![by Motor-Fan BIKES [モーターファンバイクス]](https://motor-fan.jp/wp-content/uploads/2025/04/mf-bikes-logo.png){kind=logo}
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
2025年4月1日、原付一種に新たな区分「新基準原付」が“追加”。2025年11月以降、新基準原付モデルが登場予定
国内では2025年11月より、世界基準の新たな排出ガス規制が適用。これにより排ガス規制をクリアできない現行50cc以下の車両の生産は実質上、2025年10月末で終了となる。
年々厳しくなる排気ガス規制だが、2025年11月の新排ガス規制（第4次）は、これまでの中でもっとも厳しく、排気量50ccのままクリアするには各部の大幅な改良が必要。
厳しい排ガス規制は、一般的に125ccよりも50cc。つまり排気量が小さくなるほど、規制値をクリアするのに多大なコストがかかる。加えて昨今は材料や資源の価格が高騰。結果として、「一般ユーザー向けの50ccが1台40万円」という、125ccを遥かに超える異常価格を招いてしまう。
もしもこんなことが起これば、庶民は50ccが買えなくなる。そしてバイクメーカーは50ccを生産しても採算がとれなくなる。
既存の法律に縛られたこの悪循環を解消するため、2025年4月1日、法律改正で原付一種に新たな区分「新基準原付」が“追加”された。
50ccの代替となる「新基準原付」は、排気量50cc超125cc以下（110ccクラスや125ccクラス）、最高出力を4.0kW（5.4ps）以下に制御した車両。50ccと同様、原付免許で運転可能だ。詳しくは下記ページ参照！
2025年10月31日、国内50ccの生産終了。新しい125ccクラス「新基準原付」ってどんなバイク？ 30km/h・2段階右折・2人乗り禁止は継続？ | Motor-Fan[モーターファン] 自動車関連記事を中心に配信するメディアプラットフォーム原付一種に新たな区分「新基準原付」が追加 排気量50cc以下の原動機付自転車（原付一種）は2025年11月より新たな排出ガス規制が適用。これにより、排ガス規制をクリアできない現行50cc以下の車両の生産は実質上、2025 […]
https://motor-fan.jp/article/1301616/新基準原付の多くは、現行の110ccクラスや125ccクラスなど原付二種モデルがベースになる模様
2025年3月21日～3月23日に開催された第41回大阪モーターサイクルショーにおいて、ホンダは「新基準原付」の規格に対応した「スーパーカブLiteコンセプト」を参考出品した。
スーパーカブLiteコンセプトは現行モデル「スーパーカブ110」をベースに、タンデムステップをレス化するなど、外観はスーパーカブ110とほぼ変わらない。
エンジンはスーパーカブ110と同じ空冷４サイクル109cc単気筒OHCで、最高出力を4.0Kw（5.4ps）以下に抑制。コンセプトモデルとして発表された同車の仕様や価格、発売時期などは2025年10月11日現在未公表。
2025年11月以降に順次リリースされる新基準原付の多くは、現行の110ccクラスや125ccクラスなどの原付二種モデルをベースに、
・最高出力を4.0kW（5.4ps）以下にダウン
・タンデムステップなど2人乗り機能の排除
・ダブルシートの場合、シングルシートに変更
・スピードメーターの60km/h表示化
・60km/hスピードリミッターの導入
を実施するなど、差別化が図られる見込み。価格は110ccクラスや125ccクラスよりもやや安価に設定されると予測する。その理由は……
新基準原付「スーパーカブLite」の価格は、スーパーカブ110よりも1万5000円安の28万7500円（税込）か!?
