スポーティ&GTな基本性能

中排気量スクーターとして2026年型が登場したHonda Forza350が従来の枠を超えた存在感を放っている。
2026年型においては、欧州仕様向けに改良を加えた Smart Power+(eSP+)エンジンを搭載し、最大出力21.5 kW/最大トルク31.5 Nmという圧倒的な動力性能を発揮する。
また、エンジン制御ユニット(ECU)の設定変更、触媒・マフラー内部の見直し、CO₂センサーの追加により、最新の Euro 5+ 規制に適合する仕様とされた。 これにより、高速巡航から市街地まで幅広いシーンで軽快且つ余裕のある走りを実現している。
装備・利便性を高めた仕様

Forza350は、上位スクーターに匹敵する充実装備を標準搭載している。
まず5インチのTFTカラーディスプレイを採用、スマートフォン連携「Honda RoadSync」に対応し、ナビ・通話・音楽などをハンドルスイッチから直感操作できる。
また、電動可動式スクリーン(180mm動作)、USB-Cポート、スマートキー、そしてフルフェイスヘルメット2個を収容可能なシート下収納(内部照明付き)など、日常用途から週末のツーリングまでを見据えた実用性が強化されている。 加えて、急ブレーキ時の後続車への警戒信号として「緊急停止シグナル(ESS)」を採用し、安全性にも配慮が及んでいる。
シャシー・走行性能の質向上

優れた動力性能を活かすため、Forza350はシャシー性能にもこだわって設計されている。
フレームは鋼管トラス構造で、前33mm径テレスコピックフォーク、後ツインショックという構成を採用し、車体の剛性と軽快な操縦性を両立。 ホイールは前15インチ/後14インチを維持し、市街地での取り回しと高速巡航時の安定性を兼ね備えている。
また、車重186kgという数値を確保しながら、適切な重心配置と質感あるフットワークを実現。 このように、スポーツライディングとGTスクーターとしての快適性を高次元で融合している。
新色展開とイタリア生産という価値

2026年型では外観においても刷新が入っており、新たなカラーバリエーションとして「Pearl Nightstar Black」「Mat Cynos Gray Metallic」「Pearl Cool White」「Mat Carnelian Red Metallic」「Pearl Falcon Gray」が設定された。
さらに、特別仕様「Special Edition」も用意され、専用グラフィックとレッドステッチなどで個性を演出。生産はイタリア・アドリア海沿岸の「Honda Italia Industriale SpA」(アテッサ工場)で行われており、欧州仕様スクーターとしての品質と信頼性を備えている。
また、Forzaシリーズ全体が「スコーピオン」的な“スポーティGG”と“プレミアムGT”の融合を目指す中、Forza 350はその中核モデルとして重要な役割を担っている。
Forza 350 26YMは、ライトウエイトGTスクーターとして“日常+ロングツーリング”を無理なく叶える一台である。動力・装備・デザイン・走行性能のすべてにおいてバランスが図られ、125cc・300ccクラスのスクーターとは一線を画す仕上がりになっている。日本市場での導入時期・価格等は未発表だが、海外仕様モデルの動向を参考に、国内仕様にも大いに期待がかかる。
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