前週に発表された注目のネタを一気に紹介する「バイクス週間ニュースダイジェスト」。今回は2025年9月22日〜28日に発表されたニュースを紹介する。

短距離移動需要に応える、新しい電動モビリティ「MU」の特長と展望

パナソニック サイクルテックは2025年12月上旬、初の特定小型原動機付自転車「MU(エムユー)」を発売する。この製品は、ペダルを漕がずにモーターだけで走行可能な“免許不要”の電動モビリティとして設計されており、都市部を中心とした短距離移動の利便性を大きく変える可能性を秘めている。

近年、通勤・通学、買い物、観光などのシーンで、電動アシスト自転車に加えて、より手軽に運転できるモビリティのニーズが拡大している。この潮流を受け、パナソニックは自転車メーカーとしての設計ノウハウを活かしつつ、乗降性・操作性・安全性を重視した車体設計に挑んだ。MUは着座式構造と自転車用タイヤを採用し、路面の起伏や段差に強い構造を実現。足をつく機会が多いことを想定し、またぎやすいU字フレームを採用し、身長や用途に応じてシート高を調整できるように配慮されている。また、歩道モード(最高速度6 km/h)を備えることで、歩道通行可能な特例を満たす仕様にも対応。起動時は自動的に歩道モードとなり、その後停止して切り替えることで車道モード(最高速度20 km/h)へ移行する。

バッテリーは電動アシスト自転車と共通仕様とし、取り外して室内で充電できる設計とした。また急速充電に対応し、実用性を確保。出力は250 Wで、1充電あたりの走行距離は約40 kmを想定している。車体重量は約24 kg、全長1,610 mm、全幅585 mm。カラーバリエーションはパールジェムホワイト/ナチュラルブラック、シャインライトグリーン/ナチュラルブラック、マットソイルベージュ/マットジェットブラックの3種を用意する。希望小売価格(税込み)は23万4000円。

安全性でも妥協はない。国土交通省が定める特定小型原動機付自転車の保安基準に適合させると同時に、独自の品質試験を実施。フレームへの繰り返し荷重試験、ブレーキ性能試験、塩水噴霧による耐食性試験などを通じて耐久性と信頼性を追求した。また、加速度センサーを搭載し坂道での出力制御を実現する仕組みも備える。

購入後のサポートにも力を入れている。本体は1年保証、フレーム・フロントフォークおよび駆動ユニットは3年保証。バッテリー登録を行えば3年間のバッテリー保証が受けられ、さらにオプションで保証延長サービス「フタメグリ」、バッテリー盗難補償「サキゾナエ」、故障時搬送サービス「スグマイル」が用意されている。購入から3年以内の盗難には優遇制度を適用し、車体価格の30%および組立手数料を支払うことで同タイプの新車を入手できる制度も設けられた。

MUは、最高速度20 km/h以下、車体寸法・出力などの条件を満たす“特定小型原動機付自転車”に分類される。運転免許は不要だが、16歳以上であること、自賠責保険加入、ナンバープレート装着などの義務がある点は注意すべき。ただし特例特定小型原動機付自転車として歩道通行が認められる仕様を備えている点も特長といえる。

今後、パナソニックは「世界中の人々が青空の下へ走りだせる未来を創造する」という使命を掲げ、MUを起点に環境と利便性を両立した新たなサイクルモビリティの価値提案を進めていく。また、モビリティの多様化と安全確保を両立する社会を見据え、「サイクルモビリティ安全運動 まちと、のること。」という安全啓発活動も展開し、電動アシスト自転車に加え特定小型原動機付自転車を対象に交通ルールの普及を図る計画を明らかにしている。

トライアンフ、2026年型モトクロス新車「TF 450-X」を発表

トライアンフモーターサイクルズジャパンは、2026年モデルとして「新型TF 450-X」を発表した。450 cc 単気筒エンジンは最高出力62.4PS/9,500rpmを達成し、車重108.3kgで高いパワーウェイトレシオを実現。レース用途を想定したExedy製クラッチハブ、新設計クラッチスプリング、新型ギアボックス/セレクターを装備。シャシー設計も見直され、アルミ製スパインフレームやハイドロフォームスイングアーム、最適化されたリンク構造で軽快なハンドリングを追求した。ブレーキにはBrembo、サスペンションにはKYBを採用し、電子制御としてローンチコントロール、トラクションコントロール、クイックシフター、デュアルエンジンマップ等を標準装備。全国のモトクロス専門正規ディーラーにて、税込価格1,239,000円で9月24日より販売開始となる。 

免許不要でこがない未来型バイク「FUTURE SMART MINI」登場

Future株式会社が、16歳以上で免許不要という特定小型原動機付自転車区分に属する折りたたみ式電動モビリティ「FUTURE SMART MINI」を発表。ペダルを漕がず手元のスロットル操作のみで走行可能な設計とし、最大航続距離は約100km。モーターには高トルク仕様を採用し、最大30度の上り坂にも対応。走行モード切替機能により、車道モードと歩道モードを使い分け可能なほか、アクティブサスペンション搭載で快適な乗り心地も追求。折りたたみサイズは83×57cm、車体重量は約23kgで、車載や収納を念頭に設計されている。販売は応援購入サイト「Makuake」にて先行開始され、限定特典付き。

