世界75台限定のアストンマーティンDB12Sが登場「最高出力700馬力と専用サスセッティング採用」
75台限定「アストンマーティン DB12 S」は2026年初頭にデリバリー
Aston Martin DB12 S
現行ラインナップ3番目の「S」モデル
アストンンマーティンは「DBX S」と「ヴァンテージ S」に続く「DB12 」Sをデビューさせた。ハイパフォーマンス仕様の末尾に「S」を付ける、アストンマーティンの伝統を受け継ぐ最新モデルだ。
“S”の伝統は、1953年に登場した公道走行可能なレーシングカー「DB3S」にまでさかのぼる。近年では2004年と2016年に発売された「ヴァンキッシュ S」の第1世代と第2世代、2011年と2013年のV8とV12の「ヴァンテージ S」、2013年に登場した4シーターの「ラピード S」が高い評価を受けている。アストンマーティンの車体性能担当ディレクターを務めるサイモン・ニュートンは、DB12 Sについて次のようにコメントした。
「DB12から導入した技術によって、このプラットフォームの車両特性とパフォーマンス向上をさらに幅広く行うことが可能になりました。DB12 Sでは車体性能を大幅に向上させ、ドライバーとの一体感を高める細かい変更を数多く導入しています」
「DB12 Sに、より高い動的特性と性能の幅を持たせたことで、スーパーツアラーの精神を新たな段階へと高められたと考えています」
700PSを発揮する4.0リッターV8ツインターボ
DB12 Sの心臓部には、DB12の4.0リッターV型8気筒ツインターボを進化させた専用パワーユニットを搭載する。ベースモデルから20PSの出力アップを果たし、最高出力700PS、最大トルク800Nmを発揮。最高速度は325km/h、0-60mph加速3.4秒を誇る。
排気系には新開発のエキゾーストシステムを導入。新しいクアッドテールパイプはステンレススチール製スポーツエキゾーストシステムに変更され、全回転域を通じてエンジン周波数を際立たせるようにチューニングされた。また、オプションのチタニウム製エキゾーストシステムは、サウンドを増幅して低音、中音、高音域のサウンドレベルをアップデート。また、ステンレススチール製システムに比べて11.7kgの軽量化も実現した。
パワートレインのキャリブレーション変更を受けて、ローンチコントロールも最適化。これにより、シフト時間が50%以上短縮された。スロットルペダルのキャリブレーション調整も行われ、ドライブバイワイヤの専用スロットルマップにより、よりダイレクトなペダルのフィールを楽しむことができる。
カーボンセラミックブレーキを搭載
シャシーの広範囲な強化により、敏捷感や一体感、精度感に加えて、ドライブフィールと安定性も大幅に向上した。ロールとピッチのコントロールの向上を図るため、ビルシュタイン製「DTX」ダンパーのソフトウェアを変更。剛性を高めたリヤのアンチロールバー、キャンバー、トー、キャスターのジオメトリ設定も最適化されている。
アストンマーティンのシャシーエンジニアは、ステアリングのキャリブレーション、リヤの電子制御ディファレンシャル「E-デフ」をチューニングし、より自然なフィーリングを実現。車両との一体感とレスポンスをさらに向上させた。コーナーの進入から脱出まで、より早いタイミングでスロットルを積極的に活用することで、高い敏捷性と操作性の完璧なバランスを達成している。
DB12 Sのアップデートで見逃せないのが、「カーボンセラミックブレーキ（CCB）」の標準装備。フロント直径410mm、リヤ360mmのCCBは、ブレーキ性能と熱容量の向上に加えて、バネ下重量を大幅な軽量化を果たした。スチール製ブレーキからバネ下重量が27kgも軽量化しており、乗り心地やステアリングフィール、ハンドリングの向上にもつながる。
今回、「インテグレーテッド・ブレーキ・スリップ・コントロール」と「インテグレーテッド・ビークル・コントロール」との連携を最適化する、次世代型「コーナーブレーキコントロール（CBC）」システムを搭載。CBCに搭載された予測機能により、コーナー進入時のブレーキングも最適な安定性が維持される。
レーシーな専用エクステリア
DB12 Sのフロントセクションには、専用フロントスプリッターと専用ボンネットルーバーが導入された。スプリッターはDB12 Sを低くワイドに見せながら、ダウンフォースレベルを向上。フロントのホイールアーチ内外のエアフローを安定させることで、ドラッグも抑制する。
標準がグロスブラック仕上げ、オプションとして「2×2ツイルカーボンファイバー」仕上げが用意されたボンネットルーバーは、4.0リッターV8エンジンの熱気排出をサポートし、アグレッシブなフロントセクションを引き締める効果を持つ。
サイドにはグロスブラックのシルを追加。新形状のフロントスプリッターからシームレスにつながり、低重心を強調する。専用の「S」バッジは、サイドストレーキのすぐ下のフェンダーに配置。ブライトクロームかダーククロームにレッドのガラスエナメルで仕上げられた、鍛造ハンドメイドの「S」バッジは、さりげなくパフォーマンスをアピールする。
リヤセクションには高速走行時にエアロダイナミクスレベルを向上させる固定式リヤスポイラーを装着。バンパー下部にレイアウトされたリヤディフューザーはリフトを抑制しつつも、2本ずつ縦に並べられた特徴的なテールパイプ用スペースを確保したレイアウトになっている。
レッド・アノダイズド仕上げのダイヤル
インテリアにも「S」バッジが配置され、ローレット加工された金属製ドライブモード用ロータリーダイヤルは、レッド・アノダイズド仕上げとなる。レッドカラーはシートベルト、シートのコントラストウェルト、コントラストステッチ、ヘッドレストの刺繍にも展開される。
16方向に調整可能なスポーツプラス電動フロントシートを標準装備、オプションでカーボンファイバー製パフォーマンスシートを選択することができる。アルカンターラ製ヒーテッド・スポーツ・ステアリングホイール、ヘッドレストのアストンマーティン・ウィングなど、魅力的なオプションも用意された。ヘッドレストのアストンマーティン・ウイングは業界初のエンボス加工とデボス加工により、最高レベルの精度と彫刻のような深みを実現した。
インテリアトリムは「アクセレレート・レザー＆アルカンターラ・トリム」「インスパイアS セミアニリンレザーとアルカンターラ」「インスパイアS フルセミアニリンレザー」の3種の中からチョイス可能。2つのインスパイアS・パッケージには、Sヘリンボーン・キルトとマイクロパーフォレーション、アルカンターラのヘッドライニングが含まれる。本邦における車両本体価格はクーペが3290万円、ヴォランテが3490万円とされる。
※2025年10月10日 車両本体価格を追記
