
900ccで1200cc相当のパフォーマンスを発揮する革新技術
ホンダは11月4日から9日にかけてイタリア・ミラノで開催されているEICMA 2025(ミラノショー)において、世界初となる電子制御過給機付き新型V型3気筒エンジンを搭載する「V3R 900 E-Compressor Prototype(ブイスリーアール ナインハンドレッド イー コンプレッサー プロトタイプ)」を初公開した。
この革新的なプロトタイプは、ホンダが2030年ビジョンで掲げる「自由で楽しい移動の喜びの提供」を実現するために開発が進められている。今までにないホンダ独自の技術で新たな価値を提案し、ユーザーの期待を超える魅力的な商品として市場投入を目指している。
「Non-Rail ROLLER COASTER」がもたらす新次元の走行体験
約束された高揚感と卓越した安心感の両立

V3R 900 E-Compressor Prototypeの開発コンセプトは「Non-Rail ROLLER COASTER(ノンレール ローラー コースター)」である。この斬新なコンセプトは、最新の技術とホンダが長年蓄積してきた二輪車開発のノウハウを結集させたもので、「約束された高揚感」と「卓越した安心感」という相反する二面性を高次元で融合させることを目標としている。
まるでレールのないジェットコースターのようなスリリングな走行体験と、ライダーが安心して楽しめる安定性を両立させることで、これまでにない新しいライディングエクスペリエンスを提供する。
水冷75度V型3気筒エンジンの進化形
エンジンは昨年のEICMA 2024で世界初公開された水冷75度V型3気筒エンジンをベースに、排気量を900ccに設定。スリム&コンパクトな設計を徹底的に追求することで、取り回しの良さと高性能を両立させている。
世界初の電子制御過給機がもたらす革新的性能
低回転からハイレスポンスなトルク特性を実現
V3R 900 E-Compressor Prototypeの最大の特徴は、二輪車として世界初となる電子制御過給機の採用である(ホンダ調べ)。この革新的な技術により、エンジンへの過給を任意にコントロールすることが可能となり、低回転域から力強いトルクとハイレスポンスな特性を実現している。
電子制御による精密な過給圧管理により、あらゆる回転域でライダーの意図通りの加速を実現。街中での扱いやすさから、サーキットでの限界性能まで、幅広いシチュエーションで理想的な動力性能を発揮する。
環境性能と高性能の両立
900ccという排気量でありながら1200cc相当のパフォーマンスを目標とすることで、環境性能にも大きく貢献する仕様となっている。排気量を抑えながら高い性能を実現することで、燃費性能の向上や排出ガスの低減など、環境負荷の軽減にも配慮した設計となっている。
左右非対称デザインと新エンブレムが示す未来への挑戦
革新的な左右非対称サイドカウル
V3R 900 E-Compressor Prototypeのボディデザインは、左右非対称のサイドカウルを採用している。この斬新なデザインは、単なる見た目の斬新さだけでなく、空力特性や冷却効率なども考慮した機能美を追求した結果である。
2026年以降の最上位モデルに採用予定の新エンブレム
タンクには2026年以降の最上位モデルに順次採用を予定している新デザインの「Honda Flagship WING(ホンダ フラッグシップ ウィング)」エンブレムが装着されている。このエンブレムは、ホンダの二輪車における新たな時代の幕開けを象徴するものとして、今後のフラッグシップモデルのアイデンティティとなる。
量産化に向けた開発が進行中
V3R 900 E-Compressor Prototypeは、チャレンジを続けるホンダの新たなマイルストーンとして位置づけられている。これまでにない二輪車を操る楽しさ、感動、そして所有する喜びを体感できるモデルとして、現在も量産に向けた開発が着々と進められている。
世界初の電子制御過給機を搭載したこの革新的なモデルが、二輪車の新たな可能性を切り開くことが期待される。ホンダの技術力の粋を集めたV3R 900 E-Compressor Prototypeの市販化が待ち遠しい。


