シーズンにWECデビューを飾った499Pは、富士6時間レースにおいて、50号車(アントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン)が4位、51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィ)が5位に入った。2024年は50号車が9位、83号車(ロバート・クビサ、ロバート・シュワルツマン、イェ・イーフェイ)が12位、51号車はリタイアに終わっている。

2025年シーズンは、ここまで51号車が2勝、50号車が1勝、83号車が1勝と、フェラーリ勢が4勝を獲得。マニュファクチャラーズ選手権では203ポイントを獲得し、2番手のポルシェに60ポイント以上の大差をつけて独走体制を築く。ドライバーズ選手権では51号車のクルーが115ポイントで1位、83号車が100ポイントで2番手、50号車が75ポイントで4番手につけている。

フェラーリはWECのGTカテゴリーにおいては、富士で7度のクラス優勝を達成。直近では2023年に488 GTE、2024年に296 LMGT3が勝利を持ち帰った。

フェラーリAFコルセの51号車が、WEC第3戦スパ6時間レースにおいて、見事勝利を飾った。

WEC第3戦スパ6時間で「フェラーリ 499P」が1-2フィニッシュで3連勝を達成「3位はアルピーヌ」【動画】

5月10日、2025年シーズン世界耐久選手権(WEC)第3戦「スパ・フランコルシャン6時間レース」決勝レースが行われ、フェラーリAFコルセの「フェラーリ 499P」51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィ)がシーズン2勝目を達成した。2位に同じくフェラーリ 499Pの50号車、3位にアルピーヌ・エンデュランス・チームの「アルピーヌ A424」36号車が入っている。