現時点では先代ティグアンと現行Q3が現実的

現行型のフォルクスワーゲン「ティグアン」は、3代目にスイッチしていて、2024年11月に日本で発売されたばかりだ。プラットフォームは、「MQB」の進化版「MQB evo」を使っている。
対するアウディ「Q3」は、2025年8月に3代目が本国ドイツで発表され、欧州では今秋からの発売。ドイツでの発表では、PHEVなどの多彩なパワートレイン、最新の内外装デザインはもちろん、デジタルマトリックスLEDヘッドライトやサスペンションの改良などが盛り込まれている。日本での発売時期は、現時点ではアナウンスされていない。

両車は、こうしたモデルサイクルになっているが、中古車市場では2025年10月上旬時点で新型(現行)ティグアンは、まだほとんど出回っていない。わずかな物件もほぼすべて登録済み未使用車といえる状況。そのため、Q3は当然だが、両モデルともに2代目で比較するのが現実的となる。
Q3とティグアンの新車価格の変遷

現行Q3は、2024年12月に一部改良を実施し、クリーンディーゼルの2.0リッターTDIエンジンをアップデートした。改良前から32kW(43PS)アップとなる最高出力142kW(193PS)、60Nm増強となる最大トルク400Nmを達成。1.5リッターTFSIガソリンエンジンは、最高出力110kW(150PS)、最大トルク250Nmのスペックは変わっていない。Q3/Q3スポーツバックの価格帯は、503万〜602万円となっている。
先代(2代目)ティグアンは、2018年8月に人気の2.0リッターTDIエンジンを積む「TDI 4MOTION」を追加した。「TDI 4MOTION」の価格帯は、408万6000円〜554万円(導入限定車含む)。
翌年5月にマイナーチェンジし、2.0リッターTSIエンジンを積むハイパフォーマンスモデルの「R」を加えている。このタイミングでの価格帯は、407万9000円〜684万9000円。

さらに、2022年9月に2.0リッターTSIエンジンを積む「TSI 4MOTION」を追加した。「TSI 4MOTION」の価格帯は479万2000円〜581万6000円だった。
ディーゼルで新車価格に約74万円の差

新車価格では、登場時の価格帯はもちろん、一部改良やマイナーチェンジの時期が異なるため、単純比較はできない。しかし、ピープルズカーを謳うフォルクスワーゲンとプレミアムブランドのアウディとの差別化が図られているのが分かる。
なお、2020年4月時点のQ3「35 TDIクワトロ」は、531万〜561万円。2020年5月時点のティグアン「TDI 4MOTION」は、456万9000円〜550万9000円だった。とくにエントリーグレードの価格差が約74万円と大きくなっている。
意外と中古車平均価格は似通っている?

前置きが長くなったが、2代目ティグアンの中古車市場の平均価格は、2025年10月上旬時点で約315万円。現行2代目Q3は、約339万円だ。若干Q3の方が高いものの、両ブランドの位置づけ(イメージ)ほどの差はない。
2代目ティグアンは、2017年1月の発売時にはガソリンの1.4リッターガソリンの「1.4 TSI」しか設定がなかったこともあり、中古車市場でも200万〜300万円の物件も多い。走行距離が短い個体も多く、コスパの高さが印象的だ。
一方のQ3も1.5リッターガソリンの「35 TFSI」であれば、300万円前後の物件が流通していて、2019年式が多いティグアンに対して、2020年式から2022年式が中心。とにかく安くというのであれば、ティグアンの「1.4 TSI」を、コスパも考えるとQ3の「35 TFSI」を狙う手もある。

