Bentley Super Sports

純ICEの4.0リッターV8ターボを搭載

「ベントレー スーパースポーツ」のエクステリア。
新型コンチネンタル GTからハイブリッドシステムが取り外された4.0リッターV型8気筒ツインターボを搭載。最高出力は666PSを発揮する。

ハイブリッドを取り外した純粋な内燃機関を搭載する「ベントレー スーパースポーツ」は、専用開発された4.0リッターV型8気筒ツインターボは最高出力666PS、最大トルク800Nmを発揮し、8速DCTを介して後輪を駆動する。カーボンセラミックブレーキ、マンタイ・レーシングと共同開発した新型22インチ軽量鍛造ホイール、アクラポヴィッチ製フルレングスチタンエキゾーストシステムを標準装備。ピレリ製「Trofeo RS」タイヤもオプションとして用意される。

エクステリアは、ダウンフォースを最大化し、各コンポーネントを軽量化・史上最も「走りに特化した」コンチネンタル GTが完成した。新形状のフロントバンパーには、ベントレーの市販車として史上最大のフロントスプリッターが一体化され、エンジンとフロントブレーキへフレッシュエアを送り込む。

カーボンファイバー製ダイブプレーン、サイドシル、フェンダーブレード、リヤディフューザー、固定式リヤウイングが導入されたことで、ベースの「コンチネンタル GT スピード」から300kg以上もダウンフォースが増加。軽量化を目的にルーフをカーボンファイバーパネルに変更、構造剛性を維持しながら重心を下げることに成功した。

2027年初頭からデリバリーをスタート

「ベントレー スーパースポーツ」のコクピット。
スーパースポーツのレーシーなコクピット。オーダーは2026年3月に開始し、2027年初頭からデリバリーが行われる予定だ。

2シーター化され、高いサポート性を備えた新設計のスポーツシートを、車体内でより低い位置にレイアウト。後席空間はカーボンファイバーとレザーのシェルに置き換えられた。モノトーン、デュオトーン、トライトーンのインテリアから選択可能となっており、レザー、ダイナミカ、カーボンファイバーを広範囲に使用し、パフォーマンスに特化した空間を構成する。

コンチネンタル GTよりも約500kgも軽量化され、重量は2トン未満を実現。最も大きな軽量化はパワートレインによるもので、ICEのみの駆動方式と後輪駆動への変更に伴う軽量化が実施された。後席が備わらないことも軽量化に貢献している。

また、リヤシートとシートベルトだけでなく、後席まわりの遮音材も減らされており、オーディオシステムは前席専用に再構成。さらなる軽量化のため、ドライバー重視の車両では不要とされた一部の運転支援システムも取り外された。

注文受付は2026年3月に開始し、2026年第4四半期に生産がスタート。2027年初頭からデリバリーが行われる予定。現時点で、スーパースポーツは英国、ヨーロッパ(EU27か国、スイス、トルコ)、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、オマーン、バーレーン、UAE、カタール、クウェートにおいて販売される。現時点で日本市場は含まれない。ベントレーモーターズのフランク=シュテファン・ヴァリザー会長兼CEOは、新型スーパースポーツについて次のようにコメントした。

「新型スーパースポーツは、単に過去最大のドライバー志向モデルというだけではありません。ベントレーが、これからも、大胆でエクストリームなモデルを生み出していくという『明確な意思表明』でもあります」

「圧倒的な走行性能とドライバーエンゲージメントを融合させつつ、それぞれがお客様に合わせてビスポークで仕立てられた“自動車芸術の作品”である点も、このモデルの本質となります。100周年を迎えるスーパースポーツの名にふさわしい存在であり、私がベントレーに加わってから初めて、構想から完成まで手がけたプロジェクトとなりました」

社内の小規模プロジェクトから実用化へ

「ベントレー スーパースポーツ」の走行シーン。
社内の開発陣による「後輪駆動で、2トン未満のコンチネンタル GT」構想が、新型スーパースポーツとして現実化することになった。

