水素を利用したエンジンには「①燃料電池(FCV)」と「②水素エンジン」の2種類あり

①燃料電池(FCV)

「①燃料電池(FCV)」の発電イメージ。

一つ目は、水素と酸素を化学反応させ、水にする段階で電気エネルギーを発生させる「①燃料電池(FCV)」。

駆動するのはEVと同じく電動モーター。燃料電池(FCV)は現在、トヨタの市販四輪車『ミライ』や、東京都内を走行する「都営バス」などに利用。

新時代のクリーンなエネルギー供給システムとして、すでに実用化されている。

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②水素エンジン

「②水素エンジン」のイメージ。ガソリンエンジンも発生するごく微量のエンジンオイル燃焼分を除き、走行時に出るのは水蒸気=水のみ。

二つ目は、燃やす(爆発させる)のが化石燃料=ガソリンではなく、水素であること以外は基本的にガソリンエンジンと同じ、いわゆる「②水素エンジン」。

水素エンジンは既存のガソリンエンジンが、ほぼそのまま流用できるのがポイント。

水素を利用した上記①②のポイントは、走行時に出るのが水蒸気=水のみであること。

ただし水素の貯蔵は難しく、ガソリンスタンドの代わりとなる「水素ステーション」の設置には数億円という巨大なコストがかかる等々の理由から、まだまだ普及は困難な状況。

写真下はすべて「②水素エンジン」を採用したモデル。ガソリンエンジン車と同じアイドリングや走行フィール、エンジンの鼓動、エキゾーストノートが楽しめる、バイク好きなら“絶対に残して欲しい”未来のエンジンを搭載している。

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カワサキ

水素エンジンモーターサイクル

川崎重工グループは総力を挙げ、水素を「製造(つくる)、輸送(はこぶ)、貯蔵(ためる)、利用(つかう)」のすべての領域において、ロケット技術を始めとした長年培った知見と経験を活かし、社会インフラとしての液化水素サプライチェーンの構築に取り組んでいる。

写真の「水素エンジンモーターサイクル」のエンジンは「カワサキ Ninja H2」に搭載の、水冷4スト並列4気筒DOHC 4バルブ998ccスーパーチャージドがベース。

水素燃料の筒内直接噴射(直噴)仕様に変更したエンジンを、水素燃料タンクや燃料供給系統を設置した車体に搭載した研究用車両として活用中だ。

エンジンの鼓動やフィーリングなど、従来のモーターサイクル同様の「Fun to Ride」の要素を持ちながら、水素を燃焼して走行するため、排出するのは主に水のみ。

カーボンニュートラルの実現に向けた選択肢のひとつとして、2030年代前半の実用化を目指し研究・開発を進めている。

「Ninja H2」に搭載の水冷4スト並列4気筒DOHC 4バルブ998ccスーパーチャージドをベースにした水素エンジン。

6気筒水素エンジン

カワサキモータースが開発・試作を進めている、水素を燃料とした6気筒レシプロエンジンのモックアップモデル。

軽量で高出力なモーターサイクルエンジンの設計思想を応用し、様々なモビリティへの搭載を想定。

大型液化水素運搬船(写真は模型

中型液化水素運搬船(写真は模型

水素をエネルギーとして幅広く活用するには、大量の水素を効率よく、かつ安全に輸送・貯蔵する必要がある。

川崎重工グループは今、国内の関係各社と力を合わせ、長年に渡って自社で磨き上げてきた造船技術、またロケット分野で培った日本が誇る「水素の極低温技術」などを結集し、液化水素運搬船(水素をマイナス253℃で液化すると1/800の体積に凝縮可能)の開発に取り組んでいる。

一般的に水素を効率よくつくるには、広大で気温の高い土地が理想的。そのため海外を拠点に独自のプラントを設けて大量の水素を生産し、船を使って液化水素を全国各地に運搬。国内供給することも視野に入れている模様だ。

ヤマハ

H2 Buddy Porter Concept(エイチツー バディ ポーター コンセプト)

水素エンジン搭載バイクの社会実装を目指し、ヤマハがトヨタ自動車と共同開発中のコンセプトモデルが「H2 Buddy Porter Concept(エイチツー バディ ポーター コンセプト)」。

バイクへの搭載に適した小型の高圧水素タンク(認可取得済)をトヨタ自動車が新規開発し、ヤマハは主に水素エンジンや車体等を開発。

水素満タン時の航続距離は実測で100km以上を発揮。また既存法規を参考に、公道走行に関わる技術要件を織り込み、NOxを含む「Euro5排ガス規制」の対応にも成功している。

リアケース下部に水素ボンベをセット。分かりやすいようにスケルトン化+ミラーで映し出して披露。
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ヤマハとトヨタが共同開発 カーボンニュートラルの実現に向けて、水素エンジンも多様な選択肢の一つと位置づけられる中、ヤマハ発動機は、二輪車への搭載に適した小型の高圧水素タンク(認可取得済)を トヨタと共同で開発し、この「H […]

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スズキ

水素エンジンバーグマン

ベース車両は市販のバーグマン400 ABS。サイズは全長2,300mm x 全幅765mm x 全高1,350mm。

スズキはカーボンニュートラルの実現に向けたマルチパスウェイでの取り組みのひとつとして、水素エンジンの研究開発を推進中。

写真の「水素エンジンバーグマン(プロトタイプ)」は「バイクの楽しさのひとつである、排気音を楽しみながらも環境に配慮した乗り物に乗りたい」を叶える未来に向けた、市販スクーターをベースにしたモビリティ。

ブースではジャパンモビリティショー2023で参考出品したモデルからの進化としてホイールベースが大幅に短縮された。右足側のステップボード脇の樹脂カバーをカット加工して展示されてた。

カット部分から覗く赤いパーツは大型の水素タンク。
トヨタの水素事業トップが語る水素社会“実装”への道とは?【スマートエネルギーWEEK春2024】 | Motor-Fan[モーターファン] 自動車関連記事を中心に配信するメディアプラットフォーム

トヨタのFC(燃料電池)開発の道のり トヨタはモビリティカンパニーへの移行を目指す中で、パワートレーンのマルチパスウェイ戦略を採り続けているが、そのなかでFCV(燃料電池車)開発の歴史は比較的古く、乗用車に関しては199 […]

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愛知、横浜、福島、異なる場所、異なる企業文化 トヨタ自動車は水素の供給から需要創出まで、水素を「つくる・はこぶ・ためる・つかう」のエコシステムを構築することが重要だと考え、実行に移している。『H₂&FC EXPO(水素・ […]

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いま再びマツダの水素ロータリーエンジンへの期待「REは水素燃料と相性が良いのか?」|Motor-Fan[モーターファン]

自動車のエネルギーとして水素=H2を利用しようという動きが活発化している。それはFCEV(水素燃料電池車)だけではない。いま水素を燃料とするロータリーエンジンへの期待が再燃している。その背景を解説する。TEXT◎牧野茂雄(MAKINO Shigeo)

https://car.motor-fan.jp/article/10016010