LAMBORGHINI URUS
ランボルギーニ ウルスとは

「ランボルギーニ ウルス」は2017年12月に登場したランボルギーニ初のSUVである。発表時にランボルギーニは、「スーパーカーの情熱とSUVの機能性を併せ持つ、世界初の“スーパーSUV”」と表現したように、ブランド伝統のデザイン言語とSUVとしての実用性を融合した点が大きな特徴だ。
搭載する4.0リッターV8ツインターボは強烈なパワーを生み出し、重量級のSUVとは思えない俊敏な走りを実現する。基盤となるプラットフォームはフォルクスワーゲングループのMLB evoで、軽量化と剛性のバランスに優れる。電子制御4WDや4輪操舵、アクティブロール制御など最新のシャシー技術を採用し、高速域での安定性や街中での扱いやすさ、未舗装路での走破性を高い次元で両立している。キャビン内も最新のインフォテインメントシステムや質感の高い素材など、ランボルギーニの世界観を日常的に楽しめる高性能かつ万能のSUVとして評価されている。
ランボルギーニ ウルスの外観・内装


ランボルギーニ ウルスの外観は同社のスーパーカーらしく、シャープでアグレッシブな造形が特徴。内装は高品質なマテリアルと最新のユーザーインターフェイスを組み合わせ、スポーツ性とラグジュアリーを両立した独自の空間となっている。
外観:アグレッシブな造形美
ウルスはランボルギーニのDNAを明確に示す鋭い造形が特徴で、六角形のフロントグリルやヨコY字型にLEDを配したテールライトなど、ブランド特有のディテールが散りばめられている。低くワイドなスタンスは、大型SUVでありながらスポーツカーらしい印象を与える。ハイパフォーマンス仕様の「ペルフォルマンテ」では空力パーツの最適化が行われ、軽量素材の採用により高速安定性や応答性を一層向上させている。専用のボンネットやリヤスポイラーが与えられ、視覚的にも走りの性能を感じさせる。
内装:高級素材と先進UI
“Feel Like a Pilot”コンセプトでデザインされたランボルギーニ ウルスの内装は、航空機のコクピットを思わせる構成で、操作スイッチやセンターコンソールの造形がドライバーを包み込む。アルカンターラやスムーズレザー、カーボンファイバーなどの素材が多用され、触れた瞬間に高級感を実感できる。センターには直感的な操作が可能な2つのタッチスクリーンを配置。センターコンソールにはドライブモードが選択できる「ANIMA」セレクターが装備される。路面や走行スタイルに応じた6種類(オプション)の制御が選択でき、走行中のコンディションに対して最適な応答性を発揮する。
ランボルギーニ ウルスのサイズ


フルサイズSUVに分類されるランボルギーニ ウルスのボディサイズは堂々としており、大胆でありながら優雅さを漂わせている。ランボルギーニらしいアグレッシブな存在感と高い居住性を両立している。
ボディサイズ:圧倒的な存在感
全長5112mm、全幅2018mm、全高1638mm(ウルスS)というサイズはこのクラスの中でも大柄だが、空力的デザインによりシャープな印象を与える。23インチホイール仕様ではさらに迫力が増し、停車時においても強烈な存在感を放つ。3003mmと長いホイールベースは高速走行時の直進安定性を支えると同時に、室内空間の余裕にもつながる。ランボルギーニ ウルスのサイズは視覚的な重厚感と同時に走行性能にも寄与しているといえる。
室内スペース:快適性と実用性
広々としたキャビンは大人が前後席に乗っても窮屈さを感じることはあまりないだろう。4シーター仕様ではリヤが独立シートとなり、リムジンのような快適性を提供。5シーター仕様は実用性を重視した構成。トランク容量616Lは日常の買い物から家族旅行まで対応できるだろう。シートはホールド性と長距離移動時の快適性を両立し、ランボルギーニが“lifestyle-oriented super SUV”と表現する通りスポーツ走行だけでなく普段の移動にも適した設計が施されている。
ランボルギーニ ウルスの走行性能・燃費性能


