スマホにインストールしたアプリでエンジンの始動をON/OFF
鍵をしっかりかけて駐車した状態であっても、秒でクルマごと盗んでしまう盗難手口が急増している昨今。納車されたばかりの愛車が翌朝には自宅の駐車場から消えていた……、なんて話も実際に報告されており、様々なメディアで何度も取り上げられている。特にトヨタのアルファード&ヴェルファイア、ランドクルーザーやハイエース、そしてRXやGXといったレクサスブランドのクルマは盗難率の高い車種として注意喚起されている。そんな最新の盗難手口に対抗するセキュリティシステムとしていま注されているのが『Z-GUARD(ゼットガード)』。
「最近多くのメディアを賑わせている盗難手口が“CANインベーダー”や“ゲームボーイ”と呼ばれる機器を使った手法です。車両内の電子系ネットワーク“CAN”にアクセスしてドアロックを解錠、そしてエンジンスタートさせる“CANインベーダー”はものの数秒でクルマごと持ち去ってしまいます。そんな車両盗難に対抗するセキュリティシステムが市場に数多く溢れていますが、『Z-GUARD』は手持ちのスマートフォンで操作し、取り付けもスマートな車種専用設計としているシステムです」とは『Z-GUARD』の販売元であるJSCの山田さん。
『Z-GUARD』のシステムは単純明快で、セキュリティを稼働させた状態ではエンジンが一切始動できない設計。しかもその管理をスマートフォンへダウンロードした専用アプリで行えるので操作方法も非常に簡単。従来のセキュリティシステムにはなかったBluetoothでスマホとクルマのセキュリティをつなぐ方式で、操作はオートモードかマニュアルモードを用意しており、オートモードはスマホを持ってクルマから離れると自動的にセキュリティがONになり、スマホが車両に近づけばセキュリティが解除され、エンジンが始動できる仕組み。対するマニュアルモードはBluetoothの通信距離を細かく調整できる設計となっている。車両盗難に対抗する、エンジンを始動されない、乗り逃げされない、動かせないということを効率的に実現できるセキュリティとなっている。

最新の車両盗難手口に対応したセキュリティシステム『Z-GUARD』の販売元であるJSCの山田さん。『Z-GUARD』のメリットをより深く知りたいと、電話での問い合わせも非常に増えているそう。
待機電流が1mA程度なので、バッテリー上がりの不安を軽減
車両盗難から愛車を守るセキュリティだが、より強固なシステムを求めて様々なセキュリティを導入したくなるオーナーも少なくないが、実はそれが問題になってしまうパターンも最近は増えているという。
「最近のセキュリティシステムは機能性に優れたオプションが非常に充実しています。窃盗団を威嚇するサイレンや、セキュリティの作動を知らせてくれるアンサーバックなど、各種センセーがいろいろあります。それらを組み合わせて導入することによって問題になるのが消費電力です。セキュリティはエンジンが始動しない状態でも作動していますので、バッテリーの電力を常に消費している状況です。特に最近のクルマは通信によるコネクティッドサービスなど、目に見えない部分で常にクルマに電力がかかっている状態です。セキュリティが作動していない状態でも暗電流(エンジンOFF状態でも常時電流が流れる待機電流)が高くなっており、さらにHEV(ハイブリッド)やPHEV(プラグインハイブリッド)などは、バッテリー本体が小さくなっているため、ドライブレコーダーの駐車監視モードなどでもそれなりの負担になっています。毎日クルマを運転されている方であれば、エンジンをかけることでバッテリーが充電されますが、月に数回程度しかクルマに乗らないという方は、バッテリーあがりの注意が必要です。たまにお話しで伺うのは、“2週間に1度はドライブへ行くので問題ないです”という状況であっても、急な予定が入ってしまいいつも行く予定だったドライブがキャンセル。そうすると1カ月以上エンジンをかけない状況になってしまいます。そういった状況下で暗電流の負荷が大きいセキュリティが付いていると、結果的にバッテリーあがりの原因になってしまう場合があります。そんなシチュエーションも踏まえて『Z-GUARD』は、最新の半導体LEDなどを採用することで、待機電流を1mA以下に抑えていますので、バッテリーあがりの不安もほとんどありません」

■価格:Z-GUARD-Ⅰ 6万3800円/Z-GUARD-Ⅲ 10万7800円
■オプション:
Z-GUARD-Ⅰアップグレードキット4万4000円
カプラーロック 2750円
オプションリモコン 2万2000円
ドアを解錠されてもエンジンを始動できない「Z-GUARD-Ⅰ」と、ドアの解錠/施錠機能やオプションリモコンが付属する「Z-GUARD-Ⅲ」が用意されている。また「Z-GUARD-Ⅰ」に「Z-GUARD-Ⅲ」の機能を後から追加するアップグレードキットもある。









ランクル70、ジムニーノマドやキャラバンなど、適応車種も増加中


『Z-GUARD』の特徴のひとつが取り付け作業が非常にスムーズなこと。基本的には本体ユニットをカプラーオンで接続できるため、オートバックスなどの量販店で購入/取り付けしてもらうことができる。対応車種は、アルファード&ヴェルファイアをはじめ、車両盗難のターゲットにされやすいトヨタやレクサスが中心だったが、新たにトヨタ・ランドクルーザー70、スズキ・ジムニーシリーズ(ジムニー、ジムニーシエラ、ジムニーノマド)、日産キャラバン用なども年内に発売される予定となっている(現在の発売予定はZ-GUARD-Ⅰのみ)。
視覚的防犯効果の高いLEDスキャナーを発売予定
エンジンを始動されない、乗り逃げされない、動かせないということを効率的に実現できる『Z-GUARD』だが、セキュリティの第一歩としてまず導入して欲しいと、JSCではLEDスキャナーの製品化が進められている。
「まず大前提として、どんなクルマが盗難されやすいか考えてください。例えばアルファードが駐車場に3台停まっています。クルマを盗もうとする立場から考えると、短時間かつ確実に盗めるクルマをまず狙うはずです。そうなった場合、セキュリティが付いていそうなクルマはまず避けるはずです。そう考えるとLEDスキャナーが点滅しているだけでも、車両盗難のリスクがグッと下がります。セキュリティをつけているので100%安心、ということはやはりなかなか難しいです。被害に合わない、被害の確率を下げるための対策がセキュリティの導入ですので、まずは愛車が狙われるかもしれないという認識を持って頂きたい。LEDスキャナーであれば予算も比較的リーズナブルに導入できると思いますので、セキュリティ導入のはじめの一歩としてお薦めです」

PHOTO:浦野浩之