Ferrari 849 Testarossa
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Ferrari 296 GTB

新デザインランゲージを導入した849 テスタロッサ

発表後、時を置くことなく日本導入がスタートした、フェラーリ最新フラッグシップ「849 テスタロッサ」。完全なブランニューモデルではなく、2019年にデビューしたフェラーリ初の量産プラグインハイブリッド「SF90 ストラダーレ」の後継モデルに当たる。今回、比較対象としてSF90 ストラダーレに続く量産PHEV第2弾として投入された「296 GTB」をピックアップした。

前述のように、フェラーリはSF90をベースにしながらも、849 テスタロッサのエクステリアをフルモデルチェンジに近いレベルで刷新。最新フェラーリのデザインアイコンでもある特徴的なブラックバンドをフロントセクションに採用した。エッジが立ったシャープなフォルムは、グラマラスな曲線を持つ296 GTBと並べることで、デザインの進化を感じることができるだろう。

ボディサイズは車格が上の849 テスタロッサが、全長で153mm、全高で38mm、ホイールベースで50mm大きい。重量に関してはどちらも重量物のリチウムイオンバッテリーを搭載するが、コンパクトな296 GTBが80kgほど軽い。

フェラーリ 849 テスタロッサ

ボディサイズ=全長4718×全幅2304(ミラー込み)×全高1225mm
ホイールベース=2650mm
車両重量=1570kg
タイヤサイズ=265/35R20(前)、325/30R20(後)

フェラーリ 296 GTB

ボディサイズ=全長4565mm×全幅1958mm×全高1187mm
ホイールベース=2600mm
車両重量=1470kg
タイヤサイズ=245/35ZR20(前)、305/35ZR20(後)

システム最高出力1050PSという強大なパワー

フェラーリは、849 テスタロッサに搭載される4.0リッターV型8気筒ツインターボに大規模なアップデートを実施。シリンダーヘッド、エンジンブロック、エキゾーストマニホールドなどに手を入れることで、エンジン単体で830PSという強大なパワーを手にした。ここにフロント2基、リヤ1基のモーターを加えることで、システム最高出力は1000PSを超える。

296 GTBは、フェラーリブランドとしては史上初となる、V6エンジンを採用した(ディーノ 246以来)。3.0リッターV型6気筒ターボに電気モーターを組み合わせ、最高システム出力は830PSを発揮。最高速度はどちらも330km/h、0-100km加速はパワーで勝る849 テスタロッサが0.6秒も引き離す。

フェラーリ 849 テスタロッサ

エンジン形式=V型8気筒ツインターボ+ハイブリッド
排気量=3990cc
最高出力=830PS/7500rpm
最大トルク=842Nm/6500rpm
モーター出力=220PS
システム最高出力=1050PS
トランスミッション=8速F1 DCT
駆動方式=AWD
最高速度=330km/h
0-100km/h加速=2.3秒

フェラーリ 296 GTB

エンジン形式=V型6気筒ターボ+ハイブリッド
排気量=2992cc
最高出力=663PS
最大トルク=740Nm/6250rpm
システム最高出力=830PS/8000rpm
トランスミッション=8速F1 DCT
駆動方式=RWD
最高速度=330km/h
0-100km/h加速=2.9秒

2526万円という価格差をどう考えるか

大型ディスプレイを前面に押し出したデジタルコクピットがトレンドとなるなか、フェラーリは最新の849 テスタロッサでも、センターコンソールにディスプレイを配置せず、水平基調のダッシュボード上部と下部の間に、メインコントロールとパッセンジャースクリーンを一体化したデジタルバンドを採用した。

849 テスタロッサは、SF90からインテリアを大きく変更。ダッシュボード下部に船舶の帆をモチーフにした大胆なカラートリムをレイアウトし、ここにコンパクトなシフトゲートが浮遊するように配置した。296 GTBのシンプルな室内空間と比較すると、849 テスタロッサはフラッグシップに相応しい“特別感”を持った演出が加えられている。

先日、初のフル電動スーパースポーツ「エレットリカ」を発表したフェラーリだが、使用環境を考えれば、EVモードを備えつつ内燃機関を搭載するPHEVが常識的な選択肢になるだろう。

849 テスタロッサがSF90から1000万円以上に価格アップとなった結果、296 GTBとは2526万円という価格差が横たわる。バジェットに余裕があるのであれば、やはり最新フラッグシップたる849 テスタロッサのパフォーマンスや内外装は魅力的だ。ただ、デビューから4年を経たとはいえ、296 GTBも十分にトップレベルのパフォーマンスを備えている。

車両本体価格

フェラーリ 849 テスタロッサ 6465万円
フェラーリ 296 GTB 3939万円

Ferrari 849 Testarossa × Ferrari SF90 Stradale

フェラーリ製ハイブリッドの進化の歩幅を最新849テスタロッサと先代SF90ストラダーレの違いではかる

2025年9月、フェラーリは新型プラグインハイブリッドスーパースポーツ「849 テスタロッサ」をワールドプレミアした。先代モデルの「SF90 ストラダーレ」とスペックを比較し、その違いを確認してみよう。