ホンダが新基準原付モデルを正式発表。大外れだった筆者の予想価格は、ある意味では正解だった？

2025.10.21 15:10 2025.10.21 15:15 更新

by 北秀昭

ホンダスーパーカブLiteは筆者の予想であった28万7500円に対し、実際の販売価格は34万1000円。

2025年10月16日、ホンダは新設された125ccクラスの原付一種「新基準原付（法律や構造上、原付二種の125ccモデルとは別物）」に適合する4モデルの発売日や詳細を発表。筆者が勝手に予想した「スーパーカブ110 Lite」の価格は28万7500円（税込）だったが、実際の価格は341,000円（税込）となった。
REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)

2025年4月1日、原付一種に新たな区分「新基準原付」が“追加”。2025年11月と12月、新基準原付モデルが登場

国内では2025年11月より、世界基準の新たな排出ガス規制が適用。これにより排ガス規制をクリアできない現行50cc以下の車両の生産は実質上、2025年10月末で終了となる。

年々厳しくなる排気ガス規制だが、2025年11月の新排ガス規制（第4次）は、これまでの中でもっとも厳しく、排気量50ccのままクリアするには各部の大幅な改良が必要。

厳しい排ガス規制は、一般的に125ccよりも50cc。つまり排気量が小さくなるほど、規制値をクリアするのに多大なコストがかかる。加えて昨今は材料や資源の価格が高騰。結果として、「一般ユーザー向けの50ccが1台50万円」という、125ccを遥かに超える異常価格を招いてしまう。

もしもこんなことが起これば、庶民は50ccが買えなくなる。そしてバイクメーカーは50ccを生産しても採算がとれなくなる。

既存の法律に縛られたこの悪循環を解消するため、2025年4月1日、法律改正で原付一種に新たな区分「新基準原付」が“追加”された。

50ccの代替となる「新基準原付」は、排気量50cc超125cc以下（110ccクラスや125ccクラス）、最高出力を4.0kW（5.4ps）以下に制御した車両。50ccと同様、原付免許で運転可能だ。詳しくは下記ページ参照！

Dio110 Liteは11月20日、カブシリーズ3モデルは12月11日に発売決定！

ホンダが発表した125ccクラスの原付一種「新基準原付」の4モデル。写真左からDio110 Lite、スーパーカブ 110 Lite、スーパーカブ 110 プロ Lite、そしてクロスカブ 110 Lite。

2025年10月16日、ホンダは新設された125ccクラスの原付一種「新基準原付（法律や構造上、原付二種の125ccモデルとは別物）」に適合する4モデルの発売日や価格、詳細を発表した。詳しくは下記ページ参照！

スーパーカブ110よりも1万5000円安の28万7500円！　と勝手に予想したが……

上記ページの掲載は2025年10月13日。三日後の10月16日に発表された新基準「スーパーカブLite」の発売価格は34万1000円（以下すべて税込）。この新価格を見た筆者は驚愕し、「うそぉ!?」と目をむいた

記事を掲載した2025年10月13日、「スーパーカブLite」のベース車両となる現行の原付二種モデル「スーパーカブ110」の価格は30万2500円。

なお、2025年10月13日のスーパーカブ50（2025年10月21日現在、ホンダ公式ウェブサイトから削除）の価格は24万7500円で、スーパーカブ110よりも5万5000円安の価格設定だった。この価格差を見る限り、やはり50ccの原付一種は原付二種よりも“お得感が満載”といえよう。

ユーザーの心理としては、「新基準原付のスーパーカブLiteは原付二種のスーパーカブ110よりも走行性能が抑制される＝価格が安くなって当然」「現況の原付一種は10万円代のモデルもあるし（事実、現行のホンダタクトやヤマハジョグは10万円後半で発売中）」という気持ちを抱くはず。

上記の理由および筆者の金銭感覚、またメーカーへの期待も込め、「スーパーカブLite」の発売価格はスーパーカブ110よりも1万5000円安の、28万7500円くらいになる！　と勝手に予想した。

筆者の予想を大幅に上回る34万1000円。物価の上昇はバイク業界にも

しかし、いざフタを開けてみると「スーパーカブLite」の発売価格は34万1000円。筆者はバイク業界の端くれとはいえ、「いくら何でも外しすぎだろ！」と自分自身に突っ込みを入れたわけだが……

新基準原付に適合する4モデルが発売されたのと同日の2025年10月16日、ホンダはスーパーカブ110、スーパーカブ110 プロ、クロスカブ110、クロスカブ110・くまモンバージョンのメーカー希望小売価格を改定。スーパーカブ110とクロスカブ110はカラーバリエーションを変更し、2025年12月11日より新価格で販売すると発表した。

発表によると、「スーパーカブLite」のベース車両となる原付二種モデル「スーパーカブ110」の価格は、30万2500円から35万2000円に値上げ。仮にこの新価格を前提に、筆者が予想した「スーパーカブ110よりも1万5000円安」を当てはめたとしたら……33万7000円。で、「スーパーカブLite」の実際の価格は34万1000円。つまり、わずか4000円違いのニアピン賞獲得やないかい！

◎筆者の予想→「スーパーカブLite」はベース車両の「スーパーカブ110」よりも1万5000円程度安となる。

この推測が間違っていなかったことに、「オレの読みは外れていなかった」と思うと同時に、米や調味料などの食料品、ガソリン代、電気代、ガス代、水道代、各種保険料、雑貨、不動産などなど、すべてのモノが急激に値上がりする昨今。当たり前だがバイクも例外ではないな、と納得・再確認。また「物価は上がり続けるのに給料は上がらない」という国内の状況に、大きなため息をついた。

今後はメーカーや販売店に在庫の新車50cc、4スト50ccの中古車、海外の電動バイクにも注目が集まる？

なお、新基準原付に適合したDio110 Liteの価格は23万9800円。ベース車両の原付二種モデル・Dio110は1万1000円高の25万800円。価格帯を20万円台前半に抑えたDio110 Liteは、「メーカーとしてかなり頑張っている」という印象を受けた。

新基準原付に適合した4モデルが発表されて数日が経過するが、50ccは2025年10月31日まで生産。2025年10月21日現在、ホンダ・ヤマハ・スズキの公式ウェブサイトには各種50ccモデルが掲載中。ホンダの場合、17万9300円でリリースされるタクトも現行モデルとしてラインナップされている。

中古車サイトをチェックしたところ、販売店で在庫の新車の多くはメーカー希望小売価格のまま。大きな値崩れや値上がりなど、価格変動は見受けられない。

ユーザーの中には、「新基準原付って結構高いな」と感じる人もいるはず。もしもこの傾向が2025年11月以降に強まれば、50ccの新車や中古車、また安価な海外の電動バイクの需要が一気に高まる可能性もある。

原付一種の購入を考えている人はもちろん、販売店や中古車店などの関係各社も、新基準原付モデル発売後の動向に目が離せない。

ホンダが新基準原付モデルを正式発表。大外れだった筆者の予想価格は、ある意味では正解だった？

2025年4月1日、原付一種に新たな区分「新基準原付」が“追加”。2025年11月と12月、新基準原付モデルが登場

Dio110 Liteは11月20日、カブシリーズ3モデルは12月11日に発売決定！

スーパーカブ110よりも1万5000円安の28万7500円！ と勝手に予想したが……

筆者の予想を大幅に上回る34万1000円。物価の上昇はバイク業界にも

今後はメーカーや販売店に在庫の新車50cc、4スト50ccの中古車、海外の電動バイクにも注目が集まる？

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