Mercedes-AMG SL 43
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Porsche 911 Carrera Cabriolet
SLが受け継いできたロングノーズ&ショートデッキ




メルセデス AMG専用モデルとして、2021年にデビューを飾った「SL」。初代から続くロングノーズ&ショートデッキスタイルは不変だが、先代までのメタルトップ製クーペカブリオレから、4代目SL以来となるソフトトップが採用された。2022年からは、直4エンジンを搭載したエントリーグレードの「メルセデス AMG SL 43」の導入がスタートしている。
ポルシェは現行型「911」(992型)の後期モデルとして、様々な改良が施された「992.2型」を2024年に発表。3.0リッター水平対向6気筒ツインターボを搭載する「911 カレラ」に、引き続き開閉式ソフトトップを備えた「カブリオレ」が設定された。
ボディサイズは、堂々たる体躯を持つSL 43が、911 カレラ カブリオレよりも、全長で155mm、全幅で65mm、ホイールベースは250mmも大きい。どちらもメタルルーフではなくソフトトップを採用しているが、車両重量に関してもSL 43が160kg重い。
メルセデス AMG SL 43
ボディサイズ=全長4700mm×全幅1915mm×全高1370mm
ホイールベース=2700mm
車両重量=1780kg
タイヤサイズ=265/40R20(前)、295/35R20(後)
ポルシェ 911 カレラ カブリオレ
ボディサイズ=全長4545mm×全幅1850mm×全高1300mm
ホイールベース=2450mm
車両重量=1620kg
タイヤサイズ= 235/40ZR19(前)、295/35ZR20(後)
F1由来のテクノロジー「電動ターボ」を初採用




これまで多気筒エンジンを搭載してきたSLだが、メルセデス AMG SL 43は、2.0リッター直列4気筒エンジンを搭載。ここにエレクトリック・エキゾースト・ガス・ターボチャージャーと48Vマイルドハイブリッドが組み合わせられる。この電動ターボは、F1由来のテクノロジーであり、市販モデルとしてはSL 43が初採用となった。
SL 43の最高出力は421PS、911 カレラ カブリオレの394PSを大きく凌ぐ。ただ、0-100km/h加速は、軽さを活かした911 カレラ カブリオレが0.6秒も上まわった。
メルセデス AMG SL 43
エンジン形式=直列4気筒電動ターボ+マイルドハイブリッド
排気量=1991cc
最高出力=421PS/6750rpm
最大トルク=500Nm/5000rpm
トランスミッション=9速AT
駆動方式=RWD
最高速度=275km/h
0-100km/h加速=4.9秒
ポルシェ 911 カレラ カブリオレ
エンジン形式=水平対向6気筒ツインターボ
排気量=2981cc
最高出力=394PS
最大トルク=450Nm
トランスミッション=8速PDK(DCT)
駆動方式=RWD
最高速度=291km/h
0-100km/h加速=4.3秒
300万円という価格差をどう考えるか




メルセデス AMG SL 43のコクピットは、メーターナセル内に収められた12.3インチデジタルインストゥルメントパネルに、縦型の11.9インチディスプレイをレイアウト。ベンチーレーションやステアリングには、クロームパーツが贅沢に奢られ、メルセデス AMGに相応しいラグジュアリーな室内空間が広がる。
シンプルな室内空間の911 カレラ カブリオレは、992.2型共通の12.65インチメーターパネルと、横型の10.9インチタッチスクリーンディスプレイが配置された。
現行SLは4代目以来となるリヤシートを設定するが、身長150cm以下のパッセンジャーという但し書きがつく。911 カレラ カブリオレのリヤシート同様に「+2」と割り切るレベルだが、荷物置きとしては重宝することになるだろう。
992.2型導入時点で、911 カレラ カブリオレの価格は1943万円に設定。円安などの様々な要因が重なり、現在は2110万円というプライスタグを掲げる。確かに「ポルシェのオープンに乗る」という絶対的な付加価値は捨てがたい。ただ、F1由来のパワーユニットと豪華装備を備えたメルセデス AMG SL 43が、300万円以上も安く購入できてしまう点は無視し難いのも事実だ。
車両本体価格
メルセデス AMG SL 43 1787万円
ポルシェ 911 カレラ カブリオレ 2110万円