ランボルギーニ ウルスはスーパーカーの走行性能とSUVの万能性を兼ね備え、どんなシーンでも高いパフォーマンスを発揮する。
走行性能:スーパーカーの加速と路面を問わない走破性
ウルスSの4.0リッターV8ツインターボエンジンは最高出力666PS、最大トルク850Nmを発生し、0-100km/h加速は3.5秒。ペルフォルマンテでは軽量化と空力性能のリファインによって、これを3.3秒まで短縮している。4輪操舵は低速時の小回り性を高めつつ、高速域では安定性の向上に貢献。アクティブロール制御により、車重を感じさせないコーナリング性能を誇る。未舗装路向けの走行モードも用意され、雪道・砂地・岩場など様々な環境に対応する点も特徴である。
燃費性能:高性能と効率の両立
ウルスSの燃費はWLTP複合モードで約7km/L(14.1L/100km)と、8気筒の超高性能エンジンとしては効率的な部類に入る。エネルギー回生システムやストップ&スタート機能が採用されており、市街地走行時の燃費向上に寄与している。高速走行では回転数が抑えられ、意外なほど安定した燃費を示す場合もある。
プラグインハイブリッドシステムを搭載するウルスSEは、最大60km以上の電動走行が可能。トータル燃費で約17.5km/L(5.71L/100km)という高効率でありながら、800PS、0-100km/h加速3.4秒、最高速度312 km/hという驚異のハイパフォーマンスを誇る。
ランボルギーニ ウルスの購入価格・維持費

ランボルギーニ ウルスは“スーパースポーツ”として高級SUV市場でも上位に位置する価格帯にある。路面を選ばない性能の高さと、ランボルギーニというブランド価値を考えると妥当なレベルといえる。
購入価格:高級SUVのトップレンジ
ウェブサイト上の現行ラインナップは、ベースモデルのウルスS、スポーティ仕様のウルス ペルフォルマンテと2024年に登場したプラグインハイブリッドのウルスSEの3グレードが用意される。新車価格はSの約3000万円からで、オプション次第で価格はさらに大きく変動する。エクステリアやブレーキキャリパーの塗装色、ホイールのアクセントカラー、内装パーツの素材など幅広いカスタマイズが可能で、数百万円単位のオプションを設定するケースが多い。
中古市場でも人気が高く、希少性やブランドバリューによって高値を維持。近年は円安の影響や世界的な需要増により、新車価格・中古価格ともに上昇傾向が続いている。
維持費:高性能ゆえのコスト
維持費はいわゆるスーパーカーと同等で、任意保険は車両保険込みで100万円前後となる場合もあるようだ。オイル交換、23インチタイヤ、ブレーキ関連の交換費用も高額だ。定期点検や車検では消耗品の単価が高く、年間の維持費は一般的なSUVより高くなる。(以下は、ランボルギーニ ウルスSの場合の概算。)
| 区分 | 項目 | 年間費用(円) | 備考 |
| 税金・保険 | 自動車税 | 6万5500 | 3996cc |
| 重量税 | 2万500 | 重量2.5tまで2年間で4万1000円 | |
| 自賠責保険 | 8825 | 2年分1万7650円 | |
| 任意保険 | 25万 | 30代ゴールド免許の場合の概算 | |
| メンテナンス | オイル交換 | 10万 | 銘柄等により変動。年1回交換と想定 |
| タイヤ交換 | 40万 | 4年で交換と想定 | |
| 消耗品 | 随時 | ブレーキパッド、ブレーキフルード、バッテリー等の交換・整備費用 | |
| 日常費用 | ガソリン | 10万 | 年間3000km走行、燃費約7km/L、ガソリン¥200/Lで計算 |
| 駐車場 | 60万 | 都内マンション併設タワーパーキング想定(5万円/月) | |
| 合計 | 約150万〜 | 注)税金・自賠責保険料以外はすべて概算 |
ランボルギーニ ウルス モデル解説



