スバルが作った特定小型原付！　かつての名車“ラビット”をイメージ【ジャパンモビリティショー2025】

スバル　e-Rabbit concept（イー・ラビット・コンセプト）　※参考出品車

運転免許なしで運転可能な「特定小型原動機付自転車（特定小型原付）」

2023年7月1日より施行された「特定小型原動機付自転車（特定小型原付）」。特定小型原付の主な条件は、

・最高速度20km/h（歩道走行は時速6km/h以下→特例特定小型原動機付自転車）
・走行できるのは車道、自転車道、自転車専用通行帯に限定（歩道走行は時速6km/h以下→特例特定小型原動機付自転車）
・ヘルメットの着用は努力義務
・運転できるのは16歳以上
・運転免許は不用
・ナンバープレート装着や自賠責保険の加入は必須

前後デイスクブレーキ、前後サスペンション、板金外装など、自動車メーカーならではの本格的なつくり！

写真は国内自動車メーカーのスバルが製作した、プロトタイプ（試作）の特定小型原付「e-Rabbit concept（イー・ラビット・コンセプト）」。乗車シートのない立ち乗り型の電動キックボードタイプとなる同車は、スバルが前身の富士重工業時代に生産していた名車「ラビットスクーター」をモチーフに、自動車メーカーならではの本格的な機構が随所に導入されている。

前後ホイールは小回りの利く超小径型とし、前後ブレーキは制動力の高いディスク式を採用。フロントには正立フォーク、リアには独自の衝撃緩和機構を導入し、良質の乗り心地と優れた走行安定性を獲得。

ハンドル中央部にセットされた液晶メーターは、e-Rabbit concept専用にイチから設計・製作された、スバルの技術者がこだわり抜いた多機能型。板金で手作りされたカバー類など、細部まで自動車メーカーならではの徹底した作り込みにも圧巻。

特定小型原付ながら洗練された美しいデザイン、トータルバランスの良さなど、スバルのエンジニアたちの本気度が伺える、手抜きのない徹底した作り込みに大きな拍手を送りたい！

●製作協力企業：（株）JMC／応用電気（株）／（株）高崎共同計算センター

e-Rabbit conceptの開発コンセプト

・これからも安全なモビリティ社会を実現したい
・自動車だけでなく、あらゆる視点で安全と愉しさを追求したい
・ならば、まずは自分たちの手でつくってみて、知るべきではないか？

e-Rabbit concept（イー・ラビット・コンセプト）はそんな思いから、スバルの社員が一丸となり、自らの手で設計・製作された。

e-Rabbit concept、３つのポイント

①モノづくり革新と価値づくりを担う、スバル人の育成

e-Rabbit conceptは、「モノづくりの革新」「価値づくり」の原動力となる「人」を育てるための活動から開始。エンジニアが部門を越えて連携し、技術の学びと実践を通じて自ら価値を生み出す機会をつくることで、変革をリードする人財を育てている。

②「人を中心にした設計」と「安全」思想

自動車のエンジニアが開発しているe-Rabbit conceptは、開発思想も自動車と同じ。安定した姿勢で乗れる幅広のステップボードを始め、随所に「安全と愉しさ」の価値を導入。

③レトロなデザインと最新技術の融合

スバルが前身となる富士重工業の時代に製造していた初代の「ラビットスクーター」をモチーフに、現代の街並みに映えるようにリデザイン。車両の頭脳となるコントロールユニットも自社開発とし、走行環境に応じてアップデートできる柔軟性と拡張性を備えている。

富士重工業（現在のスバル）が生産した「ラビットスクーター」とは？

ラビットスクーターは富士重工業（現スバル）が1946年から1968年まで製造販売した、両足を揃えて乗車するスクータータイプのオートバイ。23年間、“ラビット”のネーミングで様々なモデルが誕生した。写真は1967年式のラビット・スーパーフロー125。S301型のトルコン車で、シフトチェンジが不要。詳しくは下記ページを参照！

♯01 オジサンに懐かしい、絶滅危惧種のスクーター｜富士重工業ラビットのアレコレ｜Motor-Fan Bikes[モータファンバイクス]

鉄スクーターという言葉を聞いたことがあるだろうか。70年代後半以後の樹脂やプラスチック製ボディのスクーターと区別するため、1950年代や60年代の古いモデルを「鉄スクーター」と呼ぶのだ。そんな古いバイク、今でもマトモに走れるのだろうかという疑問に、鉄スクーターの中で残存数が多いラビットで応えてみたいと思う。

https://car.motor-fan.jp/article/10012738