HSR九州で「2りんかん祭りKyushu」、ライダーの祭典再び

オートバイ用品店チェーンを展開する株式会社2りんかんイエローハットは、2025年11月8日に熊本県のHSR九州サーキットで「グッドスマイルミーティング 2りんかん祭りKyushu」を開催する。バイク用品・パーツメーカーが多数出展し、著名ライダーやYouTuberを招いたステージイベント、子ども用バイク試乗体験、フードトラックなど、多彩な催しを展開。来場3,000名限定の記念品配布もあり、家族連れも楽しめる催しとして企画されている。九州での開催は今回で3回目、関東・関西などでのこれまでの「2りんかん祭り」と合わせ、ライダーコミュニティの交流と賑わいを再び呼び起こす場を目指す。

「バリバリ伝説」グラフィックTシャツ、成田空港で販売開始

バイク青春漫画の金字塔『バリバリ伝説』が、講談社公認ライセンス商品としてグラフィックTシャツになり、ノリモノ雑貨ブランドCAMSHOP.JPより登場。成田空港ターミナル2の出国口「秋葉原PLUS」などで販売を開始し、オンラインでも購入可能となる。素材には通気性と肌触りに優れた100%コットンを使用、5.6オンスのヘビーウエイト仕様で丈夫さと着心地を両立。原作の持つ熱量を生かしたプリントデザインは、ファンだけでなく新たな層にも向けた表現を採用。今後複数のデザイン展開も予定されており、ストリート寄りからアート寄りまで幅広いスタイルで展開される。

エヴァンゲリオンレーシング×レンタル819、コラボバイク貸出開始

レンタルバイクサービス「レンタル819」を運営する株式会社キズキレンタルサービスは、モータースポーツチーム「エヴァンゲリオンレーシング」とコラボしたラッピングバイクを、2025年10月4日から「レンタル819お台場」で限定レンタルを開始する。ラインナップは初号機(YAMAHA YZF-R7)、2号機(KAWASAKI Ninja250)、零号機(HONDA CBR250RR)の3モデル。予約受付は9月25日11:00から11月30日まで、利用期間は10月4日〜11月30日と設定されている。27日にはお台場で実車アンベールを実施予定。アニメとバイクを融合させた特別体験を、国内外のファンに提供する施策である。

バイカーズ・ドリーム、東日本で初めてポラリス3領域取り扱う正規ディーラーに

長野県長野市を拠点とする有限会社B・D(バイカーズ・ドリーム)は、これまで取り扱ってきたインディアンモーターサイクルとスノーモービルに加え、オフロード・レジャー車両(ORV)も新たに扱うことにより、「インディアンモーターサイクル」「ポラリス スノーモービル」「ポラリス ORV」の3分野を網羅する東日本唯一の正規ディーラーとなる。9月27日には「インディアンモーターサイクル長野」を新たにオープンし、来店客には記念キーホルダーを配布。また成約特典も用意する。新ショールームには最新モデルからクラシック、パーツ・アパレルまで展示され、2階にはビリヤードやグランドピアノを備えたラウンジを併設。整備工場も同敷地内に完備し、複数台の整備対応と純正パーツ提供による正規ディーラー品質のサービスを提供する。ポラリスの「屋外で遊び/働く人へ新たな可能性を」へのミッションと同社の方向性が一致した形での展開である。  

代官山蔦屋書店、クルマ・バイク文化融合のマーケット「YOUR MARKET」開催

代官山蔦屋書店が10月4日・5日の2日間、「YOUR MARKET(ユアマーケット)」を初開催。クルマ・バイクを軸に、ファッション・アート・ライフスタイル雑貨まで幅広いジャンルが交差する場を演出する。国内外の個性派ブランド・ショップ17店が出店し、クルマ・バイク関連グッズをはじめ、カスタム車両の展示も展開。運営側は「大人の“本能”と“衝動”を呼び覚ますマーケット」を目指し、「少年の心を取り戻す場」として来場者に非日常の体験を提供することを志す。イベントは代官山T-SITEにて11:00〜18:00実施、入場無料、雨天決行。

伊勢志摩スカイライン貸切「クラシック&原付・スペシャルバイク走行撮影会」開催

おかげ参りツーリングラリー2025のスペシャルイベントとして、11月16日(日)に伊勢志摩スカイラインを貸切り、「クラシック&原付・スペシャルバイク走行撮影会」を実施。通常公道を走れないクラシック車両や原付(100cc以上推奨)、スペシャルバイクを対象に、絶景を背景とした走行シーンをプロのカメラマンが撮影。参加は事前エントリー制で、参加費は1万円。定員は30台、受付は11月2日までまたは定員到達時点で締切る。走行コースは鳥羽側ゲート発→山頂往復約17kmを2回走行。撮影された写真は参加者に配布され、Clubman誌2026年3月号への掲載や販売も予定。先導役には元GPライダー・八代俊二氏が務める。

