ポルシェ史上最強の1156馬力、新型EV「カイエン エレクトリック」欧州で受注開始【動画】
「ポルシェ カイエン エレクトリック」登場、今後10年はICE＆ハイブリッドと併売
Porsche Cayenne Electric
フル電動モデルとICEを今後も併売
新型カイエン エレクトリックは、システム最高出力1156PS（カイエン ターボ エレクトリック）を発揮するフル電動パワートレインを搭載。0-100km/h加速は2.5秒、最大400kWの充電能力、そして最大642kmの航続距離を実現した。ポルシェ史上最もパワフルな市販モデルとしてデビューを飾った。
2002年9月にデビューした初代カイエンは、ポルシェがスポーツカーブランドから、新たなセグメントへと進出した最初のモデルとして登場。各世代のカイエンは、これまでにないスポーティな万能SUVとして世界的成功を収めた。2025年、ポルシェはカイエンの新たな時代が待望のフル電動モデルの登場とともにスタートしたと高らかに宣言した。
ポルシェAG取締役会会長のオリバー・ブルーメは、カイエン エレクトリックの正式発表を受けて次のようにコメントした。
「カイエン エレクトリックは、モータースポーツで培った革新的な電動化技術により、まったく新しい次元のパフォーマンスを実現しました。走行特性だけでなく、充電においてもSUVセグメントの新基準を打ち立てることになるでしょう。卓越した電動パフォーマンスと、日常での実用性の高さを兼ね備えています。さらに優れた長距離快適性と妥協のないオフロード性能も両立しているのです」
2025年、世界で販売されるポルシェ製モデルの約36％が電動化モデルとなった。ただ、カイエン エレクトリックは既存の内燃機関やハイブリッド搭載モデルと並行して販売される。販売・マーケティング担当取締役のマティアス・ベッカーは次のように付け加えた。
「お客様を魅了することがポルシェの最優先事項です。カイエンの電動化により、新たなパフォーマンスレベルを確立したと自信を持っています。同時に次の10年もカイエンの内燃機関やハイブリッドモデルの開発も継続します。今後すべてのセグメントにおいて、ポルシェはBEVと内燃機関の選択肢を提供し続けます」
1156PSを発揮する新開発電動パワートレイン
フル電動パワートレインを搭載するカイエンは、デビュー時点で「カイエン エレクトリック」と「カイエン ターボ エレクトリック」の2モデルで構成。どちらも前後にモーターを配置した全輪駆動仕様となり、電子制御「ポルシェ・トラクション・マネジメント（ePTM）」を搭載する。
パフォーマンス仕様の「カイエン ターボ エレクトリック」は、ローンチコントロール使用時に最高システム出力850kW（1156PS）・最大トルク1500Nmを発揮する、新開発のフル電動ドライブシステムを搭載。ノーマルモードでは最高出力630kW（857PS）を発揮。プッシュ・トゥ・パス機能により、10秒間は追加で130kW（176 PS）を上乗せできる。
リヤモーターには高い連続出力と効率を維持するため、モータースポーツ由来の直噴オイル冷却システムを導入。0-100km/h加速は2.5秒、0-200km/h加速は7.4秒、最高速度は260km/hというスペックを実現した。
エントリーモデルの「カイエン エレクトリック」はノーマルで最高出力300kW（408PS）、ローンチコントロール使用時に325kW（442PS）、最大トルク835Nmを発揮。0-100km/h加速は4.8秒、最高速度は230km/hに留められている。
両面冷却システムを採用した新型バッテリー
新開発の113kWh高電圧リチウムイオンバッテリーは、両面冷却システムにより、あらゆる走行域において最適な温度管理を実現。最大航続距離（WLTPサイクル）は「カイエン エレクトリック」が642km、「カイエン ターボ エレクトリック」は623kmが確保された。
800Vシステムを導入したことで、DC急速充電は最大390kW、条件により最大400kWに達する。10％→80％は16分以内で、10分間でカイエン エレクトリックが325km、カイエン ターボ エレクトリックが315km分のエネルギーを充電できると謳う。今回、ポルシェ初のとなる非接触充電「ポルシェ・ワイヤレス・チャージング・システム」を導入（最大11kW）。オプション設定されるフロアプレート上に駐車するだけで、自動的に充電が開始される。
全車に「アダプティブエアサスペンション」と「ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント（PASM）を標準装備。カイエン ターボ エレクトリックには、電子制御LSDの「ポルシェ・トルクベクトリング・プラス（PTV Plus）」が追加される。リヤアクスルステアリングも設定可能で、後輪を最大5度まで操舵する。カイエン ターボ エレクトリックには新たに「ポルシェ・アクティブライド」も設定、車体の揺れをほぼ完全に抑制し、最高レベルの安定性と快適性を実現した。
ブレーキシステムは、最大600kWというフォーミュラEに匹敵する回生能力を実現。日常域のブレーキ操作の約97％を電気モーターのみでカバーし、油圧ブレーキの介入は最小限に抑えられた。カイエン ターボ エレクトリックには、必要に応じて「PCCB（ポルシェ・セラミックコンポジットブレーキ）」も選ぶことができる。
効率性に貢献する高いエアロダイナミクス性能
ICE搭載モデルから一新されたエクステリアは、低いボンネット、スリムなマトリクスLEDヘッドライト、力強いフェンダー、ブランドを象徴するフライラインなど、ポルシェらしさを保ちつつ未来的に進化。サイドはサッシュレスレスドアと特徴的なキャラクターラインが、フル電動モデルであることをアピールする。
リヤセクションは、3Dテールライトストリップ、アニメーションライト、発光型「Porsche」ロゴを採用。カイエン ターボ エレクトリックは、専用カラーの「ターボナイト」が導入される。また、オフロード走行を求めるカスタマー向けに、アプローチアングルをアップデートする「オフロードパッケージ」も用意されるという。
Cd値は0.25と、SUVセグメント屈指のエアロダイナミクス性能を実現した。空力性能の向上は航続距離と効率性能向上に貢献。可変式システム「ポルシェ・アダプティブ・エアロダイナミクス（PAA）」は、可変フラップ、アダプティブ・ルーフスポイラー、ターボ専用アクティブ・エアロブレードなどを採用し、高速域における空力効率とダウンフォースを向上を実現した。
快適性が大幅に向上したリヤキャビン
カイエン エレクトリックのディメンションは、全長4985mm、全幅1980mm、全高1674mm。ホイールベースは3023mmと、ICEモデルから130mm近く延長され、リヤシートの足元空間と快適性が大幅に向上した。電動スライド式リヤシートは、コンフォートからカーゴまで柔軟に設定可能。ラゲッジルームは通常時が781L、後席を倒すことで最大1588Lに拡大する。また、フロントには90Lのフランクも用意された。
インテリアには新たに「ムードモード」を導入。このモードを選ぶとシートポジション、アンビエントライト、エアコン、サウンド、ディスプレイが自動的に切り替わる。可変調光パノラマルーフに加えて、シートだけでなくアームレストやドアパネルも暖める新開発の「パネルヒーティング・システム」を搭載。
インテリアは13色の標準カラー、12種のインテリア、最大5つのインテリアパッケージ＆アクセントパッケージを設定。足元には9種類の20〜22インチホイールをラインナップする。また、自由にボディカラーを調色できる「ペイント・トゥ・サンプル」、カスタマイズプログラム「ゾンダーヴンシュ（Sonderwunsch）」にも対応する。
「ポルシェ カイエン エレクトリック」を動画をチェック！