ランボルギーニ ウルスには前述のように3つのグレードが設定されており、それぞれキャラクターが異なる。好みや用途に応じて、ニーズに合った選択肢が用意されているのも魅力のひとつだ。(※2025年11月現在、日本市場では新車はSEのみの扱い)
ウルス S
2017年12月にワールドプレミアされたランボルギーニ ウルスであるが、現在はマイナーチェンジ版のウルス Sが現行シリーズの基本モデルとして、快適性・パフォーマンス・日常性をバランス良く備えている。4.0リッターV8ツインターボは666PS(490kW)、850Nmを発生し、停止状態から3.5秒で100km/hに達する。シャーシには、アクティブ・リヤトルクベクタリング機構を備えたフルタイム4WD、後輪操舵、アンチロール・スタビライジング・システム、カーボンセラミック・ブレーキといった最新技術を満載。あらゆる走行条件や道路状況に適応し、大柄な車体とは思えない軽快さと安定性を実現している。
アダプティブエアサスペンションは、街中の一般道や高速道路、ロングドライブにおいても良好な乗り味を提供する。インテリアは素材の選択肢が豊富で、ユーザーの好みに合わせたカスタマイズができるなど、スポーツ性能と快適性を両立している。
| 発表 | 2022年 |
| 全長/全幅/全高/ホイールベース | 5112/2018/1638/3003mm |
| パワートレイン | 4.0リッターV8ツインターボ |
| 総排気量 | 3996cc |
| 最高出力、最大トルク | 666PS(490kW)/6000rpm、850Nm/2300~4500rpm |
| トランスミッション、駆動方式 | 8速AT、AWD |
| 車両重量 | 2197kg |
| 0→100km/h加速 | 3.5秒 |
| 最高速度 | 305km/h |
ウルス ペルフォルマンテ
ランボルギーニ ウルス ペルフォルマンテは特に走りを重視したモデルで、サーキット志向のセットアップが施されている。666PSのエンジンはウルスSと同じだが、ボンネットフード、ルーフ、ホイールアーチなどにカーボンファイバーを使用することで47kgの軽量化が施されている。0-100km/h加速は3.3秒とスーパーカーと呼ぶにふさわしい。また、専用エアロパーツやタイヤによりグリップ性能や応答性が向上している。
新たなセッティングが施されたコイルスプリングにより、ダイレクトな走りの感触を味わえる点もウルス ペルフォルマンテの特徴で、コーナリング性能はSUVとは思えないレベルだ。超軽量チタン製エキゾーストシステムがランボルギーニらしいサウンドを奏でるなど、SUVでありながら純粋なスポーツモデルの操作感を求めるユーザーに最適である。
| 発表 | 2022年 |
| 全長/全幅/全高/ホイールベース | 5137/2026/1618/3006mm |
| パワートレイン | 4.0リッターV8ツインターボ |
| 総排気量 | 3996cc |
| 最高出力、最大トルク | 666PS(490kW)/6000rpm、850Nm/2300~4500rpm |
| トランスミッション、駆動方式 | 8速AT、AWD |
| 車両重量 | 2150kg |
| 0→100km/h加速 | 3.3秒 |
| 最高速度 | 306km/h |
ウルス SE
ランボルギーニ ウルス SE はプラグインハイブリッドシステムを取り入れたPHEVで、ランボルギーニの「これから」を示す存在だ。V8ツインターボにモーターを組み合わせ、システム出力は800PS(588kW)に達する。センターとリヤに備えた2つの電子制御ディファレンシャルによって、縦方向と横方向のトルクベクタリングをコントロール。サーキットからオフロード、ウェット路面からドリフト走行まで、あらゆるシーンで高いパフォーマンスを実現する。
ハイブリッドシステムにより低速域での扱いやすさも向上している。EV走行可能距離は60km超とされ、燃費、静粛性、加速のスムーズさも進化している。環境性能と圧倒的パワーを両立しつつ、ランボルギーニらしい走りの刺激を維持しているのがSEだ。
| 発表 | 2024年 |
| 全長/全幅/全高/ホイールベース | 5123/2022/1638/3003mm |
| パワートレイン(PHEV) | 4.0リッターV8ツインターボ+25.9kWhバッテリー |
| 総排気量 | 3996cc |
| システム合計最高出力、最大トルク(ICE) | 800PS(588kW)/6000rpm、800Nm/2250~4500rpm |
| トランスミッション、駆動方式 | 8速AT、AWD |
| 車両重量 | 2406kg |
| 0→100km/h加速 | 3.4秒 |
| 最高速度 | 312km/h |
ランボルギーニ ウルスの新車・中古車価格