ロイヤルエンフィールド、世界同日「One Ride 2025」で4万人超が参加

ロイヤルエンフィールドの世界規模ライドイベント「One Ride 2025」が9月21日に開催され、60カ国以上で1,500を超えるコミュニティが集い、4万人以上のファンが参加した。午前の東端の日の出とともにスタートし、西端の夕暮れまで世界の全タイムゾーンを跨ぐ形で実施された。日本国内では北海道から九州まで13エリアでライドイベントを展開し、各地のライダーたちがブランドの理念「Pure Motorcycling(ピュア・モーターサイクリング)」を共有した。ロイヤルエンフィールドは、1901年創業の伝統を持ちつつ、インドを拠点にグローバル展開を進める二輪ブランドであり、今回のOne Rideはグローバルコミュニティの結束を象徴する取り組みである。 

ブレイズ、京都スマートシティエキスポ2025出展で電動モビリティ勢揃い

電動モビリティメーカーの株式会社ブレイズは、10月2日・3日に京都・けいはんなにて開催される「京都スマートシティエキスポ2025」に全面出展する。ブレイズは、都市交通のアップデートを掲げ、電動アシスト自転車「スタイル e-バイク」、折りたたみ特定原付電動バイク「スマートEV」、電動キックボード、EVスクーター、屋根付き三輪電動スクーター「EVデリバリー」、さらには4輪のレトロ調ミニ電動車「EVクラシック」まで多彩な車両をブースに並べる。来場者は事前申込で各車両の試乗も可能。場所はモビリティコーナー2階・ブース番号204。最先端の電動モビリティを実際に体験できる機会として、ブレイズは次世代の移動手段を来場者に打ち出す予定である。

NEOPASA浜松下りで「秋フェスタ2025」開催、バイク体験から特産品まで

中日本エクシス遠州支店は10月4日、新東名高速道路のNEOPASA浜松(下り)で「秋フェスタ2025」を開催する。ヤマハ発動機による親子バイク教室やエンジン始動体験、デイトナのスマートモニター展示説明、浜松市による「バイクのふるさと浜松」PRや農林水産物紹介など、地域とモビリティを結ぶ催しが並ぶ。屋外では特産品販売やキッチンカーのグルメも楽しめ、NEXCO中日本の黄色い道路巡回車の展示や乗車体験も実施。さらに浜松市のマスコット「出世大名家康くん」とNEXCO中日本キャラクター「みちまるくん」が登場し、来場者とのふれあいを盛り上げる。地域の魅力を体感できる一日として、NEOPASA浜松下りが賑わいの舞台となる。

電源・水源不要の折りたたみ式電動洗車バケツ、MAXWINが発売

カー用品ブランドMAXWIN(昌騰有限会社/大阪府)は、電源も水道も不要でどこでも洗車可能な折りたたみ式電動洗車バケツ「G-MSWH01-SET1」を発表。充電式で、満充電時は約30〜35分の連続使用が可能。12L容量のタンクとキャスター付きバケツ本体を備え、ノズルやブラシ、スポンジなど洗車用アタッチメントも付属。折りたたむと厚さ約13.5cmと収納性に優れ、重量は約2.1kg。IPX4防水性能、最大吐出圧力0.5MPa、最大2L/分の吐出水量、温水対応(最大40℃)などの仕様を備える。キャンプ・屋外・非常時にも使える洗車ギアとして提案され、Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングなどで販売開始。

トライアンフ、ROCKET 3 STORM Rを1か月無料で試せるモニターキャンペーン実施

トライアンフモーターサイクルズジャパンは「ROCKET 3 STORM R モニターキャンペーン」を9月26日から10月26日まで実施。応募者から抽選で1名に、同モデルを30日間無償貸与する。貸出期間は11月8日〜16日のうち希望日に開始。貸与中のガソリン代や高速料金などの消耗費用は当選者負担とし、保険・返却義務・使用制限等の規定を定めて運用。大型バイクの体験機会を提供し、新たなファン層の獲得を狙う。

銀のさら、運転免許不要の電動原付で配達員募集の門戸拡大

株式会社ライドオンエクスプレスホールディングスは、宅配寿司サービス「銀のさら」の一部店舗で、運転免許不要・16歳から運転可能な特定小型原動機付自転車(特定小型原付)を配達手段に導入していると発表。応募ハードルを下げ、女性・高齢者・外国籍の潜在的人材を取り込み、配達人材の多様化を図るのが狙いだ。導入済み店舗に続き、2025年9月から都内2店舗で特定小型原付専用配達員の募集を開始。既存のバイク配達・電動自転車配達に加え、中~遠距離の配達を可能にする新たな選択肢として同方式を位置付け、安全教育・法令遵守の研修制度も整備。都市部を中心に順次導入拡大を見込む。