フェラーリ製ハイブリッドの進化の歩幅を最新849テスタロッサと先代SF90ストラダーレの違いではかる

Ferrari 849 Testarossa
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Ferrari SF90 Stradale

1970年代のレーシングプロトをオマージュ

早くも日本で導入が発表されたフェラーリのフラッグシップスーパースポーツ「849 テスタロッサ」。初の量産PHEVとして投入された「SF90 ストラダーレ」の後継モデルに、フェラーリはレース用エンジンの赤いカムカバーに由来する「テスタロッサ」の名前をチョイスした。

849 テスタロッサのエクステリアは、12チリンドリやF80に続き、ブラックバンドがヘッドライトユニットを覆う、フェラーリの最新デザインを導入。リヤセクションには、1970年代のスポーツプロトタイプ「512S」をオマージュしたツインテールと可動式リヤウイングが組み込まれた。さらに、クーリング性能の最適化とダウンフォース増加を目的に、サイドセクションの形状も大幅に変更されている。

グラマラスなSF90から一変、より直線的な印象に生まれ変わった849 テスタロッサだが、ホイールベースは変わらず、全長は8mmの延長に留まった。様々なコンポーネントがアップデートされているが、パワーユニットを含む広範囲にわたる軽量化により、SF90と変わらない車両重量1570kgを実現している。

フェラーリ 849 テスタロッサ

ボディサイズ＝全長4718mm×全幅2304mm（ミラー込み）×全高1225mm
ホイールベース＝2650mm
車両重量＝1570kg
タイヤサイズ＝265/35R20（前）、325/30R20（後）

フェラーリ SF90 ストラダーレ

ボディサイズ＝全長4710mm×全幅1972mm×全高1186mm
ホイールベース＝2650mm
車両重量＝1570kg
タイヤサイズ＝ 255/35ZR20（前）、315/30ZR20（後）

4.0リッターV8ツインターボを広範囲にアップデート

849 テスタロッサのリヤミッドに搭載される4.0リッターV型8気筒ツインターボは、シリンダーヘッド、エンジンブロック、エキゾーストマニホールド、吸気プレナム、チタン製ポルト、バルブトレインシステムなどを改良。エンジン単体でSF90から50PSのパワーアップを果たし、最高出力830PSを達成する。プラグインハイブリッドシステムは、フロントに2基、リヤに1基のモーターを配置し、モーターのみで220PSの出力を実現。システム最高出力は驚異の1050PSに達する。

最高速は10km/hほど抑えられたものの、0-100km/h加速はSF90を0.2秒も凌ぐ。リチウムイオンバッテリーの容量はSF90と変わらず7.45kWh、EVモードでの航続距離はSF90と同じく25kmが確保された。

フェラーリ 849 テスタロッサ

エンジン形式＝V型8気筒ツインターボ
排気量＝3990cc
最高出力＝830PS/7500rpm
最大トルク＝842Nm/6500rpm
モーター出力＝220PS
最高システム出力＝1050PS
トランスミッション＝8速F1 DCT
駆動方式＝AWD
最高速度＝330km/h
0-100km/h加速＝2.3秒

フェラーリ SF90 ストラダーレ

エンジン形式＝V型8気筒ツインターボ+ハイブリッド
排気量＝3990cc
最高出力＝780PS/7500rpm
最大トルク＝800Nm/6000rpm
モーター出力＝220PS
トランスミッション＝8速F1 DCT
駆動方式＝AWD
最高速度＝340km/h
0-100km/h加速＝2.5秒

SF90から約1000万円の価格アップ

コクピットのデザインもSF90から大きく手が加えられた。センターコンソールに大型ディスプレイを配置せず、水平基調のダッシュボード上部と下部の間に、メインコントロールとパッセンジャースクリーンを一体化したバンドを設置。ダッシュボード下部は船舶の帆をモチーフにしたトリムが追加され、ここにシフトゲートが浮遊するように配置される。

先日、フェラーリ・ジャパンは、849 テスタロッサの日本国内価格を発表。SF90から1000万以上も引き上げられ、6465万円というプライスタグが掲げられた。

「テスタロッサ」というアイコニックなネーミングを復活させたことからも、フェラーリがこのモデルをどれほど重視しているかが理解できる。フルモデルチェンジを思わせる内外装の刷新、パワーユニットだけでなく、シャシーやエアロダイナミクス、クーリング性能もアップデートされていることを考えれば、この価格にも納得と言ったところだろうか。

車両本体価格

フェラーリ 849 テスタロッサ　6465万円
フェラーリ SF90 ストラダーレ　5340万円（新車当時）

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