ランボルギーニ ウルスの新車価格はオプションにより大きく変動し、特別色やカーボンパーツなどの選択で数百万円単位の追加が生じる。高級SUV市場でも特に人気が高く、新車の販売台数も限られるため中古車相場も下がりにくいのが特徴だ。中古車では仕様に加え走行距離によって価格差があるが、初期型で2500万円弱から。新しいモデルは3000万円以上の個体が多い。ペルフォルマンテは4000万円から仕様によっては7000万円近くに達する場合もある。ボディカラーの人気によっても価格が変わり、状態が良い中古車は高値で取引される傾向が続いている。
| モデル | 車両本体価格(税別) | 中古車 |
| ランボルギーニ ウルス S | 2909万1217円〜 | 初期モデル:2500万円~ 最新モデル:3000万円~ |
| ランボルギーニ ウルス ペルフォルマンテ | 3245万3121円~ | |
| ランボルギーニ ウルス SE | 約3150万円~ |
ランボルギーニ ウルスについて多い質問

以下では、ランボルギーニ ウルスに関して多い質問に回答する。
Q:ランボルギーニ ウルスは故障しやすいか?
ランボルギーニ ウルスは、VWグループの量産技術(MLB evoプラットフォームや4.0リッターV8ターボユニット)をベースにしており、スーパーカーの中では比較的信頼性が高い部類と評価される。ただし、電子制御が複雑でタイヤ、ブレーキ、サスペンションなど高い負荷がかかるパーツは消耗が早く、一般的なSUV以上のメンテナンスコストが必要となる。また、個体差や使用環境により電装系やセンサー類の不具合が報告されることもある。定期的な点検と正規ディーラーでのメンテナンスを行えば、大きなトラブルのリスクは抑えられる。
Q:家族で使えるクルマか?
ランボルギーニ ウルスはスーパーカーの性能を持ちながら4〜5名が快適に乗れる室内空間を備えており、ファミリーユースにも十分対応する。後席は大柄な大人でも余裕があり、4シーター仕様は独立シートによって快適性は高い。ラゲッジ容量は616Lが確保され、旅行やレジャーにも活用できるとともにチャイルドシートの取付けも容易。エアサスを装備するウルスSでは乗り心地が特に優れており、長距離移動も快適だ。日常使いと高性能SUVのパフォーマンスを両立できる数少ないモデルの一つである。
Q:競合車は何か?
ランボルギーニ ウルスの競合モデルはアストンマーティン DBX707、ポルシェ カイエン ターボGT、メルセデスAMG GLE 63 S、ベントレー ベンテイガなどが挙げられる。DBX707はパワーと加速、カイエン ターボGTはサーキット最速SUVとして名高い。これに対してウルスは軽量設計、シャープな回頭性、ランボルギーニ特有の刺激的なデザインによって最も“スーパーカー寄り”のSUVといえる。ブランド力とオリジナリティによって、競合モデルとは明確に差別化されている点が強みだ。
ランボルギーニ ウルスの購入方法

ランボルギーニ ウルスの購入はランボルギーニ正規ディーラーを通じて行うのが基本で、カラーやパーツの素材、オプションなどを細かく指定して自分好みの1台を仕立てられる。人気が高く、納車まで数ヵ月〜1年以上かかることもあり、早めの相談が推奨される。中古車を検討する場合は、品質と保証が担保される正規ディーラーの認定中古車プログラムを利用するのが安心だ。

