最新プラットフォームを使うCセグメントのSUV
8年ぶりに全面改良を受けた3代目3008は、ステランティスの新開発プラットフォーム「ステラ・ミディアム」を初採用した。CセグからDセグメント級の車体で、ハッチバックなどの乗用車、SUVやクロスオーバー、電動化に対応。ステランティスでは、4つのグローバルEVプラットフォームを展開すると発表済みで、ステラ・ミディアムは第1弾になる。新型にもハイブリッドとEVの「E-3008」が用意され、後者は年内の発売予定だ。
新型は先代よりも115㎜長く、55㎜ワイドになり、35㎜高くなった。ホイールベースも55㎜伸張され、最新世代のフラッグシップにふさわしい堂々たる体躯になった。逆に最小回転半径は5.4mと、先代の5.6mから小さくして、取り回しにも配慮している。荷室容量は、先代と同等レベルの通常時約520Lで、荷室ボードを下段にすると約588Lまで広がる。最大時は1480L。
外観は、フレームレスで格子状のフロントグリルとライオンの爪を模したLEDデイタイムランニングライトなどからなる顔つきが目を惹く。立体造形の3本LEDヤコンビランプを備える後ろ姿は、力強さと鋭角なラインが印象的なリヤバンパーと相まって、精緻で先進的なオーラを漂わせている。「YARI」と命名されたスタイリッシュな19インチアルミホイールが標準になり、足元を引き締めている。
先代の内装は、「アイコクピット」と呼ぶ独特な設計を採用。小径ステアリングの上からのぞくようなメーターやトグルスイッチが並ぶユニークなインパネで、新型では21インチのパノラミックスクリーンを融合させた「パノラミック・アイコックピット」を謳う。未来的なフローティングデザインを採用するとともに、インパネ中央にカスタマイズ可能な「アイトグル」を配置。エアコンやナビなどの使用頻度の高い機能に素早くアクセスできるようになったのも朗報。
ハイブリッドは、ミラーサイクル化された1.2Lターボエンジンと6速デュアルクラッチトランスミッション、ベルトスターターとモーター&ジェネレーター、48Vバッテリーを組み合わせている。システム最高出力は145㎰で、街中(WLTC走行サイクル)では、約50%をEV走行でまかなえる。なお筆者は、同じパワートレーンを積むフィアット600ハイブリッドやアルファロメオ・ジュニアなどでも街中の低速域を中心に完全にモーター走行になることを確認済みだ。燃料はプレミアムガソリンになるが、19.4㎞/LのWLTCモード燃費も美点で、輸入車のCセグメントSUVで唯一(7月2日の発表時点)、環境性能割1%の対象になっている。
装備では、衝突被害軽減ブレーキやストップ&ゴー付アダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシストなどを全車に標準化。上級の「GT」は、マトリックスLEDヘッドランプやステアリングヒーター、ヒーター付ファブリック/レザーシート、電動テールゲートなどを標準装備。「アリュール」も先進安全装備はほぼ同等といえる充実ぶりだ。










主要諸元(PEUGEOT 3008 GT アルカンタラパッケージ Hybrid)
●全長×全幅×全高:4565×1895×1665mm●ホイールベース:2730mm●車両重量:1620kg●エンジン:1199cc・直列3気筒ガソリンターボ●エンジン最高出力:100kW(136PS)/5500rpm●エンジン最大トルク:230Nm/1750rpm●モーター最高出力:16kW(22PS)/4264rpm●モーター最大トルク:51Nm/750-2499rpm●駆動方式:前輪駆動●サスペンション(前/後):マクファーソンストラット/トーションビーム●ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ディスク●タイヤ:225/55R19
▶︎PEUGEOT 3008 Allure Hybrid:489万円
▶︎PEUGEOT 3008 GT Hybrid:540万円
▶︎PEUGEOT 3008 GT アルカンタラパッケージ Hybrid:558万円
※EVの「E-3008」は2025年内の発売予定
STYLE WAGON(スタイルワゴン) 2025年10月号 No.358 より


