Longbow Speedster
わずか6ヵ月で走行可能な車両が完成

テスラやルーシッドの元スタッフによって英国で立ち上げられた、フル電動スポーツカーメーカー「ロングボウ」。超軽量電気自動車(Featherweight Electric Vehicles:FEV)をコンセプトに掲げ、2025年3月にBEVでありながら1000kg以下の車重を実現した市販電動スポーツカー「スピードスター」と「ロードスター」を公開した。
ロングボウは、様々な分野でキャリアを磨いてきた、ダニエル・デイヴィー、マーク・タプスコット、ジェニー・ケイスの3名によって設立。デイヴィーとタプスコットは、初代「テスラ ロードスター」のプロジェクトに参加しており、ルーシッド・モーターズやBYDでも上級職を歴任した経験を持つ。
ロングボウ スピードスターは白紙状態から設計・開発され、軽量構造と扱いやすいパフォーマンスを提供する究極のフル電動ドライバーズカーとして完成した。ロンドンで行われた発表会では、カスタマー(ロングボウでの通称=ギルドメンバー)、VIP、そして特別なコラボレーターたちが参加し、記念すべき節目を祝福している。
ロングボウは、EV業界の最前線で15年以上培った経験をベースに、従来の開発サイクルを再構築。通常の自動車メーカーでは18ヵ月を要する開発プロセスを、わずか3分の1の期間で達成した。これは手抜きではなく、あらゆる工程を凝縮・強化し、スピードアップする野心的な試みとなった。
主要な開発プロセスはすべて予定どおりに達成されており、最初の顧客に向けたデリバリーは2026年に予定。すべてのロングボウ製モデルは、英国で設計・開発、ハンドメイドで製造される。
英国製ライトウエイトスポーツの復活

初の市販モデルとなる「スピードスター」は、ドライバー中心の軽量電動スポーツカーを求めるカーエンスージアストの願いに応える存在となる。かつての「ロータス エリーゼ」「ジャガー Eタイプ」といった英国の名車の精神的な後継モデルとして、走る歓びとその先にある風景を愛する人々に向けて設計された。
エステティック・ダイナミック・デモンストレーターは「デュアリティ(二面性)」をテーマに、独自のツートーンペイントをチョイス。フロントには往年のスポーツカーを思わせるクラシカルなデザインが採り入れられ、リヤセクションはロングボウの電動プラットフォームによるモダンな機能美をアピールする。
専用設計のアルミニウムシャシーは軽量化と剛性を両立。軽量コンパクトなモーターと「モジュール・トゥ・シャシー」構造バッテリーを採用。オープントップのスピードスターは重量895kg、0-100km/h加速3.5秒、航続距離275マイル(442km)を実現したといい、一方のクローズドコクピットのロードスターは重量が995kg、0-100km/h加速3.6秒を謳う。価格はスピードスターが8万4995ユーロ、ロードスターが6万4995ユーロからとなっている。
ロングボウの共同創業者兼CEO、ダニエル・デイヴィーは、エステティック・ダイナミック・デモンストレーターの完成を受けて次のようにコメントした。
「スピードスターは多くの愛好家の心に響いたようです。意外性を加えたタイムレスなスポーツカーを、市場が求めていたのです。お客様をこの発表に招待したのは、感謝の気持ちを伝えるため。私たちは新しい会社で、新しい製品を世に出しました。お客様の信頼と情熱を目の当たりにできたことは、特別な体験になりました」
「スピードスターは常識にとらわれない存在ですが、ここまでの旅路も同様でした。わずか6ヵ月でエステティック・ダイナミック・デモンストレーターを完成させたことこそ、まさに私たちが掲げる『Speed of Lightness』の精神を体現しています」
「ロングボウ スピードスター」を動画でチェック!