たとえば上記の「スーパーカブLiteコンセプト」。ベース車両は現行の原付二種モデル「スーパーカブ110」で、同車の価格は30万2500円。
なお、空冷４サイクル49cc単気筒OHCエンジン（最高出力3.7ps）を搭載し、前後にスポークホイールとドラムブレーキを採用した現行のスーパーカブ50の価格は24万7500円。スーパーカブ110よりも5万5000円安の価格設定だ。この価格差を見る限り、やはり50ccの原付一種は原付二種よりも“お得感”がある。
現況、メーカーは「50ccを生産しても採算が取れない」という噂。24万7500円という価格設定は、メーカーが社会的義務を果たした、企業努力の賜物（たまもの）といえよう。
では現行モデル「スーパーカブ110」をベースにした「スーパーカブLiteコンセプト」の発売価格はどうなる？
ユーザーの心理としては、「新基準原付のスーパーカブLiteコンセプトは原付二種のスーパーカブ110よりも走行性能が抑制される＝価格が安くなって当然」「現況の原付一種は10万円代のモデルもあるしねぇ（事実、現行のホンダ タクトやヤマハ ジョグは10万円後半で発売中）」という気持ちを抱くはず。
こうしたユーザーの意向に沿いたいメーカーは、「1万円でも価格を抑えたい」という思いだろう。仮に新基準原付モデルと原付二種モデルが同価格の場合、内燃機型（エンジン型）の原付一種離れが加速する恐れがある。
「スーパーカブ110」をベースにした「スーパーカブLiteコンセプト」の価格を、もしも1万円でも抑えようとしたら、メーカーは『どの箇所・どの過程の何処でコストを削減できるか？』が勝負どころ。
スーパーカブLiteコンセプトの発売価格は、筆者の金銭感覚とメーカーへの期待も込め、スーパーカブ110よりも1万5000円安の、28万7500円（税込）あたりに設定されるのではと予測。
現行の110ccクラスや125ccクラスなどの原付二種モデルをベースにした新基準原付の多くは、ユーザーの金銭感覚をくみ取り、全般的にベースモデルよりも1万5000円程度安価に設定（このあたりが限界か？）されるのではと感じる。
ユーザーは今後、販売店に在庫の新車50cc、4スト50ccの中古車、電動バイクも狙い目？
国内では2025年10月31日をもち、一般公道走行用の50cc原付一種モデルの生産が終了。しかし市場ではこれまでと変わらず、50ccの原付一種モデルが流通する。
もしも新基準原付の価格が、上記の筆者が予想する以上にお手頃だった場合。2025年10月31日以前に生産された新車の50ccが、値引きセールで販売されるかもしれない。
逆に新基準原付の新車価格が、現行50ccの新車価格を大幅に上回ったら（現行のホンダ タクト、ヤマハ ジョグは10万円台後半で発売中）、販売店や中古車店に在庫の50ccへ一気に注目が集まるはず。
50ccの生産終了により、コストパフォーマンスや機動性に優れた“50ccモデルの価値”が改めて見直されたとしたら、中古車市場では50ccモデルの価格が総体的に上昇する可能性も否めない（たとえば現在、程度の良い2ストエンジン搭載車は価格が急上昇中）。
仮に新基準原付の価格がお手頃でなかったら、安価な電動バイクの需要が一気に高まるかもしれない。原付一種の購入を考えている人はもちろん、販売店や中古車店などの関係各社も、新基準原付モデル登場後の動向に目が離せないところだ。
新基準原付ってどんなバイク？ 今売っているモデルはあるの？｜バイクの法律Q&A | Motor-Fan[モーターファン] 自動車関連記事を中心に配信するメディアプラットフォーム【Q.】新基準原付も125cc以下だけど原付二種とどこが違う？ 【A.】最高出力を4kW（5.4PS）以下に制御したバイク 従来、原付一種といえば排気量50cc以下のバイクを意味した（EVの原付バイクは定格出力0.6kW […]
https://motor-fan.jp/article/1301859/
【続報】ホンダが50cc原付一種バイク（ゼロハン）の生産終了。排気量50cc以下から125cc以下に引き上げた「新原付一種（最高出力制限あり）」誕生 | Motor-Fan[モーターファン] 自動車関連記事を中心に配信するメディアプラットフォーム原付一種が50cc以下から125cc以下（新しい原付一種）になる理由 「原付一種の排気量を、50cc以下から125cc以下に引き上げる」 この議論は、厳しい排ガス規制によって小排気量のバイクのエンジンが、2ストロークから […]
https://motor-fan.jp/article/114397/
「原付免許は125ccまで」｜警察庁が検討｜ようやくと動き出す国内の原付改革 | Motor-Fan[モーターファン] 自動車関連記事を中心に配信するメディアプラットフォーム原付（原動機付自転車）免許で乗車できるバイクの排気量は、現況50cc以下に規定。今回警察庁が発表したのは、これを125cc以下（運転は普通二輪小型限定免許以上が必要）まで引き上げよう（ただし最高出力は4kW[5.4ps（ […]
https://motor-fan.jp/article/86730/
