都会に映えるクラシックスタイル、新デザインで刷新

スズキは2025年9月10日より、新型スクーター「アドレス125」を日本市場で発売した。従来の「アドレス」シリーズが持つ親しみやすい丸みを帯びたデザインを継承しつつ、フロントポジションランプやリヤコンビネーションランプを新形状とし、クラシックとモダンを融合した造形に仕上げた。U字型に発光するランプ類や、立体的なエンブレムとメッキリムが上質さを強調する。滑らかな曲面と流麗なラインが織りなすフォルムは、街の風景に自然に溶け込みながらも存在感を放つ。

ボディは細部まで見直され、日常使いにおける快適性と実用性の両立を目指した。上質感を演出する意匠とともに、利便性を追求した設計が「アドレス」ブランドの新しい方向性を示している。

実用装備を徹底強化|フューエルリッド採用と収納拡大

新型アドレス125では、日常での使い勝手を大幅に高める装備が多数追加された。注目は、シートを開けずに給油できるフューエルリッド付き燃料タンクの採用で、利便性が格段に向上している。燃料タンク容量も従来の5.0Lから5.3Lへ拡大し、航続距離の向上にも寄与する。

また、シート下収納は21.8Lから24.4Lへと拡大され、ヘルメットや日用品を余裕をもって収納可能となった。さらに、デュアルフロントポケットやデュアルユーティリティフックを備え、買い物や通勤などのシーンでも高い実用性を発揮。広くフラットなフロアボードは足元の自由度を高め、二人乗りでも快適なシート形状とリアキャリアの標準装備により、タンデムライドにも対応する。

進化したSEPエンジン|静粛性とトルク向上を両立

動力源には、124cm³空冷2バルブ単気筒SOHCの「SEP(SUZUKI ECO PERFORMANCE)」エンジンを搭載。フリクションロスを低減しながら出力を維持する設計思想により、スムーズな加速と高燃費を両立している。WMTCモードでの燃費は53.4km/Lと、同クラスでトップクラスの効率を実現。

エンジン始動方式は常時噛み合い式に変更され、セル始動時のノイズを低減。始動時の静粛性が大幅に向上した。また、カムシャフトの改良によって低中速域のトルクを強化し、街乗りでの扱いやすさと坂道での力強い加速を両立。静かで軽やか、かつ力感のある走りを可能にしている。

このエンジンと新設計の軽量フレームが組み合わされ、取り回しやすさと安定した操縦性を兼備。都市部での細やかな走行や、駐輪時の扱いやすさにも配慮されたバランスの取れた設計となっている。

価格と販売計画|年間5,000台を目指す

メーカー希望小売価格は28万500円(税込)に設定され、手軽な維持費と高いコストパフォーマンスを両立。スズキはこのモデルで年間5,000台の販売を目標としており、都市型コミューター市場での競争力強化を狙う。

クラシックなデザインと現代的な機能性を融合した新型「アドレス125」は、通勤・通学から街乗りまで幅広いユーザー層を魅了する存在となるだろう。軽快なハンドリング、静かで滑らかなエンジン、そして実用装備の充実がもたらす日常性能。スズキが長年培ってきたスクーターデザインの集大成として、アドレスシリーズの新たな章を開く一台となった。

主要諸元

型式 8BJ-EN11J
全長 / 全幅 / 全高 1,880mm / 690mm / 1,155mm
軸間距離 / 最低地上高 1,260mm / 160mm
シート高 770mm
装備重量 108kg
燃料消費率 国土交通省届出値:定地燃費値 ※3 53.4km/L(60km/h)2名乗車時
WMTCモード値 53.4km/L(クラス1)1名乗車時
最小回転半径 2.0m
エンジン型式 / 弁方式 AF26・強制空冷・4サイクル・単気筒 / SOHC・2バルブ
総排気量 124cm3
最高出力 6.2kW〈8.4PS〉 / 6,500rpm
最大トルク 10N・m〈1.0 kgf・m〉 / 5,000rpm
燃料供給装置 フューエルインジェクションシステム
始動方式 キック・セルフ併用式
潤滑油容量 0.8L
燃料タンク容量 5.3L
クラッチ形式 乾式自動遠心シュータイプ
変速機形式 Vベルト無段変速
フレーム形式 アンダーボーン
ブレーキ形式(前 / 後) 油圧式シングルディスク / 機械式リーディング・トレーリング
タイヤサイズ(前 / 後) 90/90-12 44J / 90/100-10 53J
乗車定員 2名
排出ガス基準 平成32年(令和2年)国内排出ガス規制に対応

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