NISSAN GT-R Pure edition
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Mercedes-AMG GT 63 4MATIC+ Coupe
ついに生産が終了したR35 GT-R


AMG GT 63


2025年8月26日、日産自動車は栃木工場において、R35 GT-R最終号車の生産完了を発表した。日本を代表するスポーツカーとして、世界的な人気を集めてきた現行GT-Rが、ついにその使命を終えたことになる。今回、マルチシリンダーターボエンジン+全輪駆動というパッケージが与えられた「メルセデス AMG GT 63 4MATIC+ クーペ」とスペックを比較する。
GT-RはR35から「スカイライン」のネーミングが外されたものの、R31から続くスカイラインらしいエクステリアを継承。メルセデス AMG GT 63は、AMGをアピールする縦型ルーバー付きパナメリカーナグリルを備え、古典的なロングノーズ&ショートデッキスタイルを持つ。ボディサイズはほぼ変わらないが、ホイールベースはGT-Rが80mm長く、重量はAMG GT 63が180kg重い。
日産 GT-R Pure edition
ボディサイズ=全長4710×全幅1895×全高1370mm
ホイールベース=2780mm
車両重量=1760kg
タイヤサイズ=255/40ZRF20(前)、285/35ZRF20(後)
メルセデス AMG GT 63 4MATIC+ クーペ
ボディサイズ=全長4730×全幅1985×全高1355mm
ホイールベース=2700mm
車両重量=1940kg
タイヤサイズ=295/30R21(前)、305/30R21(後)
熟成を重ねてきた名機「VR38DETT」




GT-Rは、日産が誇る3.8リッターV型6気筒「VR38DETT」ツインターボエンジンを搭載。デビュー当初480PSだった最高出力は、改良を重ねて標準モデルが570PS、ハイパフォーマンス仕様の「GT-R NISMO」は600PSを発揮する。4.0リッターV型8気筒ツインターボが奢られるAMG GT 63は最高出力585PS。最大トルクはGT-Rの637Nmに対し、排気量の大きいAMG GT 63は800Nmに達している。0-100km/h加速は同タイム、最高速はAMG GT 63が10km/h上まわった。
日産 GT-R Pure edition
エンジン形式=V型6気筒ツインターボ
排気量=3799cc
最高出力=570PS/6800rpm
最大トルク=637Nm/3300〜5800rpm
トランスミッション=6速DCT
駆動方式=AWD
最高速度=305km/h
0-100km/h加速=3.2秒
メルセデス AMG GT 63 4MATIC+ クーペ
エンジン形式=V型8気筒ツインターボ
排気量=3982cc
最高出力=585PS/5500-6500rpm
最大トルク=800Nm/2500-5000rpm
トランスミッション=9速AT
駆動方式=AWD
最高速度=315km/h
0-100km/k加速=3.2秒
日産の歴史を作ってきた「GT-R」の価値




時間をかけてアップデートを繰り返してきたとはいえ、7インチ液晶メーターと7インチセンターディスプレイが配置されたGT-Rのコクピットは、現代の基準に当てはめると、少々古さを感じさせる。それでもステアリングの中心に輝く「GT-R」のロゴは、ドライバーに特別な高揚感をもたらしてくれるだろう。
メルセデス AMG GT 63は、縦型の11.9インチセンターディスプレイを中心に、クローム類をふんだんに使った、AMGモデルらしいラグジュアリーなインテリアが誂えられた。1300万円を超える価格差は、特に室内空間の質感に顕著だ。
「モータースポーツ」をターゲットに、日産の歴史を作ってきたGT-Rは、スペックや装備だけでは計り知れない“物語”を備えている。今後の中古車価格がどのように推移するかは不透明だが、おそらく最後のピュアICE搭載モデルとなるR35 GT-Rは、新車価格を大きく超える可能性を秘めていると言えるだろう。
車両本体価格
日産 GT-R Pure edition 1444万3000円
メルセデス AMG GT 63 4MATIC+ クーペ 2752万円


