WEC

確実にポイントを積み重ねられる好位置

富士スピードウェイで開催されるFIA WEC(世界耐久選手権)第7戦「富士6時間」は、WEC100戦目のメモリアルレースである。今シーズン、フェラーリは51号車が2勝、50号車が1勝、83号車が1勝と4勝を挙げており、マニュファクチャラーズ選手権では203ポイントを獲得し、2番手のポルシェに65ポイント差をつけてリードしている。さらにドライバーズ選手権でも51号車のクルーが115ポイントで1位、83号車が100ポイントで2番手、50号車が75ポイントで4番手につけている。

9月27日、ドライコンディション、気温24℃、路面温度31℃の中で予選が行われ、51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィ)は、アントニオ・ジョビナッツィがステアリングを握り、6位を獲得。確実にポイントを積み重ねられる好位置を得たジョビナッツィは「フリー走行での苦戦を考えればポジティブな結果だ。これが現状で出せるベスト。決勝のロングランペースは一発タイムより良いので、ポイント確保とさらに上のポジションを狙っていく」と前向きに語った。

節目のレースでポールポジションを獲得したのは「キャデラック V-シリーズ.R」。キャデラック・ハーツ・チーム・ジョタの12号車のアレックス・リンが素晴らしいタイムを叩き出した。キャデラックは今季3度目となるフロントロウ独占を達成した。WECの記念すべき100回目のポールポジション獲得者となったリンには、特製ヘルメットが贈呈された。3番手には、アストンマーティン・ヴァルキリーを駆るマルコ・ソーレンセンが入り、同モデルとしてはWEC参戦以来ベストとなる予選結果を残した。

大詰めのチャンピオンシップ争い

一方、カスタマーチームのAFコルセ83号車(ロバート・クビサ、イェ・イーフェイ、フィル・ハンソン)は10番グリッドを獲得したものの、50号車(アントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン)は15番手にとどまった。

ステアリングを握ったフォコは「厳しい予選になると覚悟していたが、その通りだった。ハイパーポールには完璧なラップとトラフィック運が必要だったが、両方欠けていた。最後のアタックで小さなミスもあり悔しい。決勝は難しい展開になるだろうが、順位を上げてチャンピオンシップに貢献するポイントを獲得したい」と決勝での挽回を誓った。

6時間にわたる決勝レースは明日9月28日午前11時にスタートする。ドライコンディションが予想される中、フェラーリ勢がチャンピオンシップ争いを有利に進めるために、どこまで順位を上げられるか注目される。

PHOTO/Ferrari S.p.A.

フェラーリ悲願のチャンピオン獲得なるか? WEC第7戦富士6時間の練習走行直前に聞いた課題

全8戦で争われる今シーズンのFIA WEC(世界耐久選手権)。ドライバーズ、マニュファクチャラーズともにポイントリーダーとして第7戦富士6時間の開催される日本にやって来たフェラーリ。WEC100戦目という記念すべき大会でもあるこの富士で悲願達成なるか?