街中に映える刷新

ホンダがツーリングモデル NT1100 / NT1100 DCT Electronic Suspension(2026年モデル) に対し、新たなカラー「Iridium Gray Metallic(イリジウム・グレイ・メタリック)」を追加することを欧州で発表した。 2025年の大規模改良で技術・装備面は一新されており、2026年はあくまで“見た目の刷新”にとどめた格好だ。
この新色はエントリーモデル(マニュアル変速仕様)、DCT+電子制御サスペンション仕様に追加される。 既存の “Mat Warm Ash Metallic(マット・ウォーム・アッシュ・メタリック)” や “Pearl Hawkseye Blue(パール・ホークアイ・ブルー)” と並び、多様なビジュアル選択が可能になる。
既存改良をそのまま維持

2025年モデルで実施された仕様強化は、2026年モデルにもそのまま引き継がれる。 エンジンは並列2気筒 1,084ccのまま、出力は102PS、最大トルクは112Nmに調整。 サスペンション補正や車体バランス、電子制御系も6軸IMU を中心とした制御を引き続き採用。
DCT+電子制御サスペンションモデルに搭載されるShowaのEERA(Electronically Equipped Ride Adjustment)制御はリアルタイムでダンパーを制御し、わずか15ミリ秒で減衰特性を最適化する能力を維持。 また、前モデルで導入されたワンタッチ操作可能な可変スクリーンや LEDヘッドライト&DRL統合ウインカーなどの装備もそのまま継続。
新色投入の意味と狙い

カラー刷新という手法は、技術的なアップデートが一段落したモデルに対し、新鮮味を与える典型的な進化戦略といえる。2026年は新機構を追加する年ではないが、ビジュアル面で購入者の心に訴えるインパクトを狙った判断だ。エントリーモデルにも新色を標準とすることで、ユーザー層の裾野拡大も視野に入れている可能性が高い。
こうした戦略は、性能や装備は既に完成域にあるとしても“見た目”の改変によってリリースサイクルを延長する手法とも結びつく。それは発売後の継続的な注目を集めるきっかけにもなる。
日本展開と今後の見どころ

現時点では、この新色を含む 2026年版NT1100が日本市場で展開されるかどうかは明らかではない。欧州を中心とするモデル発表を受けて、日本国内での導入が待たれる。
ただし、ホンダがヨーロッパで “最も売れているツアラー” としての地位を強調している点には注目だ。 新色投入はそのブランドイメージをさらに強化する布石となる可能性が高い。ユーザーから見れば、選べる個性が増えることは歓迎材料であり、今後の販売展開と価格設定には期待が集まる。
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