小椋藍が復帰。マルク・マルケスは負傷により欠場
オーストラリアGPには、前戦インドネシアGPを欠場した小椋藍(アプリリア)が復帰した。小椋はサンマリノGP決勝レースでの転倒により右手を負傷し、日本GPの決勝レースとインドネシアGPを欠場していた。
また、今大会はマルク・マルケス(ドゥカティ)とホルヘ・マルティン(アプリリア)、マーベリック・ビニャーレス(KTM)が欠場した。マルク・マルケスはインドネシアGP決勝レースでの転倒、右肩甲骨の負傷により、マレーシアGPまで欠場することがすでに発表されている。マルティンは日本GPスプリントレースでの転倒により、右の鎖骨を骨折。欠場が続いている。ビニャーレスはドイツGPで負った左肩の脱臼骨折からの回復、リハビリに専念する。マルク・マルケスの代役はミケーレ・ピロ、マルティンの代役はロレンツォ・サバドーリ、ビニャーレスの代役はポル・エスパルガロが務めた。
土曜日に行われた予選2(Q2)では、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が今季5度目となるポールポジションを獲得した。2番手はマルコ・ベツェッキ(アプリリア)、3番手は地元オーストラリア人のジャック・ミラー(ヤマハ)が並んだ。小椋は18番手からのスタートとなった。
土曜日の午後に行われたスプリントレースは、ベツェッキが優勝した。2位は小椋のチームメイトであり、アプリリアのサテライトチームであるラウル・フェルナンデス(アプリリア)。3位はペドロ・アコスタ(KTM)が獲得した。2023年から始まったスプリントレースにおいて、ドゥカティがトップ3に入らなかったのは、初めてのことである。
小椋は16番手でゴールしたが、タイヤの空気圧違反のために結果に8秒が加算されるペナルティを受け、最終結果は17位だった。
フェルナンデスの優勝で、アプリリアが通算300勝を達成
日曜日の決勝レースは、土曜日の時点で天候の懸念により当初の予定よりも1時間遅れにリスケジュールされ、現地時間の15時にスタートした。
好スタートを決めて序盤にレースをリードしたのはベツェッキだった。しかし、インドネシアGP決勝レースでマルク・マルケスの転倒を引き起こしたとして、ベツェッキにはこのレースでのダブル・ロングラップ・ペナルティが科されていた(※レース中、コース外に設定されたルートを走行しなければならないペナルティ。これによって、ライダーは数秒を失う。ダブル・ロングラップ・ペナルティの場合、レース中に2回通過しなければならない)。
ベツェッキは5周目に1回目のロングラップ・ペナルティを、7周目に2回目を消化した。序盤からハイペースを刻んで2番手に1秒以上の差を築いたベツェッキだったが、それでもポジションダウンは避けられず、ペナルティの消化によって6番手に後退した。
ベツェッキに代わってトップに立ったのは、同じアプリリアでサテライトチームのライダー、フェルナンデスである。フェルナンデスの後ろには、最高峰クラス参戦2年目の才能あふれるライダー、アコスタがついていた。しかし、フェルナンデスはトップを維持し、アコスタとの差を広げていった。
一方、後方から追い上げたのが、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)だ。10番手スタートだったディ・ジャンアントニオは、前のライダーの転倒もあって、8周目には4番手、19周目には3番手、そして23周目には2番手に浮上した。
ベツェッキもまた、6番手にポジションを落としたところから追い上げた。残り2周でディ・ジャンアントニオの後ろ、3番手につけたのである。
ただ、この二人もトップを快走するフェルナンデスに迫ることはできなかった。フェルナンデスはトップをキープして優勝を飾った。2022年シーズンに最高峰クラスにステップアップして4シーズン目、これがフェルナンデスにとってのMotoGPクラスにおける初優勝である。
また、この勝利は、アプリリアにとって、ロードレース世界選手権における300勝目でもあった。

2位はディ・ジャンアントニオ、3位にはダブル・ロングラップ・ペナルティから追い上げたベツェッキが獲得して、アプリリアの二人が表彰台に立った。フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)が転倒リタイアに終わったことで、ベツェッキがチャンピオンシップのランキング3番手に浮上している。

4位はアレックス・マルケス(ドゥカティ)、5位がアコスタ。6位にはルカ・マリーニ(ホンダ)が入り、これが日本メーカーの最上位だった。
負傷からの復帰戦となった小椋は13位で完走を果たしている。

第20戦マレーシアGPは連戦となり、10月24日から26日にかけて、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われる。
