



LEDライトで先進性を強調した新デザイン

アドレス125の2025年モデルは、フロントフェイスを一新し都会的なスタイルへと進化した。LEDヘッドランプを新たに採用することで夜間の視認性が向上し、先進感のある光の演出が日常の移動に彩りを添える。U字型の発光パターンを持つLEDテールランプも採用され、リヤ周りもすっきりとまとめられた。流れるようなボディ形状と相まって、全体の造形美が格段に向上している。
ヘッドライト下部のポジションランプもU字に発光し、より洗練されたイメージを演出。コンパクトなボディながら存在感のある外観となった。
実用性を徹底追求した収納と装備

新型アドレス125は実用面でも大きく進化している。シート下収納は従来の21.8ℓから24.4ℓへと2.6ℓ拡大され、エンジンマウントブラケットの変更によって実現した容量アップである。燃料タンクも5.0ℓから5.3ℓへと増量され、航続距離の延長に貢献する。
フロントポケットは従来の左側に加えて右側にも新設され、デュアルタイプとなった。500mlのペットボトルや手回り品の収納が可能で、移動時の快適性が向上している。従来から備わるコンビニフックも2つ継続採用され、日常使いの利便性を追求した設計だ。
リヤキャリア標準装備で積載性向上

耐荷重6kgのリヤキャリアが標準装備となったのも注目すべき変更点である。トップケースの装着が容易になるだけでなく、グラブバー付きのバックレスト的な形状によってタンデム走行時の安心感も増している。
給油口周りにも大きな変更が加えられた。従来は車両後端にフューエルキャップが露出していたが、新型ではメインキーで操作可能なフューエルリッドを採用。座ったまま給油ができるようになり、利便性と高級感が同時に向上した。
SEPエンジンを大幅刷新で走行性能アップ

パワートレインは、燃焼効率が高くフリクションロスを低減するSEP(スズキ・エコ・パフォーマンス)エンジンをベースに大幅な改良が施された。カムシャフトのプロファイル変更や燃焼室形状の変更、駆動系のセッティング見直しなどが実施され、スムーズな加速性能と高い燃費性能を両立している。
WMTCモード値で53.4km/ℓの燃費性能を実現し、通勤や買い物といった日常使いでの経済性に優れる。最高出力は8.4ps/6500rpm、最大トルクは9.8Nm/5000rpmを発揮する。
エンジン始動方式を常時噛合い式とすることで、始動時の静粛性が大幅に向上した。先代から好評のキックスターターも継続採用され、万が一のバッテリー上がりにも対応できる安心設計だ。
新設計フレームで軽快なハンドリング実現

車体構造にも手が加えられ、新設計のフレームは軽量化とともに剛性バランスを最適化した。軽快なハンドリングと安定感を両立し、取り回しのしやすさはそのままに走りの質感が一段と高まっている。車重は108kgに抑えられ、シート高は770mmと足つき性も良好だ。
ブレーキロックレバーも継続採用され、リヤブレーキをかけっぱなしにできる機能は停車時の利便性を高める。アナログな機構だが実用性の高い、スズキらしい細かな気配りが随所に見られる設計である。
わずか6600円アップの驚きのコストパフォーマンス
これだけの変更が加えられながら、価格はわずか6600円アップの28万500円(従来27万3900円)に抑えられている。デザイン刷新、エンジン改良、収納拡大、装備充実と、あらゆる面で進化を遂げた新型アドレス125のコストパフォーマンスの高さは特筆に値する。
カラーバリエーションはソリッドアイスグリーン、パールグレイスホワイト、マットステラブルーメタリック、マットブラックメタリックの4色を用意。発売から約3年でのリニューアルとなった2025年モデルは、通勤や買い物といった日常に寄り添う一台として、さらなる魅力を獲得している。
主要諸元
- 全長×全幅×全高:1880×690×1155mm
- シート高:770mm
- 車重:108kg
- エンジン:空冷4スト単気筒SOHC2バルブ・124cc
- 最高出力:8.4ps/6500rpm
- 最大トルク:9.8Nm/5000rpm
- 燃費(WMTCモード値):53.4km/ℓ
- 燃料タンク容量:5.3ℓ
- ブレーキ(前・後):ディスク・ドラム
- タイヤサイズ(前・後):90/90-12・90/100-10
- 価格:28万500円