新型スーパースポーツは、2024年9月、小規模の開発チームが「後輪駆動で2t未満のコンチネンタル GTがどのような動的挙動を示すか」を理論化したアイデアから生まれた。

チームには1台のテストミュール(試作車両)を製作する許可が与えられ、わずか6週間後にはその車両がサーキットに持ち込まれると、このコンセプトの優秀性が実証された。このテストミュールのパフォーマンスに説得力があったため、新型スーパースポーツ開発プロジェクトがごく少数の専門チームにより進められることになった。

プロジェクトを極秘に進めるため、開発チームはコードネームを導入。ベントレーの歴史にある、ミルドレッド・マリー・ペトレ(Mildred Mary Petre)の物語から着想を得た。1895年生まれのペトレは、レーシングドライバー、パワーボートレーサー、パイロットとして、陸・海・空のあらゆる世界で記録を打ち立てた人物。1929年、彼女はフランスのモンレリー・サーキットを「ベントレー 4 1/2リッター」で24時間単独走行した。

この時、平均速度は約90mphに達し、新たな耐久記録を樹立。彼女の恐れ知らずの精神を称え、開発チームは新プロジェクトに「ミルドレッド」という名を与えることになった。

コンチネンタル史上初の後輪駆動化

「ベントレー スーパースポーツ」の走行シーン。
ドライバーエンゲージメントを新たな次元へ引き上げるため、ベントレーのエンジニアはスーパースポーツを、コンチネンタル史上初となる後輪駆動化することを決定する。

新設計の4.0リッターV型8気筒ツインターボは、強化クランクケース、アップレートされたシリンダーヘッド、大型ターボが導入された。これらの変更により、ベントレー史上最高のパワー密度(リッターあたり166.5PS)を誇る、最高出力666PS、最大トルク800Nmを発揮。組み合わせられる、ZF製8速デュアルクラッチトランスミッションは、スーパースポーツ用にクラッチが強化され、変速プログラムも新たに専用設計が施された。

アクラポヴィッチとの共同開発された、フルレングスのチタン製エキゾーストを搭載し、そのサウンドは従来のベントレーよりも個性的になるよう専用チューニング。クロスプレーンV8の音色を深く、力強く、そして完全に自然な形で増幅・調律しており、室内での人工的なサウンド演出は一切ないという。0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は約310km/hとなる予定(公式の検証済み数値は追って発表)。

さらにベントレーのシャシーエンジニアは、ドライバーエンゲージメントを新たな次元へ引き上げるため、コンチネンタル GT3 レーシングカーを除けば、史上初となる後輪駆動のコンチネンタルへと仕上げた。

パワーは電子制御式LSD(eLSD)を介して後輪のみに伝達。リヤトレッドはコンチネンタル GT比で16mmも拡大された。eLSDにはブレーキによるトルクベクタリングが加わり、両システムが協調してターンインを極限までシャープに、最大限のトラクションが確保される。

最大の敏捷性と安定性を実現するため、後輪操舵も継続採用され、ステアリング、サスペンション、トラクションマネジメント、ESCシステムのキャリブレーションはすべて新しく設定された。

「ベントレー スーパースポーツ」を動画でチェック!

新型PHEVパワートレインが導入された「ベントレー コンチネンタル GT ベース」のエクステリア。

ベントレーが新型ハイブリッドを「コンチネンタル GT」「コンチネンタル GTC」「フライングスパー」で導入

ベントレーモーターズは、第4世代のコンチネンタル GT、コンチネンタル GT コンバーチブル(GTC)、フライングスパーに、新たに「アズール」と「ベース」モデルを設定した。両モデルには、4.0リッターV型8気筒エンジンにモーターを組み合わせ、最高出力680PS、最大トルク930Nmを発揮する新開発PHEVパワートレイン「ハイパフォーマンスハイブリッド」を搭載する。